裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

24日

木曜日

攻めとUK

「やっぱりイギリス人には多いのよね〜」
                  (腐女子・談)

※インフォレストインタビュー 雑仕事多々

駅のホームを女の子と一緒に急ぎ足で歩いている夢。
ホームは工事中なのか、青いビニールシートをかぶせられた
大きな工事用機材などがあちこちに置いてあるが、
そのシートの中にタレント(何故か生きている荒井注とか)
が隠れるように寝たり座ったりしている。
それでああ、とわかるのだが、これはロケのとき、
周囲に気がつかれず現場に人気タレントを運ぶための
機材なのだ。
荷物みたいに扱われるタレントも大変だな、と思う。

朝、8時半起床。
9時朝食。
デコタンゴール一顆、スープ。
明日からちょっと朝食のスタイルを変える予定。

日記メモつけたり、メール連絡したり、
いろいろ雑用。
頭がボーッとし、喉が痛い。
鼻水まで出てくる。
あぁルナに今回の公演で蔓延した“虎風邪”(NC赤英が
劇中で“密林に住む一頭の虎”と名乗るシーンがあるが、
彼が初日にひきこんだ風邪が出演者一同に蔓延した)
に最後の最後で私もやられた。

トンデモ本大賞授賞式構成台本、ひねくる。
10分ほどのコーナーが増えたが、これをどこにはさみこむか。
あと、ビデオ撮影について、山口A二郎さん、
出演者たちとメールやりとり。

舞台やっていた間につけ落としていた訃報二つ。
ディズニー・スタジオの古参アニメーター、“ナイン・オールドメン”
の最後の一人、オリー・ジョンストンが14日、95歳で死去。
名コンビだった同じナイン・オールドメンのフランク・トーマスに
4年遅れての死去である(フランク・トーマスについては『Bの墓碑銘・中』
を参照のこと)。

1934年、短編アニメ『ミッキーの二挺拳銃』を手伝い、
アシスタント・アニメーターとしてディズニー初の長編アニメ
『白雪姫』(1937)に加わったのを皮切りに、
『ピノキオ』(1940)でアニメーターとして初クレジット、
同年の『ファンタジア』ではスーパーバイザーを務め、
1950年代のディズニー黄金期の長編アニメ群
『シンデレラ』(1950)『不思議の国のアリス』(1951)
『ピーターパン』(1953)『わんわん物語』(1955)
『眠れる森の美女』(1959)で他のナイン・オールドメンのメンバーと
動画監督を務める。1978年に引退してからも何度も古巣の
ディズニーに呼び戻されて作品に参加した。
生きているだけでアメリカン・アニメ界の伝説であり、
『シンプソンズ』のブラッド・バードが、クラシック・アニメへの
オマージュを込めた長編『アイアン・ジャイアント』(1999)に、
フランク・トーマスと彼を、蒸気機関車の老機関士コンビ役で
声の特別出演をさせているくらいであった。

天国へ旅立っても、オリー・ジョンストンには安息はないだろう。
部下をこき使うことでは定評のある親分のウォルトが待ちかまえていて、
「遅かったじゃないか、オリー。さて、これでやっと9人が揃った。
新作の打ち合わせだぞ」
と声をかけるに決まっているのである。

もう一人、イギリス出身のスクリーム・クイーン、ヘイゼル・コート
が15日に死去。82歳。英国出身で、1940年代に世界的に
有名だったイギリスの映画制作会社アーサー・ランク・
オーガニゼーションでデビューするが、何と言っても彼女をスターに
したのはハマー・プロダクションの記念すべきホラー映画第一作
『フランケンシュタインの逆襲』(1957)で、ピーター・カッシング
演ずるフランケンシュタイン男爵の婚約者・エリザベスを演じ、
国際的に名を知られる女優になった。

1959年のハマー・プロ作品『The Man Who Could Cheat Death(死を
欺く男)』ではイギリス映画で初のヌードを披露して話題になる。
脱いだのはヌード手当が出たからだそうで、ホラーでもヌードでも、
仕事として騒がずこなすプロ根性はアメリカにも認められ、
かのロジャー・コーマンに招かれて、ビンセント・プライス主演の
『忍者と悪女』(1963)、『赤死病の仮面』(1964)などに出演。
カルト女優としての立場を確立した。以降もイギリスとアメリカを
股にかけて映画・テレビに活躍。
結婚も両国を股にかけ、最初はイギリス、次がアメリカで、
アメリカでの夫は俳優出身の映画監督で、『新・猿の惑星』(1971)
『ドクター・モローの島』(1977)、『ファイナル・カウントダウン』
(1980)などを撮ったドン・テイラーである。
夫婦揃ってカルトというか、似合いのカップルであった。

風邪のせいか、今日4時から事務所でインフォレストの
インタビューがあることをコロリと失念。
4時にオノから電話あって飛び上がり、大急ぎで
事務所までタクシー飛ばす。
熱っぽく、全身倦怠、いやな汗をやたらかく。
タクシーのドアに寄りかかるようにしていて、ふと気がつくと、
寄りかかったドアの窓が蒸発した汗で曇っていた。
人間ヴェポライザーである。

遅れはしたが、インタビュー自体は好調。
「こんなわかりやすい話は聞いたことがない」
と言われるほど理路整然と話すことが出来た。
書庫での撮影もカメラマンさんに大好評。
風邪の効用かもしれない。

杉ちゃんに送る資料を書庫から掘り出し、オノに送付を頼む。
さらに各MLに連絡事項アップ。
ぶんか社から原稿依頼。安仕事だが、こういうのを断らないのが
現役ライターを続ける条件でもある。ま、楽に書ける内容ではあるし、
一回人を誘って食事にいく小遣い稼ぎくらいにはなる。

9時、帰宅。サントクで買い物して、前年度のトンデモ本大賞の
ビデオ見つつ、構成台本に手を入れつつ、食事。
ホタルイカ、マドの買ってきてくれた猪肉の塩焼き、八杯豆腐。
酒は焼酎、最初は蕎麦湯氷割り、次が梅干し割り。
1時半、風邪薬もう一回服用して就寝。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa