裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

18日

火曜日

我輩はモカである

「諸君はキリマンジャロとブルマンかね」(グルーチョ・談)

※メディアファクトリー原稿プロローグ部分 『くちこみジョニー』生出演 『御利益』顔合わせ

朝7時起床、いい天気である。
日記つけ、8時36分にアップ、それから
ベッドに戻って30分、再度寝る。

9時ジャスト朝食、買い置きオレンジ、
スーパーで売っているものの中ではマシな方なのだが
送られてきた愛媛のオレンジ(瀬戸香という品種だそうな)
を食べ慣れると、何か野生種のように感じる。
それとリンゴ、缶詰めのトマトスープ(ホテルオークラの。
数年前のいただきもの)。

自室に戻り、入浴。
それから今日出かけるまでに書き上げねばならない原稿。
今日の予定は2時に日テレ入り、6時半に
荻窪で『御利益』顔合わせだが、当然そこに顔を出すテリーに、
イラストを依頼するための部分の原稿(書き下ろしものの)を
書き上げねばならない。

メモ的な下書きを参考に、書き進む。
12時、母の室で鴨南蛮で昼食とり、
1時までかかって原稿用紙10枚ほどのプロローグを
書き終える。

急いで身支度、青梅街道に出たところの交番でオノと
待ち合わせ。タクシー拾って汐留の日テレタワーまで。
ADの女性が迎えに来てくれるのを待つ間、裏出入口のところ
に立っているが、入る人たちが私の顔を見て頭を下げたり微笑んだり
して挨拶する。向うは顔を知っているので、同じギョーカイジンと
して挨拶してくれるのだろうが、こっちは知らないので、
誰だろうと不安になる。

て、控室に通される。控室というよりは打ち合せ室であり、
洋服掛けも鏡も何もない。控えているには不便な場所である。
ディレクターのEさん来て、私の出したネタを元にした
台本を読み合わせ。どう考えても、正味17分の内容からは
コボれるだろう、と思えるのだが、Eさん、
「さらにアドリブで追加ネタがあれば」
と言う。よほど時間内に話題がとぎれることに懸念があるのか。
そう言えば『世界一受けたい授業』もそういう感じであり、
いつも台本にあるネタの三分の一は使わない。
日テレの社是なんじゃないか、とオノが言っていた。

カメリハに、『くちこみジョニー』撮影用の外部スタジオに行く。
これが、元は何かこの日テレタワー建設時に、イベント用道具の
物置に使われていたという建物で、その後、こういうスペースがある
ということを忘れられていたのが最近思い出され、一年前から
『くちこみジョニー』の専用スタジオに使われているという。
「スタジオ用に設計されていないんで、動線とか目茶苦茶
なんですよ」
と聞かされたが、動線どころか、そのスタジオに行くまでが大変。
裏庭みたいなところを抜け、雨水を流すための溝じゃないか、
と思えるような壁際の通路を走り。
オノが面白がって写真を撮っていた(上に掲載)。

あべこうじさんと打ち合せ。
早めの口調でしゃべって、さらに今日のゲストの影のADさんたち
相手での(つまりリアクションほとんど無しの)状態で
ネタを全部出しした結果、7分こぼれの24分になった。
ソラミタコトカである。
あべさんが“え、そんなにこぼれてた? テンポいいんで気づかな
かった!”とマジに驚いていたので、まず受けは取れる、と
安堵したが。ネタの削除にかかる。
ラストでアドリブで“最近の活動は?”と訊かれたので、じゃ、と
『御利益』の宣伝をさせてもらうことにする。
あべさんが凄く興味を持っていた。

カメリハの中にジョニーガールズの佐々木梨絵さんが
いたが、小さいんで驚く。同じ小さいんでも、麻衣夢ちゃんは
“背が小さい”小ささだが、彼女の場合、“作りそのものが小さい”。
シュリンキング・ウーマンという感じで、なんか生き人形というか、
アンドロイドみたいである。頭は言われているように非常に
いい子だな、とは思った。

控室に戻り、Eさんと削り部分打ち合せ。
なにしろ削らないと、時間的に『御利益』告知が出来ないと
思うので、私もちょっとマジメに時間短縮法を考える。
要は、ゲストやコメンテーターのいじりを最小限に抑え、
完全にこのコーナーを私物化することである。
Eさんも“それでいきましょう”となる。
口調は、リハのときで丁度いい、と言われる。
放っておくと加速度的に超絶早口になるラジオと違い、
テレビでは抑制が利くらしい。

メイク室に行く。mixiに出演告知をしたとき、鈴木美潮さん
が“メイク室で会えるかも”と言っていたが、ホントにいたのに
驚いた。メイク、かなり濃いめにされたのにも驚く。
オノが“濃いですね〜!”と言っていた。

で、本番。
動線無茶苦茶のセット裏側で、辛酸なめ子さんにお久しぶり、
と挨拶される。佐々木梨絵は小さかったが西山茉希は逆にデカい。
さすがファッションモデル。IKKOもデカいな当然とはいえ。
さて、イザ話し始めてみると、言うべきことは言う他、やはり
コメンテーターの受けがいい話題にはアドリブで追加ネタも
しゃべらねばならず。どんどん、“次ネタカット”指示が出る。
なんと、あれだけ固執してネタ出しを求められた松坂ネタも
オールカット。これには驚いたが、しかしおかげで
『御利益』、たっぷりと告知でき、オノによるとテロップまで
出してくれたという(よくまあ、あれだけの時間でテロップまで
作れたものだ)。感謝。

ウケも上々でスタッフに“さすがです”と世辞を言われ、
まず、ヨカッタと胸をなでおろす。
個人的には開催大反対の北京五輪ヨイショをしなければ
ならなかったのが忸怩たるところだが、そっちの方は私の裏の顔
ですからな。『社会派くん』でたっぷりと。
メイク落として、タクシーで送られる。
行きは高速を使ったが、帰りは下を通る。
やはり時間かかる。一旦家に帰ろうと思ったが、
荻窪まで直行してもらう。

昼を早めに食べ、しかも控室にカベス(菓子、弁当、寿司の意)類
何一つ無かったので腹が減ること。オノと二人、駅前の
ラーメン屋に飛び込んで、虫を養う。
老夫婦と娘がやっている店で、まだこういう空間が残っているんだな
と驚くほどいい感じ(味はまあまあの下、という感じだが)。
かなりの年と思える爺さん二人が並んでラーメンを食べていたが、
彼らが帰るとき、娘が飛び出していって挨拶する。
白髯の爺さんの方がこの娘(40歳くらい)の、小学校の担任の先生
だったそうで、もう90を越しているという。
年齢には驚かないが、その歳でラーメンを平らげるというのに驚く。
いや、もっと驚いたのは、連れの、はげ頭の方の爺さんが、
爺さんではなく、白髯の爺さんの奥さんだったということ。
これくらいになると、性別は見分けがつかなくなるのだな。

顔合わせに、プロデューサーとして何がな差し入れを、と思い、
ルミネの菓子売り場で買い物。
そしたら某所から電話、ちょっと興味深い内容だったので
話し込み、大幅に出るのが遅れた。
荻窪地域区民センター。入ったときが、自己紹介の最中。
それからハッシーによるキャスティング発表。
ええーっ、というような役柄の人も。

古舘プロジェクトからは二人(当初三人だったが仕事の都合で
二人になった)女優さんが参加。
マネージメントしている人たちと挨拶。
それから打ち上げ、いつもの荻窪駅前やる気茶屋。
区民センターからはかなり歩くが、
途中で徳島の仕事から帰ってきたというなべかつさんと合流。
巡礼の杖と頭陀袋を持っていた。

由賀ちゃん、麻衣夢ちゃん、圭介、テリーと一緒のテーブルになり
いろいろ話す。テリーにプロローグ部分の原稿を読ませたら
「ええー、小説の挿絵なのー! いつものお気楽なエッセイ本だと
思ってたー!」
と。圭介や麻衣夢ちゃんも“一緒に本出しましょう!”と言ってくる。
圭介はそう言えば文化庁の助成金で、サンクトペテルスブルクの
劇場で公演をしてくるそうな。

ここの店長さん(眼鏡っ子の萌えおばさん)から挨拶され、
焼酎三本、差し入れがある。ありがたし。
かずえちゃんと、こないだの『ホワイトソング』の2枚目山本匠馬
のことをアツく話す。
岡っちたち、もやし、菊ちゃんたちと、ゲストの古舘プロジェクト
の新人さんとも。途中で早川のおっさんも来る。
あとは例によりワイワイ。ハッシーは途中でひっくり返っていた。

もやしと話しながら駅まで行き、丸ノ内線の改札にはいるが、
ちょうど終電が出てしまったところ。
仕方なくまた出て、タクシーで帰宅。
メール等を見たら、ダーリン先生倒れられたとの報。
昨日新聞で記事を見て、ネットでやりとりしていたばかりなのに、と驚き、
ノリローさん大丈夫かと心配になる。幸い、一命はとりとめた模様。
ぎじんさんなどからもメール来ており、さてどうするか、
状況が状況だけに、見舞とかどうするか、頭を悩ます。
ガンとの闘病に一生懸命だったところの足をすくわれるのは
私の親父と相似形だな、と思い、ちょっと心曇る。
一日も早い回復を!
それやこれやで就寝2時近くになる。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa