裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

10日

水曜日

ラフレシアいやよ

♪ラフレないでね〜(意味不明)

※『Memo男の部屋』原稿

朝8時半起床。
クシャミと寒気。
ゆうべ暑かったので短パンの寝巻きで寝たせいで
風邪っ気。
入浴はシャワーのみにして、9時朝食。

日記つけ、原稿にかかろうと思うがダルい。
いやな汗もかく。
先のことを考えると今日は一日、休養かな。
『陰陽道の神々』を読んでいたら“トンデモ本”という
表記が出てきた。藤倉珊さんは日本語に新たな単語を
つけ加えた人として歴史に残るであろう。
そう言えば『トンデモ本の世界U/V』は順調に
売れて増刷決定。めでたし。

死も含めた今後の人生設計のこと、まあこの歳になると
ほぼ毎日、何かにつけては考えるようになる。
四十代半ばまでは、いろんな願望も何とか全てやりくりできる
のではないかとノンキにかまえていたが、さすがに五十を
前にすると、あれを捨てこれをあきらめ、という取捨選択が
必要になる。

これまではこの先二十年、現在の条件下では、こうなって
ああなってこうなるだろう、という予想を立てていたが
この数日、全く違った将来の展望と目標が生れてきた。
悪くない。悪くないが、ホントウにそんなに軽く決めて
しまっていいのか、という思いもある。

昼はカツブシのオムスビ。
野沢菜がうまい。
岡田さん、眠田さん、さいとうさんと連絡取り合い、
阿佐谷ロフト、こけら落としシリーズで12月4日、
オタクアミーゴス公演決定。

3時、事務所に出る。
『Memo・男の部屋』の原稿書き出すが、頭がボーッと
してネタが思い浮かばず、これ、とやっと決めたが
書いては消し、書いては消し。
電話数件、打ち合せや稿料支払いの確認。

資料本が必要になり、パルコブックセンターを
探すが、数冊の目的本がどれもさっぱり見つからず。
大型書店と言っても全ての本が取りそろえられているわけでは
ない。殊に最近の出版点数の多さから言えば、書店というのは
「いま、売れている本」
を買いにくるところで、“これが読みたい”という
目的本を買いに来ると、それが数年前に出た本であったり
した場合、ストレスがたまるばかり。

10時ころ、パイデザが夕飯を食べに来るかもしれないと
いうので、一旦家に帰って、仕事続き。
10時ちょうどに書き上げて、メール。
母の室でビール。椎茸のマヨネーズ焼き、サンマのトマト煮、
茄子のごま油炒めなど。サンマのトマト煮をパンにはさんで
サンドウィッチにして食べる。アメリカ風で美味し。
11時過ぎまでいたがパイデザ来らず、そのまま自室に帰って
ネットなど見ながらホッピー。

旭五郎さんの死去はマイミクさんの多くが日記に書いている。
ちょっとそれでmixi内を検索していたら、
斎藤れをさんも亡くなっていた、と書いてあるところがあった。
この2日に自分の部屋で死んでいたところを介護人が発見した
という。1935年10月27日生まれというから71歳。
ここ数年は芸人も廃業同様で闘病状態だったらしい。
いささかの感慨あり。

斎藤れをと言っても知ってる人は少ないかも知れないが
バナナのたたき売りなど大道芸を売り物にしている人で、
15年くらい前、芸能プロダクションのお仕事で行った先でご一緒した
ことがある。話とかは特にしなかったけれど。
http://www.ne.jp/asahi/aoki/amezaiku/koujou.htm
ちょっと、その日記の記述で驚いたのが、
「“大坊・小坊”の名で漫才コンビを組み」
と書いてあったこと。ああ、あの大坊ってれをさんだったのか。
昔(もう三十年近く前)、『笑点』で“新人漫才大集合”って企画
があり、十組くらいの漫才コンビが一発ネタで次々に交代して
出てきた中に、大坊・小坊も出てきた。大坊が一休さんみたいな
小坊主の格好で出てきて、小坊が消防士の格好で出てきて、
ギャグと言えばそれくらいだったみたいな。
しかし、面白くなかった故に何故か印象に残っていて、
あれからどうなったろうとずっと気になっていた。
大坊・小坊をテレビで見た、という人も少ないだろうから
記しておくが、三十年近く気になっていた人の名が出て来て
訃報というところが悲しいが、胸のつかえが取れたのは事実。

この日記を書いている人は好田タクトさんという人は、
小沢征爾や朝比奈隆、ジェイムズ・レヴァインといった有名指揮者
の指揮の形態模写を持ちネタとする、という、何というか
すさまじくお客を選ぶ芸をしている人。
http://www16.ocn.ne.jp/~tek/k_poro/kouda/koda_.html
前から聞いて気になっていて、こないだの浅草東洋館で
彼の主催する『タクト音楽祭』のポスターも見て、
ああ、こういうことをやっているんだ、と思っていた。
そしたら、何と、日記の中で私のことに言及しているではないか。
世の中のあまりの狭さに驚いたことであった。

パソコンが急に重くなり、12時過ぎ、就寝。
寝床で『南北全集』読むが重い重い(こっちはホントウの意味で)。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa