裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

11日

木曜日

あの日に科特隊

あの頃のアラシに戻って ハヤタに会いたい
                    (毒蝮三太夫・唄)

※『社会派くんがゆく』ゲラチェック 『アニメ夜話』ムックインタビュー

朝、ぐっすりと寝過ぎて9時の朝食の電話で目が覚める。
風呂も使わず朝食へ。
ブロッコリのスープ小カップ、西洋梨(ラ・フランス?)2片、
バナナ一本。
『特ダネ!』にもんたよしのりが出ていた。
20数年ぶりのテレビ出演だそうだが、童顔変わらず、
歌も昔と変わりなし。

朝食後、入浴ゆっくり。
髭剃りに今、バイブレーション機能付き四枚刃のシッククアトロ
を使っているのだが、刃を新しいのに替えて剃ると、
もう、剃り後が赤ん坊の肌なみにツルツルになる。
替え刃は一枚当て300いくらするが、
しばらくはこれ、やめられない。

日記つけ、雑用いろいろ。
『社会派くん』テープ起こしが上がってきたので、
そのチェックに昼間を費やす。
次回の『奇想天外シネマテーク』の作品選定&トーク、
河崎実監督にオファー、快諾を得る。

資料本、昨日書店で探したが見つからず、ネットで探書。
あることはあるが高い。古書店サイトで検索したところ、
やっと半額以下のもの(それでも箱つき)を見つけて注文。
昼食は母に作らせたミソおにぎり。オカズに焼肉がほんの
ちょっぴり。このちょっぴりなところが美味い。

2時半、片づけものざっとして、渋谷へ。
時間割に直入りして、マンガ夜話本『ヤッターマン』
インタビュー。楽しく話したが、考えてみればほとんど
番組内ですでに語ったことだった。
話せば楽しいし、インタビュアー助手の女性は
吹き出してくれていたし、インタビュイーさんも
内容にお世辞でなく納得してくれて、こっちの極論部分にも
オフレコでの同感の意とかいろいろ述べてくれるのだが、
以前(『カリ城』や『オトナ帝国』のとき)のように、
語っているだけでワクワクするという感覚はなし。
アニメもマンガも、自分の理想とははるか遠くに
“進歩”してしまい、それに対するグチも、分析も、
20年かけて言い尽くした感あり。
だから厭世観にとらわれているか、というとそうでもない。
要は言い尽くしてスッキリ、ということなのかもしれない。
心は次のステージに移行しちゃっているのだ、いま。

終えて事務所に。
オノに、母が友達に貰ったという阿佐谷うさぎ屋の
どら焼きを一個、進呈。私も一個食べる。
少し昔に比べて甘さが抑えられたかな?
スケジュール確認。
明日の予定がスゴいことになっていたが、ひとつを月曜日に
移行させてくれてのでホッと。

『探偵ナイトスクープ』から電話、私の紹介のとき、
松村さんが“エロ歌謡に詳しい人がいないかな”という台詞を
言っているので、そういう人、ということにして問題ないですか
とのこと。それは全く問題なし(実際そうだし)。

インタビュー時から鼻がグズグズしてきたが、
昨日の風邪が本格化したもよう。
頭がボーッとして何も考えられない。
ま、大きい仕事二つしたからいいか、と思い、今日は
早退けすることにする。
ちょうど出社してきたバーバラと行き違い。

サントクで買い物して、鴨肉湯豆腐。
おいしかったので、残った汁でうどん茹でて、釜揚げ風に
して食べる。食べながら内藤×亀田の試合を見ようと
7時ちょい前ころチャンネルひねったら、まだ始まっていなかった。
6時からの番組じゃなかったか?

仕方ないのでDVDで『呪われた海の怪物』を見る。
ストーリィはエロの冒険者さんの解説で見ていただきたい。
http://homepage3.nifty.com/housei/CreatureFromTheHauntedSea.htm
6日間で撮ったという拙速さといい登場人物たちの
投げやりな演技といい怪物の手作り感といい、全てに亙って
トホホ映画の代表作の一本、という位置づけだが、
……いやー、いいよ、コレ!
風邪っぴきのボーッとした頭で見るには最適の映画。
安っぽい画面と、ナレーション多用の強引な展開が
ちょっとフィルム・ノワール風味もかもし出していて、
そこに出てくる怪物の造形のあまりにチャチなことが逆に
シュールなイメージになっている。
タイトルのアニメーションの絵柄、どこかで見たタッチだが
思いだせず。柳原良平っぽくある。

で、見終わってあわててチャンネル切り替えたら
ちょうど内×亀、最後のラウンド。
最終ラウンドまで亀田、保ったんだとちょっと感心。
とはいえ、もう投げはかますわ、クリンチしまくるわで
まっとうな試合内容に非ず。
結局、3−0の大差判定で内藤が王座防衛。

あっと言う間にmixiのニュース欄には亀田への罵倒と
ひどい試合内容に対する憤懣の声、満つ。
しかし、“好試合を”というボクシングの本当のファン以外、
日本中のほとんどがこのような結果を期待していたのでは
ないのか。まあ、パブリック・エネミーとして悪の限りを
つくして往生際悪く負けるという意味では、亀田はいい仕事を
したと思う。プロレス用語で言うところの“ワーク”である。
正義感あふれる善き人々の怒りのおかげで視聴率は
凄まじいものだったろうし(35%という発表があった)
少なくとも今夜の日本経済は祝杯をあげる大衆たちで
活況を呈しているであろうし。
12時、風邪薬と麻黄附子細辛湯のんで寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa