裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

27日

日曜日

テニスの淡路島

早口で読むと似て……ないか。

※杉ちゃん&鉄平ライブ

スターウォーズのイベントをプロデュースしている夢。
壇上に、帝国軍の将校を演じた役者さんたちを全員揃えようと
思って某提督役の俳優に国際電話をかけるが、
「あの役のことは完全に完璧に永遠に忘れたい」
と言って、とりつくシマもない。
「まあ、あんな役を代表作とされるのに抵抗もあるだろうな」
と妙に納得する。

朝、11時半まで寝る。
起きだして入浴、12時半に母の室に言って朝食兼昼食。
スイカ二切れと、鴨せいろ。
サンバーンした腕の皮膚だが、ようやく入浴してのチリチリした
痛みがなくなり、皮がボロボロと剥けはじめた。
汚いが、しかし日焼けあとの皮が剥けるなどというのは、
思えば10年ぶりくらいか。
夏のさなかでも部屋の中でシコシコ原稿を書く仕事についている
せいである。
夏を体験した、という感じがして、何か嬉しい。

ベッドに横になって読書。
読み疲れてまたウトウトする。
よく眠れるものである。
起きだして短い原稿書こうと思うが、なかなか進まず。

あっと言う間に4時になってしまい、家を出て中野から中央線で
吉祥寺まで。
改札でさいとうさんと待ち合わせ、今日の杉ちゃん&鉄平
コンサートのある吉祥寺スターパインに。
ちょっと迷って怪しいラブホ街をうろつくが、何とか到着。
眠田さんの奥さんやHAL.Tさんたち、さらに何度かと学会の
例会に来てくれているnobさんなどに会う。
nobさんはトンデモ本大賞で杉&鉄を知り、鉄平くんの
バイオリン教室にそれが縁で通うようになり、50歳で
バイオリンに初挑戦しているそうだ。
出会いというものはフシギなものである。

列に並んでいたら、スタッフが
「先生、何で並んでるんですか」
と、招待席に案内してくれた。
しかし、招待客というのは最後に入るもの、というのがライブハウス
の常識なんでちょっと気を兼ねる。

スターパインは天井の高い解放感のあるライブハウスだが、
その中でも一番解放感のない、二階席のロフトみたいな場所に
席を取る。上からステージがのぞける特別席なのだが、
しかし暑い。後で聞いたらライブハウス全体は冷房が効き過ぎみたいな
状態だったのだが、ステージ上とわれわれの居た所だけが
熱気ムンムンであった由。

ライブ、これまでの二人の冗談音楽の歴史を振り返る傑作選
という感じで非常に統一感のある、いい構成だった。
メモを取った限りの曲名を羅列すると、抜けがあるかもしれないが

・ハトヤのカルメン幻想曲
・アイネ・クライネ・アキハバラ
・ハンガリーたらこたらこ舞曲
・ツィゴイネル白鵬(呼び出しをひたすらピアノとバイオリンで模倣)
・映像シリーズ
 (パトカー・救急車・FAX・駆動車・踏み切り・ゴジラ対ウルトラマン)
・無伴奏パルティータコンビニ編
・組曲浦島太郎外伝
・サルでも分かる音楽教室
・モーツァルト殺人事件(刑事物テレビ、映画のテーマオムニバス)
・ある宅配便業者のためのセレナーデ〜クロネコヤマハ〜
・山手線上のアリア
・任天堂プレゼンツファミリーコンチェルト
・チャールダーシュ
・アンコール(トロイメライ+夏の思い出)

中で、『サルでも〜』はタモリが昔LPでやったネタをさらに一歩
進めて、琉球音階、アラブ音階、中国風、という感じでクラシックを
演奏したら、という実験。大変に知的な音楽遊技という感じ。
客席を見るとファン層が、これまでは老若男女取り混ぜて
ある意味てんでバラバラだったのが、これも統一感取れてきたと
いうか、三十代(一部四十代)女性が中心になってきている感が
あった(まだ子供も、私のような中年男もいるが)。
さいとうさんも大満足のようす。

終ったあと、物販ブースが狭いので長蛇の列。
眠田さんの奥さんとそのお連れさんと、
「人の流れが団子になる構造だね、このライブハウスは」
「誘導をもっとスムーズにするようにしないと」
「サイン会は踊り場でやったらどうか」
などといろいろ話。彼女も私もイベント屋なので、
そこらへんが非常に気になるのであった。
それでも、『トンデモ音楽の世界』飛ぶように売れて、
持ってきた分完売。買ったファンが私を見つけて、並んでサインを
求められた(写真)。

ジェオM社長、杉ちゃん&鉄平の二人にさいとうさんを
紹介。トークライブを……と杉ちゃんの方から言い出してくれた
のでさいとうさん大喜び。

二次会場の地図貰って、それまでの時間に、と、近くの蕎麦居酒屋
『美彩土』へ。あられ酒など飲み、あゆ塩焼き、今年最後のなごり空豆、
穴子ざくなどでいろいろ話。軽い笑い話からちょっと重い人生の話まで。
途中で金髪にした業界人ぽいお父さんとお母さんに2〜4歳と思われる
3人の子供がはいってきた。床にガラスを張って中にミニチュアの
盆栽や石庭を置いたおしゃれな内装に子供たち大はしゃぎ。
また、その子たちが無茶苦茶に可愛い。最近の子供たちの
美形化は凄いが、食べ物のせいなのか?

10時頃、そこを出て、打ち上げの場所を探すが、手書き地図が
わかりにくくて(いや、地図のせいでなくこっちの方向音痴の
せいで)迷いに迷う。店の名前が『中華街』なのだが、
しばらく、中華料理店が連なった“中華街”があるのだとばかり
思い込んでいたのも原因。ただの中華屋さんだった。
すでにみんなアルコールがかなり回っている状態のところに
こっちも日本酒回った状態で参加。

今日のこと、『トンデモ音楽の世界』のこと、来年3月の
『トンデモ演芸祭』(トンデモ本大賞ゲストの芸人さんたちを
集めた演芸会)のことなど。12時過ぎたあたりで鉄平くんはじめ
半数は帰るが、私、さいとうさん、杉ちゃん、杉ちゃんの奥さん、
マネージャーの加藤さん、それにM社長残って、1時半までいろいろ
雑談。こないだの喰さんの生前葬の話、某劇団の話などなど。
途中で入ってきた一団が私の顔を見て、
「先日は大変お世話になりました」
と挨拶してきて、こっちもイヤイヤ、コチラコソと返すが、
酔っていて実のところ誰だか思い出せず。

加藤さんがオノのことをベタ褒めしている。
女性たちには頼りがいのある姉さんに見えるようだ。
われわれが到着後になお、紹興酒3本をカラにする。
杉ちゃんの酒の飲み方はマドの酒の飲み方に似ている。
つまり、飲めば最後、酔いつぶれるまで飲む。
流石ミュージシャンだけあって乱れはしないが、目がとろんとして
きて、寝ているんだか起きているんだかわからなくなり、
しまいに突っ伏してしまう。
奥さん、慣れているようでいろいろ介抱し、
「時間かかると思いますので、お先にどうぞ」
と言ってくれたので、タクシー乗って帰宅。
飲み助を亭主に持つ奥さんはいずこも大変だなあ。

帰宅したのが2時ちょい前。すぐベッドに潜り込むが、
思えばコンサート中もその後の店でも、一回もトイレにいかなかった。
私はトイレは近くない(午前中の下し腹気味のときは別)
男で、長距離バスでもトイレを使ったことがないが、
しかし今日はスターパインでもレッドアイ二杯、美彩土で
日本酒と焼酎水割り、中華街で紹興酒がぶがぶやったのに
一回も行ってないのはかなりの新記録。

※サインを(ついでに)求められる私。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa