裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

19日

水曜日

ファイトー! オーパーツ!

超史回復・トンデモ補給にこの一本!

※楽工社打ち合せ 朝日新聞退任委員送別会

朝、ひさしぶりに8時半までベッドの中。
目が覚めたのは6時半なのだが、これでは睡眠時間が5時間を切る。
「寝とかないと今日は危ない」
と思い、無理に二度寝。
昨日から暖房をつけずに温かく寝られるようになった。
春が来たことであるなあ。

8時半目がさめ、メールの整理など。
ダーリン先生、とりあえず症状は安定している模様。
と学会に新入会員二人あって、いずれも私のことを
「唐沢議長」
と呼んでいるのに苦笑。
二人ともニフティの裏モノ会議室時代以来の人なのである。

9時朝食。
オレンジとリンゴ。
昨日の『くちこみジョニー』、母に好評。
クサメ連発。花粉症発症か、と思うが今日は雨もよいであるし、
そんなに飛散していないはず。
飲みすぎで体内の水代謝がとどこおっているのだろうと判断し、
小青竜湯二服のむ。
新聞広告で国書刊行会の新刊を見つけ、アマゾン自粛の月とは
いえどこれは仕事にも使えるし買わねば、と思い、部屋に帰って
すぐ検索してみるが、まだアマゾンに上がっておらず。

トイレ読書、さっぱり盛り上がらない『ザ・ファミリー』は脇に置いて、
書評用に落として、スケジュール的にあきらめた
ジョン・ブラックバーンの『刈りたての干草の香り』(論創海外
ミステリ)を読んでいるんだが、これが面白くて困る。
まさにA級のB級ホラー。
そのクラシカル(原書の刊行が1958年なんだからクラシカル
なのは当たり前だが)な作りの嬉しさと、その時代にこんな設定
がすでに、という驚き。
大学時代、創元推理文庫ですでにレア・アイテムになっていた
『小人たちが怖いので』を古書店で探し回った懐かしさから
落としたのだが、面白さはこっちの方が上かもしれない。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/484600757X/karasawashyun-22
アマゾンにあるレビューはネタバレありなので読まぬこと!

昼はシャケ弁。カニ爪味噌汁作って。
冷凍のカニ爪を一本、ナベの中に放り込むだけで出汁いらず。
雑用片づけ、2時15分、家を出て事務所へ。
地下鉄で新宿、そこからバス。

事務所で電話連絡、メールなど。
4時、ベラミにて楽工社H社長と打ち合わせ。
クラシック・アニメ本について。
人まかせにしていた部分も含め、ほとんどを自分で
やる方針に立ち返る。
この二年の鬱状態を説明したら、驚いていた。
「だって、この二年でカラサワさん、テレビ方面に進出したりして
凄く活躍されていたじゃないですか」
「それは自分を忙しくして、落ち込まないようにしてたんです」
思えば、直接的原因があったことでかえってわからなかったが、
初老性鬱であったのかもしれない。
初老っていうのは辞書的に言うとなんと40代のことなのである。

事務所に帰り、オノといろいろ打ち合せ。
明日はピンポンの取材と、杉&鉄ライブ。
30日まで、ずーっとなんかかんか予定が入っているのに仰天。
アスペクトK田くんから、ダーリン先生の病状について電話。
ぎじんさんからの情報(ダーリンギャルズからのもの)を
元に報告する。

そこから雨の中、東急ハンズで買った525円の小型傘をさして
渋谷駅まで。銀座線で銀座。
三笠会館で退任書評委員送別パーティ。
今期退任の書評委員の方々(私はあと一年続投)と挨拶し、
テーブルにつく。

Tデスクが、以前“え、忠臣蔵を扱った落語があるんですか”と
言っていたので、『七段目』『権助芝居』『おちゃるか』などのCDを
貸す。退任の委員、編集員の挨拶。
いろいろ笑いあり、感動的な話あり。
Tデスクと助手のSさんが、毎回の弁当を何にするか、
2時間かけて討議するという話に笑った。

料理はかなり本場の中華からアレンジしているというか、
工夫を加えている。フカヒレスープにタラの白子と、
里芋(か、海老芋)の繊切が入っていたり、
白身魚の素焼きに豆鼓のソースをかけて食べるもの、だとか。
ビールと紹興酒、杯重ねる。

終わって、地下のバーで二次会。
いつもはこういうところだとタンカレのジンのストレート
一本槍なのだが、ちょうどオキ・シローの『ヘミングウェイの酒』
を書評した原稿を出した(今日、会場でゲラをもらった)
ばかりなので、モヒートを頼んでみる(写真)。
ラムをベースに、砂糖、ライム半個、そしてミントの葉を
散らして、ソーダで割る。
オキ・シロー氏によると、ヘミングウェイは
ビターズをこれに数滴垂らし、さらにミントは乳鉢ですりつぶして
加えたというが、そこまでやると歯磨粉みたいになって
しまわないか。

その後はウォッカマティーニ。さすが、オリーブの塩漬けが、
ちょっとスモークがかった味でうまい。
一杯目は普通にステア、二杯目と三杯目は007風にシェイクして
もらう。レモンピールをその上で絞って香りをつけるのだが、
その絞る位置がかなりグラスより離れているあたりがいい感じの
気取りっぷりである。
カクテルというもの、そもそもその存在が気取りのカタマリ、
という感じがする。

退任するY先生、“これでボクの名が裏モノ日記に登場することも
なくなるかと思うと寂しい”と。巽孝之氏、担当Kくんなどと
話し、かなり酔っぱらったTデスクと、書評のあり方について
ちょっとやりあう。Kくんに“酔っ払いのあしらい方がうまい!”
と言われたが、こっちもかなり酔っていた。
雨の中、ハイヤーで送らる。運転手さんと気圧が体に及ぼす影響
からメタボについてまで、無闇に話が盛り上がって、運転手さん、
道を間違えるほどだった。
帰宅、12時半。メールチェックして寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa