裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

26日

水曜日

ミクシが勝手に歩けるゆうなら歩いてみいや、のう!

松方弘樹、規約改変に怒る。
・元ネタは『仁義なき戦い』第一作の名台詞↓
http://www5a.biglobe.ne.jp/~dansound/jinginakitatakai.htm

※『社会派くん』対談収録 ダーリン先生お見舞 書評委員会

朝、8時半に目が覚めてしまう。
睡眠時間5時間。
まあ、そんな無茶でもない。
とはいえ、全身がバリバリに凝っていて、
これは今日はいよいよマッサージか、と思う。
アマゾン、マッサージをしばらく断って中毒を解消しようと
思っているのだが、限度もある。

9時朝食、瀬戸香、ヨーグルト、カブのスープ。
朝食後、ゆっくり風呂につかったら、いくぶん
凝りはゆるんだ模様。

メール数通、中にちょっと気になるものがあり、
当該の企画立てたものに投げて判断あおいでおく。
日記つけ、やはり生出演は書くこと多し。
今日、ダーリン先生のお見舞いに行く予定(入院先を
調べたらなんと朝日新聞社の隣であった)なので、
オノに見舞品に、オシャレなパンツを買ってきておいて、と
依頼する。
あと、担当外れる某くんをマイミクに招待。

雑用手間取る。
雑用ではない大事なこととして、昨日の放送で資料提供など
いただいた方々にお礼メールなど。まだ出していない方も
いるが、とりあえず愉快さんなどに。
昨日の放送で松村さんがカレーカレーと(キレンジャーがらみで)
連呼していたのでカレーが食いたくなり、ご飯半分(麦飯)、
レトルトカレーの半分を使って小カレー。

2時半、家を出て渋谷までタクシー。
東口につけてもらい、昨年末にオタク大賞の打ち合せやった
東口カフェミヤマの会議室で、社会派くん対談。
8人殺しの犯人の徹底した行動や人格の脈絡のなさについて。
自分を神と言うとかの行動をマスコミは“理解不能”とか言っているが、
現代人の自我肥大と現実との軋轢を考えれば、これが理解出来ずに
どうして犯罪の抑止や社会の安定化が図れるか、というほどの
喫緊の問題だと思うのだが。

犯人は決して異常に生まれついたわけではない、まじめに勉強し
弓道部に青春をかけ、全国大会にまで出場した青年なのだ。
前向きに人生を生きてきた人間のはずなのだ。
現代という時代はこういう人間の方がおかしくなりやすい時代なのだ。
自分の努力やまじめさに、世間が何にも満足できる反応をして
くれないからである。いや、反応なんかなくて当たり前なのだ。
努力はむくわれないことの方が多いのだ。
それでも努力するということは、挫折を通して世間と自分との距離感を
認識し、オトナになるということなのだ。
なのに、
「がんばろう、努力しよう、前向きに生きよう、そうすれば夢はかなう」
などと成熟を否定させるようなことを若者に吹き込む風潮がよろしくない。
犯人がゲーム好きだということで、そのゲームがやれゾンビ殺戮もの
だとか、いや乳バレーだとかで騒いでいるが、私が思うに、
ゲームなどよりもZARDだの槙原敬之だの大事MAN・ブラザーズ
バンドだの“前向きソング”類の方が、私はよほど害悪の
度合が大きいのじゃないかと思う(あくまで社会派くんモードの
意見だが、私はマジである)。

4時45分、対談終り。
カフェミヤマの入口でオノと待ち合わせして、お見舞品を
受け取る。
K田くんと二人、タクシーで築地まで。
車中、鬱状態らしい某人に関していろいろ話す。
ちょっと心配。
途上の道々、桜の花がどこも咲き乱れている。
例の、企画についての問題投げた先から電話、対応を聞く。
まあ、それで問題なかろう。

築地がんセンター、到着してから、しまった、ダーリン先生の
本名を存じ上げなかった、とポカに気づく。
知りあい何人かに電話。ぎじんさんに通じたので、聞きだして無事、
病室へ。ノリローさんにお見舞い渡す。
ダーリン先生、あいにく治療疲れで寝ておられたが、
顔色はむしろ入院前よりいいくらいで、整髪、髭剃、きちんと
行われていて、男前である。
首のコブも小さくなっていたようなのでノリローさんに訊いたら
こないだインフルエンザやって、悪いものが流れたらしく、
小さくなったということである。
へえ、そういうこともあるかと驚く。
なじみの看護婦さんたちが、違う階からもお見舞いに来るそうで、
これまでよほどコナをかけていたのだろう、とノリローさん。

何でも倒れる前夜、いつも落語のテープを聞きながら寝る
習慣なのだが、前夜のそれが志ん生と先代馬風だったそうで
「落語界二大ヨイヨイの噺を聞いたのがよくなかったのでは……」
というジョークを夫人の口から聞くのも芸人さんならでは。
私も
「なにしろ持ちネタ(親亀の背中に……)がそのまま言葉のリハビリ
になる師匠だから得ですね」
などと言って笑う。
ただ、入れ歯を外しておられて、
「ちょっと顔が違ってますが」
とノリローさんフォローしたので、
「いや、もともとシャクレ顔なのでわかんないですよ」
と言ったら無言だったのは、ちょっとムッとさせてしまったか。
さすがは奥さんだ(笑)。
ここに入院したのは先生のデータが全部揃っていたからだが、
近々、リハビリ専用病院に移るそうである。

見舞時間そのものは短かったが、おかげで次の予定には遅刻せずに
すんだ。通りを渡ればすぐ朝日新聞社である。
いや、遅刻せずに、と言っても5分くらいの遅刻はしたが、
そしたら、もう選考室がギッシリだったのに驚く。
ほぼ全員、新委員の人たちである。
前年からの委員は、今日は遅れてきた香山リカさんも
含めてたった6人の出席。
一年もやっているとやはりみんな、緊張がなくなりますな。

選考打ち合せは最初だけあって長引く。
いろいろと自分の取った本を譲ったり、譲られたり。
新委員のK先生、気鋭の政治学者でらっしゃるが、
顔のつくりがもう、絵に描いたような“頭いい顔”なのに驚く。
映画だったら、いきなり出てきてもインテリを演じられるキャラの顔。
40代半ばのはずだが30そこそこに見える童顔なのも預かって大きいか。

アラスカでいつもの通りちょっと飲んで雑談、
ハイヤーで帰宅。
開田裕治さん誕生日だそうで、何とか日の変わらぬうちに
お祝いコメントをつけることが出来た。
K先生もそうだし開田さんもそうだが、今の人の年齢というのは
本当に読みにくくなっている。
開田さんなど、どうみても厄そこそこ、って『子ほめ』じゃないが
そう見える。

蕎麦湯氷ロックとホッピー。
資料用にDVD、再見のものばかり。
『マルクスの二丁拳銃』とか。
1時半、就寝。
直前に、しまった、今日までのゲラチェックを戻し忘れた、と
気がつくがまあ、後の祭。
結局、マッサージもいかずに終わる。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa