裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

19日

土曜日

2次の彼方に

Some where Over the Rainbow way up high.
There's a land that I heard of once in a Moe-Anime.

※『DVDデラックス』コラム原稿 アニドウ上映会 あぁルナ新年会

朝10時起き、やはり起こしてくれる人がいないと
ダラけていかん。
寒い寒いと言いながら入浴、湯を抜き忘れていたのを
沸かし直ししたのであまりスッキリしない。
サラ湯のぴりぴりした感じが好きなのである。

朝食は肉まんをふかして。
コーヒーのいれたてのと一緒に。
日記をつけ、それから原稿にかかる。
DVDデラックスコラム。
昭和の雑誌の記事をネタにして紹介するコラムだが、
枚数内ではネタ展開する余裕があまりなく、紹介だけに
とどまってしまうことが多い。
今回は逆に取り上げる記事のテーマについていろいろ書いて
いたら、記事そのものを取り上げるスペースがほとんど
無くなってしまった。
単行本の際に書き足すしかあるまい。

ソニーのベータマックスSL−HF300が届く。
うむ、デカい。重い。これがベータマックスデッキだ、と
懐かしくなる。うんとこしょ、と運んで設置する。
29年前の1979年、バイトをやり、生活費を切り詰めて
やっと買ったベータマックスSL−J7(今の私にはその二つの
行為だけで25万8千円を稼ぎ出す根性はない。あのころの
オタク熱意の凄まじさよ)を秋葉原から阿佐谷の下宿までかついで帰り
翌日全身筋肉痛にさいなまれたことを思い出す。

昼は昨日買ったハンバーグとライスを温めて。
漬物はきゅうりのキューちゃん。
食べたのは何年ぶりだろう。
うまいのに驚く。これだけで飯が何杯もいけるだろう。
1962年発売の製品だから今年で46年目。
最初はこういう大量生産漬物などバカにしていたものだが、
46年の間に進化していたんだな、と思う。
ただ、キューちゃんのキャラクターを変えたのは気に入らん。
コラム、完成させて編集部K谷くんとK子に送る。

6時45分、家を出て地下鉄で荻窪。
荻窪駅前でノドが渇いたのでケンタッキーに入ってアイスコーヒー。
店内でマンガの打ち合せ一件、役者(声優?)のオーディションの
打ち合せ一件。サブカル・オタクの街なのだな、と思う。
四面堂までバスで一駅、歩いて杉並公会堂。
途中で週刊新潮から電話インタビュー、連続なのに驚いた。
今度はアニメのこと、いま都合悪いので明日昼に、と言って切る。

杉並公会堂、新しくなってからは初めて。
立派なことに驚く、というかちょっとオドオドするのが
情けないというか。
地下の小ホール。
7時半からの上映で到着が25分、ギリギリだけど間に合ったな
と思っていたら、もう始まっていた。
どういうことか? とちょっととまどう。
休息時間にかに三匹さんらの話を聞くと、やはり今朝のメールに
7時半開演と書いてあったという。
私も最初のお報せには7時とあったと記憶していたが、一番
新しいお報せメールに7時半とあったので、こっちの記憶違いか
と思って7時半に間に合うように出たのである。
受付にそう言ったら、エーッ、と驚いていた。
すでに上映終わったもののうち、『どうぶつ隣組』だけもう一回
上映してよ、と頼み込む。

上映作品は今回は、タイのテレビアニメ『黄金の魚』
(魚とタイトルにあるが魚は全然出てこない神話モノ)、
同じくタイのカンタナ・アニメーション制作会社のプロモ、
フランスで放映されたスタジオ・ジブリ紹介番組(調子が悪くて
冒頭でストップ)、ニュージーランドのCGアニメ作家
ボブ・ステンハウスの『フェロニウス船長』、
韓国の『テッコンV』30周年デジタル・リマスター版の
DVDから、そのフィルム紛失部分の修正の状態を見るもの。
“アルゼンチンの石田卓也”と呼ばれている(なみきたかしに)
ジャン・パブロ・ザラメーラのクレイ・アニメの佳作
『火星への旅』(今回一番好感の持てた作品)、
あとはスタレヴィッチの『虫のクリスマス』、
ティム・バートンの自伝的(?)人形アニメ『ヴィンセント』、
某大手アニメプロダクションのあまり知られていない最近の短編など。
『私のめちゃ変アニメ』というタイトルの通り、新作旧作佳作駄作、
ありとあらゆるものがまぜこぜになった、コレクターの家の倉庫を
引っかき回してみましたといった上映会で、こういうのも
面白い。最後に、多分私の強引なリクエストにより(笑)、
熊川正雄『動物となり組』。
キャラクターたちの擬人化が今現在の常識とかなりかけ離れて
いる(鹿の夫婦など)珍作。さらには、アフレコの台詞にある
戦前の東京言葉が今聞くと新鮮。
オープニング部分はYouTubeで見られる。
http://www.youtube.com/watch?v=hz2Pdk-Quac

終映時点で9時48分。まるさんたち常連さんにざっと挨拶のみして、
急いでタクシー飛び乗って、新宿へ。
コマ劇場裏の『文化食堂』にて、あぁルナティックシアターの新年会。
劇団員の他、渡辺シヴヲさん、あゆちゃん、maimuちゃん、舞ちゃん、
松原由賀ちゃん、市森正洋さん、松ちゃん、あやさん、しら〜、はれつさん、
TBSのHくん、三才ブックスTくん、それに今度の4月公演のポスターを
描いてくれることになった前田裕幸さんなどの顔もある。
前田さんとテリーは昔、ミスドでのバイト仲間だったという。
世の中、狭すぎ。

前田さんのポスター下書きを見せてもらう。
いかにも前田さんらしい楽しい作品。
こういう情報料豊富なポスター、フライヤーは
それだけで集客力があるのではないか。
期待度大だが、これを完成品に仕上げるマドはちょっと
ビビっていた。

テリーとは、例の企画について打ち合せ。
ぜひ、これは成功させたい。
その他、あゆちゃん、maimuちゃん、由賀ちゃん、樋口ちゃんなどと
ワイワイ。今年はいろいろやるぞー、と意気軒高。
乾ちゃんの顔を初めて真正面からまじまじ見たが、
ふむ、実に日本人離れのした顔立ちの女優さんだなあ、と思う。
海外に売っていけば人気出ると思う。
Hくん、“またピンポンにも出てくださいよ〜”と。

この劇団名物のビンゴもあり、11時におひらき。
私はビール二杯くらいしか飲んでいないので当然、飲み足りず、
中央線沿線組誘って、二次会。すなわち、オノ&マド、
もやし、ハッシー、菊ちゃん。中央線ではないがしら〜、はれつ、
T田くんも。

ハッシー、エロ親父と化して菊ちゃんにセクハラ攻撃。
阿佐谷までタクシーで行って、遅くまでやっている店を、
と探したら、朝6時までの店と8時までの店があった。
遅くまでやっているとは既にして言わない、“早くまでやっている”
店である。

そこで菊ちゃんと(ビンゴ景品の)黒髭危機一髪など
大のオトナがワイワイやって、ギャグの飛ばしあい、ここらでもう
かなり出来上がっているマドに神が降臨していた。
はれつ氏、ファミ通の表紙を描いている前田裕幸氏が
参加してくれる(しかも大乗気で)というのにかなり興奮気味。
私も前田さんデザインのキャラクターグッズなど作るべきではないか、
と進言。

さらにそこを出てから、今度は“腹が減った”と、オノ&マド&もやし
を半強制的に焼肉屋に連行、自家製ソーセージとかホルモンなど
焼き、真露飲みながらいろいろ話す。
もちろん強制的連行だからおごったが、ホント? と一瞬聞き返した
ほど安かった。阿佐谷はいい町だ。結局お開きが4時、
帰宅したのが4時半。なんなのか、このテンションは。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa