裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

11日

土曜日

鞍馬天狗・ニモ

 杉作を探して歩く倉田典膳の物語。朝7時起床。入浴、雑用。8時朝食、アボカドとブロッコリスープ。光高校爆弾事件のニュース。報道によれば犯行に及んだ少年はめだたずおとなしい子で、いじめられているという事実を家族にも訴えられなかったイジイジな子であるらしい。そういうタイプにしては、ちゃんと計画を立て、製造した爆弾も所期の目的通りの威力を発揮し、思惑通り復讐を遂行できて、自分の苦痛に気づいてもくれなかった学校側にも多大な迷惑をかけることでうらみをはらせたというのはまず100パーセントの成功事例といえるのではないか。男子の意気地、よくやった、と褒めてやりたい。おめおめ自殺などするよりよほど健全な行為であろう。

 11時半、家を出て地下鉄乗り継いで浅草。ピーカンの土曜で(梅雨入りてのはどうなった?)人出はなはだし。木馬座にて快楽亭ブラック毒演会。今日は私のビデオ上映会がある予定だったが、ここの機材が借りられなかったのでただのフリートーク となる。開演前に小ブラが快楽亭に
「受付におかみさんが来て、お話があるそうです」
 と告げると、ブラ談次が
「×××××××、だろ」
 と。うわはははは、と思わず大笑い。笑ってる場合でもない。

 とにかく連絡がとれないのは困るから早く携帯をお買いなさい、と勧める。終わったあとで例の寿司屋に行こうと誘われるが、疲労度はなはだしく(地下鉄の中でも何度かオチた)残念ながら断る。客席にIPPANさん、まるさん、アルゴ細谷さん、堀さんなどの顔あり。快楽亭が『三人旅』と『死神』をやっている間に、外をちょっ とぶらつく。まるや書店(古書店)でクラブ雑誌数冊。

 浅草松屋で弁当を買って帰り、楽屋で食べる。ブラ談次と話す。いろいろ心配していた。2時半、対談。ここなら、と過激な話、また家元の話いろいろ。客数にしてはウケた。前座二人に挨拶して、出る。仕事場へ直行。母が掃除に来てくれている。
「こうやって整理だけしておくから、そのうちこのビデオもだんだん捨てていって」
 などと、まだ自分の子がオタクだということをわかってない。
「必要なものだけとっておけばいいじゃない」
 などと言うが、必要でないものばかりとっておく子供だったから、今の私があるんである。

 仕事にかかるが、いろいろ憂鬱。タントンに行き、一時間揉んでもらう。凝ってるという段階は通り越しているかも。帰宅して連絡事項いくつか。入院の報せのある友人もあり、結婚の報せのある友人もあり、妊娠の報せのある友人もあり。しかして離婚あり。人生いろいろ。

 二見書房Yさんから本用の対談と原稿のこと。あと幻冬舎Yさんからの関係で関口誠人さんにメール。9時帰宅、家でメシ。ごく簡単に肉の炒めたのに、菜っぱのお浸し、プレーンオムレツ。ご飯はイクラで。ホッピー一本。衛星放送で、懐メロ・オールディーズのCDの宣伝で曲をずっと流している番組を見るともなく見る。『ブルー ライト・ヨコハマ』がやはり私の中のベストワン歌謡か。

 自室で、DVD、ビデオ類整理のためのザッピング。中村政夫『東京湾』で、やたら可愛い子ぶった子供っぽい語りをしているヤな感じの声の女は誰だと思ったら櫻井よし子氏だったのに驚く。水割り缶一本。ベッドで明木先生の同人誌読みつつ寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa