裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

月曜日

クラミジア伊右衛門どの

私にこんな性病をうつしておいて(お岩・談)

※『悪口雑言の会』

朝7時覚醒、しかし猛烈な頭痛あり。
布団の中でストレッチ運動して、汗を流す。
かなり効果あり、自分でも感心。
夢かウツツか、疲れてぼやーっとしている時に、
頭の中にエロチックなイメージ浮かぶ。
いやらしいというよりはにぎやかで騒々しいエロで、
楽しい妄想(?)だった。

9時15分、入浴。
汗と脂を流してさっぱり、気分よし。
9時半、朝食。
スチューベン数粒、リンゴ、茶わん蒸し。
頭はスッキリしたが、腹はまだ死んだよう。
食欲なし。

ハッシーと昨日話した内容だが、私の方のスケジュールと
合わせて判断すると、ちょっと時期的に無理なところあり、
もう一回予定スリ合わせを、とメール。
ただし内容は面白く、ちょっとぼんやりしながらその構想を
固める。

電話、グラナーテから。
今年もオタク大賞やりたいので、という依頼。
岡田さんはダイエットの方に夢中で出演はしないのではないか
という。私ももう、今のアニメだのゲームだのは語るのも荷。
とはいえ、局というか上の方からの条件に、私か岡田斗司夫かを
出せ、というのがあるらしい。とりあえず、構成を見せて欲しいと
頼んでおく。

午後もずっと死んだようになって過ごす。
握り飯を作って貰ったが食べられず、半分噛ったのみ。
ただし付け合わせのカボチャと肉団子の煮付けは美味。
ダーリン先生の奥様のmixi日記にあった浅草観音温泉
http://nekofami.ndap.jp/asakusa3.html
↑にぜひ行ってみたくなる。ここで昭和レトロトークライブとか
したいものだ(誰かプロデュースしませんか)。

私が子供のころ、まだ高度経済成長期の中で、実家の薬局も
大々的にメーカーの営業さんとか連れて慰安旅行とかを毎年やり、
定山渓温泉だとか登別温泉だとかに出かけていた。
こういう、浴槽がいくつもある大浴場を温泉というもののイメージ
にしていたもので、オトナになってから熱海とか湯河原とかの
温泉場に行って、その小さなことにガッカリしたものである。
今でも洞爺サンパレスなどは“宇宙一の大浴場”を売り物にして
いるようだが、こういう大規模温泉旅館というのを子供時代の
思い出にしている同世代は多いのではないか。
http://www.youtube.com/watch?v=v1OxDjPdISA
↑そういう時代の廃虚、宇宙回転温泉(和歌山)。名前からして、
あの高度経済成長期というのは良くも悪くも凄い時代だった、
ということがわかる。

午後2時半、家を出てバスで事務所へ。
オノとバーバラ、出ている。
11月の講演のレジュメを作る。
今日やった仕事はこれくらい。
情けない次第である。
某件で、町田ひらくさんからお礼を言われる。
何でも書きつけておくものだ、と思う。

5時半、事務所を出て中野へ。
芸能小劇場『悪口雑言の会』。
さすがに腹が減ったので、中野ブロードウェイの梅もとで
冷やしちくわ天そばというのを食うが胸が悪くなり半分残す。
芸能小劇場のエレベーターで啓乕くんと一緒になった。
QPさん、ひえださん、nekosanさんたちマイミクの姿ちらほら、
6分半から7分の入りか。
内容が内容だけに、あまり宣伝しなかったように思える。

ブラックがらみの会ではついに三四楼も前座に使えなくなった、
と談之助が日記でボヤいていたが、ブラックの新弟子、
快楽亭正日(ジョンイル)が、今回はちゃんと高座着に着替えて
座布団返しをやっていた。で、やったネタが相撲ネタの『大安売り』。
名前がジョンイルだからでもあるまいが、朝鮮製のテープレコーダー
みたいに、途中でつまって話が一瞬途切れることがまま、あって、
きいていてドキドキする。

次に出た志雲、ジョンイルのマクラのことに触れ
「“お相撲の稽古というものは大変なものでして”て、自分がも少し
稽古せいや」
と。で、悪口の志雲らしい枕から、なぜか『初天神』のマセガキ
バージョン。後で上がったブラックが
「あれだけ悪口のマクラが面白いのに、なぜ古典に入るのか」
と呆れていたが、自分も古典、ただしベタなバレ噺の『紀州飛脚』。
今回の会、最初談之助の思惑では文都も入れて立川流東西大会に
するはずだったそうだが、ブラックまで上方ばなしとは。

ちなみに、紀州飛脚というタイトルは主人公が和歌山まで急ぎの
手紙を届けるのを頼まれることによるが、本来の紀州飛脚とは
七里飛脚とも呼ばれた紀伊家の大名飛脚で、昇り龍下り龍の
伊達半纏をまとい、腰に刀と十手をさし、御三家の威光を示し
ながら往来したもので、その権柄づくなことはなかったという。
そんな権威あるものの名前を巨根男のバレ噺にしてしまうところが
庶民の反権力のパワーで……などというと飯沢匡みたいな野暮になる
から言わない。要するに、お堅い題名と内容のギャップによる
ナンセンスってだけだろう。

ここで仲入り、その後は談之助、まあこういう会でもこの人は
いつも通りの話で十分。立川流残酷物語。拍手が何度も来ていた。
終ったあと、演者三人揃っての悪口雑言大会。
とはいえ、ネット時代、どこにモバイラー君がいて実況して
いるかわからない時代なので、あまり濃い話はなし。

打ち上げが『とらじ』。nekosanさんと談之助さんに挟まれた席。
ナナメ向かいに志雲さん。こっちが本番か。
しかし、悪口雑言というよりは裏話多し。
いっ平の三平襲名の話とか、某超売れっ子の裏の顔とか。
人生のタメにはならないが、酒の席の話としてはこういう話が
一番楽しい。やっと腹が本調子になるが、ご飯物は用心して頼まず。
啓乕くんが酔っぱらってゴキゲンになっていた。珍しい。
途中、携帯で知人の気になる情報あり。

某有名店の話になり、快楽亭曰く
「あの店は、カラサワさん連れていかないとサービスが悪い、って
ことがよくわかりました」
と。私と一緒のときとそうでないときのメニューが違い過ぎていた
そうである。今までが商売っ気がなさすぎたのでは。

とらじの焼肉は実にうまいのだが、店の汚さ古さもまた
なかなかである。雨も降ってないのに水が天井から漏りだして
ちょっと騒ぎに。11時半ころお開き、談之助夫妻と相乗りで
タクシー送ってもらう。マンション前で母の部屋から笑い声。
パイデザのめぐみさん来ているようなので、上がって少し雑談。
ビール飲みつつ。きわめて楽しい。
1時ころ、部屋に戻ってごきげんで寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa