裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

4日

土曜日

ドラァグ息子

 この子は本当に女装ばかりして。朝7時半起床。朝食はカレーをなすったパンにスイカ。K子には野菜炒め。SF大会のタイムテーブルがさっぱりわからず予定を立てられないでいたが、トンデモ本大賞は18日土曜の6時半〜8時、ということになったらしいと山本会長から連絡。て、ことは幕張に昼頃入って1時45分から『クレヨンしんちゃんを語る部屋』、2時45分〜6時15分まで『トゥーン大好き!』、それから15分おいてトンデモ本大賞、ホテルにとってかえして怪獣酒場、というスケジュールになる。いや、オマツリなるかな、である。

 そのちょっと前に鶴岡から電話、彼の方にもスケジュール変更依頼が来たそうである。今年は私は『悪趣味の部屋』を出してないのだが、彼のもとには繰り返し繰り返し、“アダルトネタはやらないでください”というお達しが届いているそうだ。さすがにコミケを追い出した幕張である。

 そのコミケ関係の問い合わせの電話が数件。そのあと1時、家を出て神保町。古書会館へ行ったが今日は古書展やっておらず。しまった、京王で即売会だったな。まあその分ヨソをゆっくり回ればいいや、と神保町交差点の方へ歩いていたら、久しぶりに坪内祐三氏に出会った。古書会館からですか、というので、イエ今日は休みで、と答えると、エッ、休みでしたか、しまった、やってると思って来ちゃった、という。いずこも同じ。ウッカリは俺だけではなかったぞよ、とニヤつく。

 小宮山書店に入って小一時間ほどいろいろ見て、買い物。若い学生が“どうしてこのお店、値段が古本なのに新刊と同じなんですかあ?”と馬鹿な質問を親父にしていた。ブックオフしか知らないのだろうか。そこを出て大雲堂、矢口書店などで、なんのことはない即売会なみに買い込んでしまい、カバンがクソ重くなる。古書センターへ行き、中野書店でまた重い本買う。重い本を買う日はそう出来ているらしい。かなりひさしぶりにボンデイへ寄り、アサリカレー。朝もカレーなので重なるが、まあいいや。

 エンサエンサと家にたどりつき、さすがにクタとなる。海拓舎の原稿への手入れのことをいろいろ考え、メモを取る。今ごろになっていいアイデアが沸き出す。その他年内の仕事のこと、いろいろスケジュール立て。植木不等式氏から、『悲しきネクタイ』が文庫になったもの(日経ビジネス人文庫)が恵贈される。まるまる一章がつけ加えられていておトクな一冊。平均なる人物の架空解説が大笑いである。一気に読み下したが、これは私のような、ダジャレに対してある程度の抵抗力を持った人物でなければあまりお勧めできない読み方である。できれば一日一編程度を、トイレなどに持ち込んでリラックスしながら読むとよろしい。そうでないと“この著者はこれだけの学識と知性を、下らぬダジャレだの替え歌だので浪費していて、それでいいと思っているのか”と、真面目な人なら義憤にかられて本を壁に投げつけたくなるだろうからである。

 6時、京王プラザに行き、サウナに入る。その後でマッサージ。さすがにこのところの労働時間大幅増で、肩や背中にガタが来ている。出たあと、参宮橋クリクリでK子と食事。野菜のオーブン焼きと羊のローストがうまくてうまくて。白ワインでやっていたが、サウナで汗をかきすぎたせいか体が火照り、水をがぶがぶ飲む。夏はサウナに入るべきでない。

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