裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

13日

日曜日

ウガヤ“とりあえずビールね!”ノミコト

つまみは山の幸で。

※テレビ用衣装買い出し 週刊現代コラム原稿

朝、9時に目が覚めるがまだ当然のごとく眠い。
テキーラというやつ、焼酎よりやはり残る。
母の室に電話して11時起きにしてもらう。
10時50分まで眠り、起きて入浴。
11時15分頃朝食。
生卵にノリ、ネギ、カツブシ加えたもの、カマボコの焼いたの、
ワカメの味噌汁、タクアンでご飯一膳。
異臭、だいぶ少なくなったが玄関先などまだひどい。
鼻にツンとくる。

日記つけなど。
青森・八戸の母子3人殺害事件で、犯人と見られる長男の
部屋の焼け跡から猟奇漫画が大量に見つかったとの報道。
「漫画本は数種類で、人気パソコンゲームを漫画化したミステリー
作品は殺人場面が多く、登場人物が刃物で首を切ったり、モデルガン
で背中を撃つシーンもあった。作品はテレビアニメ化もされているが、
昨年9月に京都府の16歳少女が父を手おので殺害した事件の直後、
一部民放局が“事件を連想させる”と放送を自粛していた(毎日新聞)」
……どう読んでも『ひぐらしのく頃に』のことであって、俄然、
「またゲームや漫画を根拠なく原因にするのか」
という感情的な書き込みがネット中心に集中的にあふれかえっていた
(もちろん冷静な書き込みもあったが大部分はマスコミ報道に対する
ヘイトコメントである)。

確かに、犯人の家でそれが見つかったからそれが原因、とするのは
単純・性急に過ぎる結論でしかないが、
「発見された漫画と犯罪は全く無関係」
とこの段階で言い切ってしまうのも単純・性急にすぎる。
もし犯人が“この漫画に影響を受けてやった”と証言したらどうするか。
個々の事例を全体に敷衍してものごとを語ると誤謬を犯しやすいのと
同様に、全体的傾向を以て個々の事例をはかるのも
錯視の大きな原因になる。

http://www.wako.ac.jp/souken/touzai01/tz0113.html
↑ここで述べられているように、少年犯罪そのものは1960年代
をピークに、最近では“激減”しているといっていい。
しかし、さらにこの資料では一歩を踏み込んで、それなのになぜ、
少年犯罪に対する社会不安は増大しているのか、ということを分析し、
少年犯罪者がそれまでの(主に経済的・社会的圧迫を受けている)
“理解しやすい”虞犯グループから、まったく犯行を予測しえない
一般家庭の子女に移行したことを指摘している。
今回の報道に異を唱えるコメントを書き込んだブログの中にも、
上記資料をデータとして、少年犯罪は減少しているのだからマスコミ
が騒ぐのは間違いだ、と主張しているところがあった。
しかし、よく読んでみれば、上記資料の作成者(和光大学人間関係学部
教授奥平康照氏)は、
「犯罪イメージや言語の情報はあふれている。今後もしも銃器が容易
に手に入るようになったら、凶悪犯罪発生は急増するであろう」
と結論部分で言い切り、警告している。この“犯罪イメージや言語の情報”に
残虐シーンのあるマンガやアニメ、ゲーム類が含まれることは
あきらかである。資料を使う際には慎重を期さないと、
逆手にとられる危険性があることを憶えておいた方がいい。

昼は2時ころ、黒豆小粒で納豆飯。
母は出かけているので、ご飯のみもらって。
自室のベッドで読書。書評用読書であるが、前半の面白さが後半急速に
無くなってきたなあ、という感じ。
トイレ読書『ガヴァネス』(川本静子)は面白く読了。
中で紹介されているアンソニー・トロロープの作品が読みたくなるが、
短編集しか今では読めないようだ。
ちょっと寝る。

5時過ぎ、バスで新宿まで。
バスを待つ間、また新宿駅などで信号待ちの間、寒風が
身にしみて震える。この冬一番の冷え込み。
京王デパートでシャツを物色。
さすがにブランド品はいいものがあるが、
値段との折合いも考える。
適当なものがスポーツウェアのコーナーにあったので
色変わりで2着、購入。
紀伊國屋で本を幾冊か見、地下鉄で帰宅。

原稿、週刊現代マンガ評。今回は字数調整等、スムーズに
行けたし、〆切も遵守して、すらすらと。
チクワ、豚肉、干し海老等で焼きそばを作り、
ビールとホッピー。
大河ドラマ『篤姫』、調所笑左衛門を平幹二朗が演じていたが
“調所広郷、広郷”と名乗っていた。通称の笑左衛門で
名乗る方が普通だと思うが。
私の中のベスト調所笑左衛門役者はNHKで放映された
『風の隼人』(1979)での中村伸郎である。
その老獪な飄々ぶりが神経質そうなヒラミキではちょっと足りない。
服毒シーンまで飄々と演じていた中村伸郎を超えるのはちょっと難しいか。
なお、『風の隼人』では島津斉彬が津川雅彦、お由羅の方が南田洋子。
この『篤姫』では島津斉興が長門裕之。一族で固めている感じがする。

DVDで刑事コロンボ『ルーサン警部の犯罪』。
ルーサン警部役は『スタートレック』のウィリアム・シャトナー、
声が山城新伍。この話、本放映時に見たきりで、山城新伍の
吹き替えがクドすぎという感想があったが、見直してみると
おとなしいこと。冒頭でコロンボシリーズの名物男、
フレッド・ドレイパーがこれまたチョイ役で出ている。
明日があるというのに12時過ぎまで。
なかなか11時とかには寝られない。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa