裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

7日

月曜日

ミミゲの鬼太郎

川内先生追悼ダジャレ。
『コンドールマン』を作ったとき、平山プロデューサーは
川内先生に気に入られ、
「何か困ったことがあったら言ってきなさい、警視総監に
電話してやるから」
と言われて驚いたそうである。

※週刊現代原稿 『御利益』稽古 TBSラジオ出演

高校のクラブ活動の夢。
会合があるのだが準備に必要な書類を持ってきていない、
会員の名簿を忘れた、何をやるかが実はよくわかっていない
まま会合が始まるという、いわゆる“窮地夢”。
昔知りあいだった男(ナルシスト)が出てきて、
脱ぎ芸をやってみせていた。
彼がさわれさわれと言うもんだから、嫌々ながら乳首を
つまんだりする。
こういうエロ夢は見たくないものである。

朝、8時半起床。
腐敗臭がマンションの部屋に漂う。
排水溝のゴミがこの湿気ですえたらしい。急いでゴミ袋に入れて
ゴミ置き場に出す。
風呂を入れるのを忘れて、あとで服を脱いで風呂場に入ってから
愕然とすることあり。
まずは朝食、青汁、オレンジ、イチゴ、カブのスープ。

それから仕事場に戻って原稿。
講談社週刊現代マンガ評。
今回は円城寺マキ『ヨルカフェ。』。
書き上げてから日記つけ。
mixiのサーバがちょっと不調でイラつく。

月刊宝島からまた取材依頼、オノの方に転送したら、
返信で、9日に(!)テレビ特番収録の仕事が入っていた。
今日の依頼で収録が9日とは、誰かがドタキャンした
穴埋めではないかと思うが、今のテレビの現状だと、
それがフツーなのかもしれない、とも思う。

しかし、9日というと、もう公演まで間がないので
その日一日全部詰め込んでしまおうと、いろんな予定を入れて
いた。週刊大衆EX取材、朝日新聞出版社打ち合せ、それから
書評委員会。これにテレビ収録がカチ合わないのかというと、
皮肉なことにそれらの前、朝11時からの収録になる(深夜特番
なのに)。仕事が詰まる日は詰まる、ということに
なっているらしい。

それやこれやで、本日1時からの稽古は遅刻。
2時半くらいに上井草。
本日通し稽古の予定なるも、そろそろ稽古疲れが出るころか、
風邪引いたりなんだりで休む人多く、エチュードのところなどを
ヌキで。

私のシーン、ちょっとツクって、やっと動きやすくなった。
ネタバレになるので書けないが、現実の部分と現実でない
部分があるので、そこをどう演じわけるか、であろう。
しかし、役者としての私はそろそろ限界だな。
エセ文化人としての仕事が入り過ぎて、稽古に行けない。
稽古の出来ない役者は本の読めない作家と同じである。

6時半に上がらしてもらい、バスで荻窪駅前。
オノと落ち合って、丸ノ内線で四谷まで、タクシーで赤坂TBS。
正面玄関からの入りは久しぶり(テレビは北口玄関からはいる)。
赤坂サカスは完成したが、TBSロビーに久しぶりに
企画展示が何もないので、ガランとして見える。
9Fのラジオスタジオ入り。
『こちら山中デスクです』、ディレクターのYさん、
「いやあ、こないだの電話でもう打ち合せ済んだみたいな
もんですね」
と、何かリラックス。ちょこちょこ話をした後、
控室代わりの打ち合せ室で待たされるが、これからダンドリ打ち合せ
か、と思っていたら見事に何もなく、ホントにあの電話で
打ち合せ完了だったらしいのに驚く。
『ブジオ!』時代のIさん来て、川内康範氏死去の話など。
森本さんの番組、これがメインですかと聞いたら、
「あの番組はこんなニュース大きくは取り上げません」
とのこと。『ブジオ』や『ポケット』時代だったら、
まるまる追悼にあてたところである。

やがて女性ADが迎えに来て、スタジオに。
Googleランキングのコーナーでエイプリル・フールについて
語る。15分くらいのコーナー、と聞いていたのでそのつもりで
しゃべったが、実は10分程度のものだったようだ(それも
打ち合せなかった)。つまりはいつまでもしゃべっていたわけだが、
放送作家さん、山中さん、久保田アナ、誰も止めず。
まあ、面白かったからだろう(そう思うことにする)。
最後に公演の告知まで悠々として、スタジオを出たら
Iくんが
「このコーナーとしては異例の長さ」
と聞かされて、初めてそこでオドロイた次第であった。
次の交通情報が延びて、裏で電話など頻繁だったらしい。

雨の中、サカスをちょっと冷やかして、
飯でも、とオノを連れて赤坂見附まで歩く。
以前、アルゴで打ち合せした帰りに立ち寄った洋食屋で、
「ここは絶対に洋食で日本酒が飲める!」
と直感して、それを確かめに入るつもりだったのである。

赤坂見附駅出てすぐの洋食レストラン・河鹿。
http://r.tabelog.com/tokyo/rstdtl/13015111/
上のレストランランキングで、分煙が出来てないとか、
相席させられるのが嫌だとか、オムライスの卵がトロリとして
いないなどと軟弱なことを言っている奴がいるが
けっ飛ばしてやりたい。
ここはそういう店ではないのだ。
日本人の伝統たる“洋食”のカタチを残している店なのだ。
“昭和”を味わう店なのだ。
ゼイタクは敵なのだ!

赤坂から雨の中赤坂見附まで歩かされたオノが、
入っただけで上機嫌になり“くけけけけ”と妖怪じみた笑い声を
あげる。別にそういう同じ昭和趣味を持っていることを雇い入れの
条件にしたわけではないのだが、まったく気の合う主従である。
で、メニューを見たらビンゴというかしてやったりというか、
ちゃんと日本酒熱燗があるではないの。
いやあ、アタリアタリ。

仔牛のカツレツ、レバーステーキ、ホタテのガーリック焼きと
オニオンスライスを頼んで、まずはビール。
カツレツ皿に盛ってあるスパゲッティナポリタンに
二人とも大喜び。日本酒熱燗を頼んで、貝柱フライも追加。
ナポリタンつまみにチビチビやる日本酒はまさに昭和の和洋折衷。
銘柄は吉野川だったが、出来ればここはガラス徳利の日本盛と
行きたいところだった。

店の雰囲気もいいが、ここに来る客層がまたムードがある。
奥の席ではOL四人組が、
「新しい彼氏とはいつ関係が出来たの?」
といったディープな話題で、ワインにエダマメという
取り合わせで閉店近くまでワイワイ話していたし、
他の客も、白髪白髯のベテラン業界人らしい爺さんは
ワインにハムサラダ、それから定食というたぶん何十年も
やってきたであろうコースで悠々とタバコくゆらしていたし、
巨大ジョッキの生と、特製定食(ハンバーグ、エビフライ、コロッケの
盛り合わせ)をゆっくりと平らげていた巨漢のサラリーマン、
文庫本読みながら瓶ビールとエビフライ定食を片づけていた
初老のおじさんなど。
最後に入ってきた、おしゃれな白いコートの中が黒ずくめという服装、
長い黒髪の美女がいて、その粋なスタイルと店のレトロさとの
取り合わせが凄い。
「あれで生ジョッキをキュッとやってくれたら、オレは彼女に
女房の許しを得てプロポーズしたい!」
と思わずオノに叫んだくらいだったが、残念ながら酒はたしなまない
ようで、家庭崩壊にならずに済んだ。

10時ラストオーダーで、メニューで気になっていた“カニライス”
なるものを頼む。要するにカニチャーハンの洋風。洋風っても
ピラフなどというスカしたものでなくカニライス。
取り合わせは福神漬。
なかなかの味であった。

満足して(値段も格安)、地下鉄で帰宅。
K子が新しい帽子を買ってくれていた。
ちょうど舞台でかぶる帽子が欲しかったところ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa