裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

水曜日

アニオタはもう忘れたかしら

 赤いシャアザク専用にして。朝6時半起床、日記つけ、原稿書き。8時朝食、バナナ、ホワイトアスパラガススープ。旅行行きたい映画観たい古本買いたいマッサージ 行きたい、がまだ全部ダメ。

 幻冬舎Yさんから電話、原稿最終チェックの件。日記書いてミクシィにアップ、マイミク日記見たら週プレのMくんが『ウオモ』に移動とやら。作業自体は現在、ライターNくんがほぼやってくれているので大丈夫だろうが、この連載のそもそもの企画者であるMくんがいなくなるのは今後なんかあったときにちょっとイタいかも。

 11時半出勤(書き忘れていたが幻冬舎Yさんはとても可愛い)。日本綜合経営Mさんから、仙台講演の件。文化人というのは講演旅行ができるあたりでアガリ、なのかも知れないが、私など講演内容や形式などにいろいろ注文がついてくるだけまだまだである。売れっ子女流漫画家のKと売れっ子女流作家のNは六本木ヒルズだかで、自分のキライな男のタイプを二人でくだくだと1時間しゃべって、一人50万のギャラもらって、
「少な〜い」
 とブーたれているそうだ。これくらいにならないとイカン、とは思うがまあ、こうはさすがになりたくはないか。

 昼食、黒豆納豆以下同文。原稿書き進めるが進捗せず。気圧のせいか。日テレ『世界一受けたい授業』より電話、番宣用に講師紹介ビデオを作るのでアンケートに答え たりせよ、とのこと。ハイハイ。

 昨日の問題のディズニー・インタビューゲラ直し。『白雪姫』を60年代のアニメなどと書く若いライターさんなんで苦労。鶴岡から某件で相談電話、原稿書きながら応対。3時、時間割にてミリオン出版Yさん。30分ほど連載単行本化の話。Yさんの打ち合わせは具体的な部分まで練り込んであるメモが元になるのでやりやすし。

 帰宅、さっき書きかけた原稿アゲておぐりにメール。急いで時間割に戻り、村崎さんと『社会派くん』対談。ネタ多すぎと言うくらいあるある。途中で森園みるくさんが来て、対談終わるのを待って村崎さんとどこかへ流れていった。相変わらず派手な人だ。こないだ睦月影郎さんと会って朝まで飲んだとか。アサ芸では安達瑶さんの挿絵を描いている。
「あの人の小説、シチュエーション凝ってるから大変なのよ〜」
 とか。担当Kさんと単行本文庫化の件、それから別件の単行本の件。

 また仕事場、週プレゲラチェック、Mくんから電話あって、
「こういうことになってしまいまして」
 と。もっとも、連載開始当初からその予感はあった模様。それあるを期してNくんを配していたとのこと。担当引き継ぎは明日にでも相談を、とのこと。アサ芸もゲラ チェックして返送。

 マイミク日記、ロフトのさいとうさんのところで、林由美香さんの死去を知る。中野貴雄監督の『江戸城大奥奇譚』でご一緒した女優さんである(私は水戸黄門役)。小柄な体躯で、普段の顔も少女のように表情が豊かで、こういう言葉を使うべきかどうかわからないが、とてもピンク女優には見えない可愛らしい女優さんだった。実は『由美香』という自分の名前を冠した作品まである、伝説のAV女優だったのだ。

『たまもの』を観たとき、その存在感に仰天し、今の日本映画界でもこれはベストの女優の一人に成長した、と思った。この映画は一般公開でも大ヒットし、アルゴの細谷さんから電話で、サイン会で長蛇の列が出来たことを知らされ、
「これからは林由美香の時代ですよ!」
 という彼の熱い言葉に、私も深く同意したものだ。ついこないだも、快楽亭ブラックの撮った『四谷怪談』で元気な顔を見たばかり。なぜこんなにも早く、本当の伝説 になってしまったのか。嗚呼。

 二見書房、9時半までかけて二本。一旦帰宅して銀ダラの粕漬けでビール、茶漬け一杯。少し寝て酔いを醒まし、3時までかけてまた一本。何たる遅々ぶり。おぐりから先に送った原稿のナオシが来ていた。週プレの連載読んだ何人かの業界人に言われたことだが、彼女のユニークな敬語しゃべり文章は、活字畑のメディアで大変な武器 になる。

 どんな個性派女優でも、しゃべりを活字にしてしまうと特長が消えてしまうが、おぐりの場合、対談やインタビューでも一行見ただけで彼女とわかるのである。これは強い。あと、ツチダマさんから今回の原稿のイラストが送られてくる。これまた抱腹 絶倒だが、それは来週火曜日までのお楽しみ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa