裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

30日

木曜日

洗濯屋ケインジアン

奥さん、口では嫌と言っても体は公共投資を求めてますよ。

※『デジタル購入ナビ』原稿 『地獄の楽園』4日目

朝9時まで寝る。
全身ニンニクと肉脂の臭い、それに楽屋に充満していた
タバコの煙の臭いで“辛く”なっている。
昨日楽屋で着替えたTシャツがやはりケム臭くてひどい
ことになっていた。
シャワー浴びて昼食に母の部屋に行ったとき、
やはり臭いと言われてファブリーズを噴霧された。

朝は抜き。
昼はシャケの焼いたのに油揚の味噌汁、茄子の漬物という
オーソドックスなもの。今日び貴重な昼飯メニュー。
日記つけ、原稿。

『デジタル購入ナビ』原稿。
気ままに好きな趣味のビデオコレクションのことを
書いているように見えて、掲載誌のテーマは
きちんと押えるように注意して書く。

天候曇り、さしもの暑かった夏もやっと去ったかと
いう感じ。去り際はいさぎよかった感がある。
9月半ばまで残暑が続くということはよくある。
内蔵ストレッチ(ヨガっぽいもの)を朝昼二回やるが
胃腸の夏バテは無いようである。

http://www.youtube.com/watch?v=u6XMAIOvJgQ&mode=related&search=
↑香港ジャズ史に名を残す最高の歌うスター、グレース・チャン
(葛蘭)の出世作・『マンボ・ガール』(1957)。
“曼波女郎”という中国語題名が凄い。この時期はまだ初々し
かったが、すぐにトップスターの貫録を身につけた。
http://www.youtube.com/watch?v=zdR9KGCjb0w&mode=related&search=
↑とか
http://www.youtube.com/watch?v=wqI4h1uODng&mode=related&search=
↑とか、服部良一がだいぶ曲を提供している(後者はビゼーの
アレンジだが)。彼女を服部に紹介したのはあの李香蘭だとか。
人気絶頂の61年に結婚、64年に引退、その後は一切マスコミの
表に出ず、そのことでまた伝説の存在になっているあたり、
山口百恵の先駆でもある。

原稿を送り、4時、下北沢へ。
私と琴重ちゃんのところ。
素人の私と組むというのも気の毒なのだが、彼女がいま
ひとつ役をつかめておらず、赤英とハッシーがいろいろ
サジェスチョン。最初はどうしていいかわからなくなって
舞台上で涙ぐんでしまっているのを見ているのがつらかったが、
徐々に役をつくれてきたのはさすが。
はれつさんがあぁルナのDVDを焼いたのを持ってきてくれた。

夜公演だけの日は時間が進むのが早い々々。
やるべきことをいろいろしている間に、あっという間に開場時間。
二時間を楽屋で立ちっぱなしという苦行である。
お客の入り、平日なのによろしく、今日もほぼ満席。
そうなるとこちらもテンションあがる。

やがて開幕、昨日は正直言って中ダレという感があったのだが
今日は初日以来、一番の充実度のある出来だったと思う。
心配していた琴重ちゃんが冒頭でしっかり笑いをとり、
私もキチガイ演技がやりやすい。
ハッシーが“彼女が入ってきたとき、これは凄い逸材だと
思った”と言った気持ちがわかった。
異界と現実の橋渡しとなる、という役なので、キチガイ(異界)
と説明役(現実)の使い分けが大事なのだな。

お客さんの反応も、何でも笑うという感じでなく、反応が渋い
感じでもなく、ちょうどいい。赤英と伊藤(お肉)くんの
シーンでハプニングがあったが、それも笑いに転じさせて
しまって、今日一番の盛り上がりだった。
調子のいいときの舞台というのはこうなる。
出を待つとき、私がハケる役者さんたちの邪魔になること
何回かあり、明日以降の注意事項。
共有スペースの暗い階段であゆちゃんや麻衣夢ちゃん、
もやしなどが、携帯の明りだけで顔を照らして息をひそめて
いるシーンは、まるで劇中のワンシーン。
ラスト、私の持って出る小道具関係でひやりとしたシーンあったが、無事済ませられた。
海谷さんも来てくれていて、後で“最近見た舞台の中では
最高の一本だった”と。

物販も好調、一万円以上買ってくれたお客さんもあり。
神田陽司さんも来てくれて挨拶、感謝。
あと、『Memo・男の部屋』のMさんが来てくれて、
モノマガジンの人らしく、足すっきりシートやブドウ糖、
ショウガ飴など、舞台差し入れセットみたいなものを持って
きてくれた。
他に、差し入れで水のボトル20本以上あり。

終ってダメ出しそれぞれあり、明日北海道に行くオノ・マドが
「虎の子行きたい」
というので一緒に。モヤシくんも誘う。
馬刺と日本酒、水茄子などで、舞台の話、オタ話。
ひさしぶりにハッシーがいないので、ガーリックバターと
チーズのメニューふんだんに。
11時半帰宅、連絡事項メールでいくつか、そう言えば焼酎を
飲まなかった、と気がつき、ホッピー半ビン。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa