裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

11日

土曜日

あぼーん進行

原稿は削除されました。

※『Memo男の部屋』コラム 『週刊現代』 花火大会取材

朝8時半起床、もっと寝ていたい、一日中寝ていたい
せめて昼まで寝ていたい、と思いつつ。
こんなに寝るのが好きになるとは。

入浴して、朝食。スイカ、梨、ブドー。
『ぶらり途中下車』で新橋の駅ビル内部が出てきた。
昭和の香り紛々で、これは行きたくなる。

とにかく陽射しが熱い(暑いというより)ので
カーテン閉め切り、冷房効かせた中で仕事。
渡辺昇一が『知的生活の方法』の中で、
クーラーの発明が日本の知的生活レベルを格段に向上させた、
と書いていて、北海道で最初にこれを読んだときは
その描き方が大袈裟な、と笑ったものだったが、
東京に出てきて、それが事実と知った。
エアコンがないと、夏は何も出来なくなるのである。

こういう暑いときは逆に暑い国に旅行したくなる。
タイとか、また行きたい。プーケットでの、あの
熱い海風にあたりつつ、何も考えずに(知的生活を送らねば
という強迫観念さえなければ考えるという行為が出来ない
ことが快楽であることを初めて知った)寝転がる、という
体験をもう一度やってみたい。
食あたり起こした経験があるのでK子は絶対イヤと
言うだろうが。
http://www.youtube.com/watch?v=6SHIbUCoO2Q
↑タイの仮面ライダー『カビンマン』。
http://www.youtube.com/watch?v=-1sGIo2K1Hk&mode=related&search=
↑タイの『ハヌマーン対五人の仮面ライダー』主題歌に中国語の
空耳アワー的字幕をつけたもの。“撚撚糯米”とか
“馬個屁股”とか、中国で聞いても珍なものらしい。

B社の企画、第二次の会議も通ってお盆あけの21日に
最終決定。しかし、ここの出版社、昔は“出版界の電子レンジ”
とか言って、3ヶ月で本を作って出してしまうところだった
のに、変われば変わるもの。

原稿書き。
『男の部屋』コラム、半分まで書いて、アッ、このテーマ
だったら別のいいエピソードがあった、と思いだして書き直す。
オトナの優雅な生活スタイルが毎度のテーマのこの原稿を書き、
それから週刊現代のコラム、オタクなホラーマンガ評原稿。
全く方向性真逆な原稿を連続してアゲ、頭が混乱する。

あと、老人力アピールの原稿と、梅田佳声自伝原稿なのだが
その前に取材一本あり。死ぬんじゃないか。
芥川龍之介も鬱自殺の直前にやたら仕事をしていて、小穴隆一が
「死力(しにぢから)」
と表現していた。いやな言葉だがうまいことを言う、と
ちょっと感心。

今日はあぁルナ稽古、全員揃う日なので出たいのだが
取材の仕事。東京湾大華火祭。
地下鉄乗り継ぎで勝どき駅まで。
編集S氏らと落ち合い、会場まで歩く。
かつてオタクの聖地だったホテル浦島の跡地(コミケがお台場に
移った後も、なんだったかのイベントのトークに呼ばれて
行ったことがある)はプジョーの日本支社になっていた。
私はもとより、女の子たちも
「ここで昔、本売ったものよ」
とか会話していた。キャプ翼くずれか。
この花火大会はとにかく人、人、人になるので
普通なら行かないのだが、取材とあれば一般客よりいい場所で
見られる。それに期待。

なるほど、すぐその先が東京湾という、真ん前の場所。
5時に場所を確保して、2時間、河崎カントクに頼まれた
DVDの次の原作などを読んで過ごす。
いばら美喜がやはりすごい。
天才ではないか。
昭和40年代ですっかりその天才を使い果たしてしまうのだが、
これだけ凄いものを連続して描いていれば無理もないとさえ
思う。

暑さ、もっと覚悟していたが、海に近いせいか潮風もあり
さほどではなし。ただ、Tシャツに染み込んだ汗が臭くて
弱った。加齢臭か、最近汗に変なニオイがつく。
風俗関係者か、凄い格好(Tバックビキニに、半ズレで
短ジーパンをはいただけとか)のお姉サンたちがいて、人目を
ひいていた。

やがて花火大会開始。
レインボーブリッジと花火と取り合わせはいい。
天気も快晴、風も適度にあって煙をはらってくれて、
絶好の花火びよりである。
20回記念ということで、花火で空に“20”を描く
試みもあったが、2が“S”になってみたり、“て”に
なったりで、なかなか上手くいかない。やっと三発目くらいで
“20”になった。他にも、スマイルマークやキティちゃん
を描く花火があったが、これは見る方向により、そう
見えたり見えなかったり。

“大江戸、銘華の競い”で、著名な花火師たちの作の
花火が打上げられたが、秋田の小松忠二氏のものが抜群によく、
拍手と歓声があがった。
長野の花火の、あの至近距離での迫力を知ってしまうと、
いくら派手で奇麗でも、所詮は観光花火、と最初タカをくくって
いたのだが、ラスト、グランドフィナーレの花火は
凄まじい迫力だった。
大玉が連続して夜空を埋め尽くし、一発ごとに、その空気振動
がこちらの頬をゆするくらいにビン、ビン、と伝わってくる。
クライマックスでは、その振動がマシンガンのような速度で
伝わるのである。まるでビンタをはられているみたいだった。
同行したTさんの話では、昔はもっと至近で打上げたので
まさに焦げた段ボールなどがバラバラ降ってくるほどだったが
事故を恐れて離れた場所になったとか。
それでもこの大音響、大衝撃は長野の手作りにはない、
大玉花火独特のものである。
↓YouTubeにもう上がっている。
http://www.youtube.com/watch?v=Wgq4w1uZxQ4

で、大満足で終って、やはり来ていたしら〜さん、IPPANさん
などと合流。喉が渇いたのでどこか行きましょう、になる。
しら〜さんは、最後の花火の振動で腹が減ったと。
ところが、それからが大変。
ぞろぞろと歩いて、勝どきや月島の駅は大混雑なので、
豊洲まで歩かされる。橋を渡って、40分近くを歩いた。
やっとタクシーつかまえて、新橋まで。
『こりゃうめぇ』(大庄グループ経営の居酒屋チェーン)
に入って、黒ホッピーで喝を癒す。
周囲の客も浴衣姿の女性連ればかり。
取材でいい場所も結構だが、やはり女の子と来るべき場所
なのか、花火大会ってのは。

話題は来年のトンデモ本大賞のこと、昨日、
カスミ書房さんから受けたアドバイスなども検討事項として。
あと、S・C社の本、刊行記念イベントをどれくらいの
規模でやったらいいか、について。
冬コミでチラシまいて効果あるくらいの時期がいいのだが
企画がそれまでに通るか否か。
この店、チェーン店にしては料理まあまあ。
フィッシュアンドチップス、ムール貝ワイン蒸しなど。
花火の興奮続いてやや飲みすぎ、ホッピー3本にそれぞれ
中身足し。少しくベロになって12時半ころ帰宅。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa