裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

22日

火曜日

崖上憶良(がけのうえのおくら)

♪おーくらーおくら歌人の子〜

※『創』対談チェック メディアファクトリー最終付け合わせ

朝、眠くて眠くて、10時15分まで寝る。
このごろそういうこと多し。
とにかく、いつまでも寝ていたい。
夢を見る。
東映の試写室で仮面ライダーの新作試写を見ている。
何故か母も一緒で、親戚の○○という子は
夏休みになるとすぐ旅行に出かけてしまう、家族とせっかく
一緒に過ごす機会なのにと文句を言っている。
私は、若い子にとって大事なのは外の世界を体験して見聞を広める
ことで、家族となんかしょっちゅう過ごしているんだから、と言う。
一方で仮面ライダーの方は、怪人青ザリガニ男というのが
出てくるが、これが完全にコメディアンの動き。
アクションしている人間が元お笑い系の男なのでそれが
どうしても出てしまうのだなあ、と思う。

10時半、朝食。
スイカとコーンスープ。
ちょうど、テレビで“スイカがいかに栄養に富んでいるか”
という特集をやっていた。ただし、皮も種も食わないといけないそうで。
圓生の『くやみ』で、
「いかんせん、西瓜はお菜にはならず、皮などは漬物になりますが」
というセリフがあったが、テレビではゴーヤ代わりにスイカチャンプルを
作っていた。

ジュースを煮詰めて作る西瓜糖の話も。
“西瓜糖”と聞くと、阿佐谷(天沼寄り)にあった
おしゃれな喫茶店を思いだす。
名前もおしゃれっぽい響きでつけたのだろうが、
本来西瓜糖とは利尿薬であるから、何か変な感じがしたものだ。
開店時から知っているが、思えばあれももう今から20年近く前。
サイトを試みに調べたら、今年の3月に閉店していた。

某人のブログを読む。
膨大な知識量とマニアックな情熱にあふれた文章で、
私の知り合いのプロ執筆者たちも何人もコメントをつけている。
私も読んでただひたすら感心。
ただし、その人物が実生活、というか仕事の方面では
能力ゼロで、そのくせ口ばかり達者で、虚偽の報告を出し、
おかげでちょっとこちらの仕事にも差し障りが生じはじめている、
ということをこないだ知ったばかりなので、やや複雑な気分。
オタクの最も悪いパターンだな。

寝坊したので午前中の時間をほとんど使えず、あたふたと。
昼は焼きタラコ弁当。
オタク清談手直し。
何か今回はアカデミックぽい。

3時半、タクシー使って渋谷へ。
東武ホテルにて、メディアファクトリーSさんと打ち合わせ。
『血で描く』最終チェック。
河井克夫さんのマンガの部分と文章の齟齬を手直しする。
マンガと合わせたものを初めて読んで、やっと完成が実感
出来てきた。……しかしデザインの井上くんも凝ってくれた。
こっちは思いつきをポンポン言うだけだが、実際に作る方は大変。
DTPの人が悲鳴を上げていたという。
とまれ、今日で原稿は私の手を離れ、あとは印刷に回る。
8月22日発売予定。

しかし暑い。
仕事場に行くが汗でシャツもパンツもグショグショである。
こういうときのために事務所に置いてある予備の下着に履き替えて
仕事(清談手直し続き)やるが、はかどらぬことおびただしく、
LDなど数枚持って、帰宅。
その前に、東急ハンズで買い物があったので、重いLDの紙袋を
持って出て、買い物し、レジで支払いをする間に紙袋を置いて、
さて終って再び紙袋を手にとろうとして、LDの袋でないことに
気がつく。事務所の玄関で靴べらを使ったときに紙袋を脇に置き、
灯のスイッチを消して暗い中で手に持ったので、そこにあった、
全然違う(しかし重さは大体同じ)紙袋を手にしてよいこらしょと
東急ハンズに入ったのだった。あちゃあ、となり、
また重い袋下げて事務所に戻るハメになる。

オノと某件につき、メールやりとりちょっと。
50になると自分のテンションというかモチベーションというか
そういうものを高めるために、ありとあらゆる手段を使わないと
いけない。はっきり言えばもういつ死んでもいい歳なのである。
目標は無理矢理な方がいいだろう。

清談手直し完成させて送り、他の原稿(やはりテープ起こし)
手直しいくつか平行して。
体力限界に達し、10時ころ放擲。
即席モツ鍋を作る。サントクで買った白モツ(167円)と
1/4玉キャベツ(98円)と黄ニラ(190円)で。
全材料合わせて500円しないのがうれしい。
鍋に水を張り、酒を加え、ダシと薄口醤油で味付け。
モツとニンニク(これは買い置き)を入れて煮て、
それから刻みキャベツをどっと入れ、
柔らかくなったら黄ニラを入れて一瞬煮立たせ、
食べる。コロナビール一本、黒ホッピー二杯。
読書しつつ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa