裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

1日

火曜日

羊飼い、二次会、三次会

まあ、三次会あたりで酔って何がなんだかわからなくなったあたりで出る
ダジャレの類。

※書き下ろし小説(完成) テレ東ロケハン

親戚一党が集まる法事の席。
私はどうも再婚して若い妻を持ったらしく、
ちょっと居づらいので隅っこの席に妻と対面する形で座る。
妻は陽気に笑っているが、見るとその歯が数本欠けている。
欠けているのではなく、わざわざ抜いて、そこに
小さな(携帯ストラップのような)人形をはめている。
最近のトレンドらしい。
やはり若い子の趣味にはついていけないなあ、と思う夢。

朝7時起床。
久しぶりの好天で現金な早起き。
日記つけ、連絡事項多々。
忙しいことは充実していることであるが、ちと忙しすぎる気も。
とはいえ、忙しさの中には何かデモーニッシュなものが
あるような気がする。
手塚治虫も石森章太郎も赤塚不二夫も、最も忙しい時期に
最高傑作を生みだしている。
忙しさを活用できるかできないかが天才と凡人の分かれ目。
凡人の身として少しでもこの忙しさの中から何かをつかみたい。

9時朝食、バナナ一本、ヨーグルト。
母との雑談で戦前の生活のことなどをちょこちょこ聞くが
これが興味深い。

原稿書き、ラストスパート。
弁当(ノリ弁)使う時間をはさみ、
残り二章分の一章を2時半までに書き上げてメールする。
その後急いで地下鉄〜バスで渋谷。
テレビ東京『給与明細』スタッフによる事務所のロケハン。
ひさびさの深夜番組で、やはり深夜番組のノリでやるらしい。
昔ならもっとワルノリしたんだろうが、さすがに今、
悪趣味ネタを延々とやるというのは。
教養エロネタで勘弁してもらうことにする。

ミリオン原作につき、いろいろやりとり。
打ち合わせで方向性などを決めてからというこっちと、
とにかく一本早くくれという作画サイドと。

オノに後事託して早めに帰宅、タクシー使う。
初老の運転手さん、今日初めて車にナビがついたが、いや
使いにくくて……とこぼしていた。
「昔はそもそも地図に頼るのはプロの恥、と言われて、休日にでも
東京中走り回って、どこか知らない道があると入っていって、
どこに出るのか、全部身体で覚えたもんですがね」
と言うような話、興味深く聞く。

サントクで買い物して仕事部屋に戻り、さて、書き下ろし小説
最終章。最終章はさっくりと、という原則に従い、
あっさり片づけ、9時にアガリ。
ふう、と息をつく。

mixiにアゲ報告を書いたらさっそく、“解放感にひたって
いるでしょう、飲みませんか”のお誘いあり。
残念ながらまだすぐこの後に連載原稿、ゲラ直し、原作その他
目白押し。そうそう解放感にひたるヒマなし。
それに今回はプロットを綿密に作って、それに合せて埋めていく、
というシステムを試用してみたが、そのおかげで“書く”作業を
純粋に、ではないがかなりの分、物理的作業にすることが出来た。
考えながら書いていたら、たぶん倍の時間がかかったろう。
そのかわり完成時の解放感は倍化したろうが、ビジネスとして
ものを書く際にはやはり、きっちりとしたプロット立ては
必要だと思う。

書評用読書、大急ぎ。
これも大事な仕事のうち。
読み終えてメモ作り、さて、と腹も減ったので夜食準備。
沖縄料理のクープイリチーを作る。
ナマス用などの細切り昆布を煮る。
“早煮用に一度煮ていますので、昆布の風味はありません”と
堂々と書いている商品なので、昆布だしで昆布を煮る。
次に豚バラ肉を茹でる。
本来はかたまり肉を茹でて細切れにするのだが、今回は薄切りで
手軽に。ただし、それでも一度茹でこぼすのがコツ。
ぶつ切りのネギ、エリンギ、肉をゴマ油で炒め、醤油、日本酒、砂糖で
味付け。そこに昆布を加え、細切りにしたコンニャク、カマボコも加え、
さっき豚肉を茹でた汁、昆布を煮た汁も少し加えて、炒め煮にする。
沖縄料理らしい、コックリとした味付けになれば成功。

黒ホッピー、蕎麦湯氷ロックなどで1時まで。
明日の執筆予定原稿のメモなど作りつつ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa