裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

25日

月曜日

しんけいつうを注いだ作品

手足を痛めてまで作ったのだ!

※講談社原稿 ミリオン出版原作

学校の教室のようなところに、八百万の神が集まっている夢。
そこで神々の長老(演・片岡千恵蔵)がみんなに、
「われらの故郷は九州じゃ」
と演説する。
「天孫降臨した筑紫こそ、われら神々のふるさとなのじゃ」
と言い、みんなひれ伏してそれを聞いているが、
私は(私も神々の一人らしい)立ち上がって
「とはいえ出雲を無視してはいけますまい。やはり最初に
国造りをした出雲こそが神々の故郷だと思います」
と主張する、ところで携帯で目を覚ました。
母からの朝食の準備の電話。
眠いので30分伸ばしてもらう。

ストレッチ少し、今日は昨日のように心臓がゼイハーせず。
起きだして朝食、バナナジュース、生コーンの甘いスープ。
牛乳もコンソメも使わずにこの風味は奇跡。

日記つけ、原稿書き。
渡辺克己さんから電話、来年の講演仕事の依頼。
しかし、彼はいろんなところで仕事しているな。
テーマも今の私に似合いで、なかなか面白そうである。
引き受けてからシマッタ、その日にかぶった仕事があったかも、
と思い、確認してみたがギリギリでセーフ。
しかしもう来年半ばの仕事のことでスケジュールの心配
せねばならぬとは、時間の経つのの早いことよ。
つくづく、つまらぬことで浪費している暇はないと感じる。

昼食、サンマ塩焼き弁当。
SF大会の最後までの参加者は帰路の新幹線が豪雨で
止まってひどい目にあった模様。
企画への参加を誘ってくれたSさんからもお礼のメール
来ていた。すぐ返信。

編集各位とメールやりとり。
新刊寄贈のお礼、ほとんどがそれに添えて
「ウチの書き下ろしもそろそろ……」
というのが頼もしいというか情けないというか。

原稿(ミリオン原作)書き出すが不捗、
仕事場でやろうとバス使って渋谷へ。
講演(さっきのとは別、喫緊の)に使う映像素材を
探すが、適当なもの見つからず、いっそアマゾンで新たに
買ってしまおうと決める。
オノ来て、いろいろと予算の受け渡しとか何だとか。
談之助さん、某申し込みの件で来事務所。
雑談いろいろ。大須演芸場の話でオノ、爆笑。

さいとうさんから電話、NASAでアポロ開発に関わっていた
日本人科学者と今夜、夕食しませんかというお誘いだったが
原稿書かねばならぬので残念ながら断る。
あと、中野貴雄監督からもおめでたい電話&依頼。

原稿書き。講談社原稿2本、書き上げてメール。
1本1800文字、書き上げるのに1本1時間半。
体力かなり消耗するが編集Oさんから電話、
賛辞受けるのでとりあえず安堵。
ただしどちらの原稿も文字数合わせたはずなのに行数不足あり。
ゲラで直すことにする。

バスで帰宅。
サントクで買い物し、鶏を冷凍のガラと一緒にボイルにかけて
その間原稿。
ミリオン原作。つい先日、偶然のことから手に入った資料を
使い、一気に書き上げる、と言いたいところだがその間に
電話入ったり何だり。
結局、書き上げてK子とYくんに送ったのは11時半。

その間2時間、たっぷり茹でて柔らかくなった鶏肉に
香菜、青ネギなどの薬味を加えたナンプラー・ソースを和えて
ビール。ピータン豆腐なども作って酒。

LDでオーソン・ウェルズの『マクベス』を見る。
全体的に安っぽい低予算映画なのだが、演劇と映画の中間を光と影で
表現したという、その作りが案外好きで、繰り返し観ている
作品のひとつ。この、“映画と演劇の中間”の画像という方式は
黒澤明が後々まで自分の作品に取り入れたものだと思う。
もちろん、クリエイターという人種は(森卓也などの言う通り)
本当に影響を受けた作品のことは絶対言わないものだが。
安っぽく見えるのは本当に金がなかったからなのだろうが、
それを逆手にとった演出(マクベスの運命を泥人形で暗示する
ところなど)は見事。

役者で言うと、マクベス夫人役のジャネット・ノーランは
『刑事コロンボ』にその後二回も出演して日本人にもなじみが
深い。マクダフ役のダン・オハリヒーは『ロボコップ』の
オムニ社会長で最後に主人公を助ける重要な役を演じて日本でもおなじみ。
マルコム役は少年俳優から脱皮しかけていた頃の
ロディ・マクドウォール、神父役のアラン・ネイピアは
テレビシリーズ『怪鳥人バットマン』のアルフレッド役。
久々にオーソン・ウェルズを見たので、つい、アマゾンで
『黒い罠』のDVDを買ってしまう。
まあ、340円だが。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa