裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

7日

火曜日

オナジアナ・ママ

 結局あの子もムジナだよ、ロニオリ。朝5時起き、原稿。アサ芸『こんニュー』6枚。途中朝メシをはさんで実質二時間で。一回、原稿用紙にして1枚半分くらいを面 白くないのでホゴにしたことを思うとまずまずのスピード。

 朝食、ブロッコリのスープがうまい。スープパーティやりたいね。9時半、家を出てセブンで週プレ、アサ芸買って仕事場へ。アサ芸の行数合わせをやってからメール する。10時45分、準備して階下へ。六花マネと待ち合わせ、NHKへ。

 アマゾンM氏に迎えられ、楽屋入り。弁当をさっそく食べる。ここの弁当はテレビ各局(まあ、行ったとこだけですが)中で最高。以前からNHKは弁当はいい。不思 議。もっとも岡田さんは『マンガ夜話』はひどい、と言っていたっけ。

 楽屋でちょっと関係している某企画について話。先行きまだ遠いし、本当に関わった者の利益となるかどうか、大いに問題アリなのではないですか、とマネも同意見。顔つなぎに彼女をミーティングにも連れてく。
「岡田さんは吉祥寺でよくお見かけします」
 とマネ言うと岡田さん
「ギク」
 と。いろいろ最近書かれているようだしな。

 ゲスト、今日は大林素子さん(キュート)、現代歌人の黒瀬珂瀾さん(別な意味でキュート)、それに美術の小林七郎さん。小林さんは実に渋い、ダンディなおじさんで、伝説の人がいま! という感じで岡田さんも氷川さんもちょっとアガリ気味。

 私はいつも通り辛口コメント。と、いうかテレビシリーズリスペクト人間なのでこの劇場版のすばらしさは十二分に認めながらもあまり入れ込んだ記憶はない。初公開時にはすでにアニドウで活動しており、1940年代のアニメ最高、などとわめいていて現代日本のアニメなんか、というベクトルでいたせいかもしれない。と、いうより、なにより、この映画の中の宗方コーチのあるセリフ(設定)にちょっとハラを立てたからなので、それをテレビの前で開陳する。大林さんが実際のスポーツ選手の立 場から大賛成してくれた。

 アニメ史に関してはかなり細かいところをネグって、また進行に都合のいいようにちょっと誇張して、語りにインパクトのあるように心がけた。きっとそこを重箱の隅つつきでうるさく言うオタクも多かろう。それはある程度覚悟の上。文字で語るときとテレビのトーク番組で語るときとでは論というものは性質がまるで違ってくる。テレビの場合、限られた時間内でこの線に沿って話を盛り上げるという演出上、まず語ることありきで、データは補助線の役割。今回はとにかく、この補助線上で語るよ、というワク決めでしかない(しかなくもないが、まあ、しかない)。そこがテレビの限界であり、また、テレビならではの視点が出て面白くなってくるところでもあるん である。

 2時15分、収録終わり局からタクシー出してもらって後楽園ホテルへ。サンウェーブ友の会で講演、『生活の中のトリビア』1時間半。最初、聴衆(50代配管工事会社社長連)の反応がオタクとはまったく違う(アタリマエだ)にとまどってうあう あ。後半はうまい具合に話せた。 タクシーで帰宅、いろいろ電話連絡あり。鶴岡から、東大講演定期化かという話。早稲田の講師は現在外れているが、サイトのプロフィールを更新怠っていたら、
「現在早稲田からあなたは外れているではないか。経歴詐称はやめたまえ!」
 という荒らしがきた、とのこと。いずれ大学関係者だとは思うが、ヒステリックなことよ。そういう肩書きだけを気にして生きているんだろう、哀れな連中だ。

 さすがにクタビレて他の仕事らしい仕事できず。FRIDAYゲラチェックくらいでおしまい。9時、帰宅。パイデザ夫妻と一緒に母手製のイシモチのアクアパッツァを。濃厚、かつさわやか。さわやかな風味は山椒の実が入っているせいもある。それとワサビごはん。これもさわやか系。とにかく身体バテ、ホッピーをコヅルで割って 二本、飲む。

 母校・光星から講演依頼が来た。なんだかなあ、要するに“各界で活躍するわが校出身者”という身分か。卒業式の後校門を出たときには、二度とこの門をくぐることはあるまい、と思ったものだし、事実くぐってなかったのであるが。たぶん、あの当時の私を知る教師たちは一人も残ってはいないだろう、とは思うが……うーん、引き受けたものか、と悩む。二見の明日の撮影の予定など、メール連絡。同人誌読なだり して12時半、寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa