裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

1日

火曜日

年のはじめのクモヒトデ(再)

去年と同じシャレも芸がないので、ひとつ新年のご挨拶をヒトデづくしで。

「昨年のオニをば退治てムラサキの、クモのたなびく初春の、パイラけき世を
祈りつつ、深いえにしをイトマキの、巻いて尽くせぬ人手のつながり、
切れてもすぐに再生の、数こそ海の星ほどと、テヅルモヅルにおん願い、
あげ、奉りまする〜」

朝9時半まで寝ている。途中、トイレに一回起きたが
それでも9時間はたっぷり寝た勘定。
居間のカーテンをあけると、正月晴とでも形容したいような
真っ青な空、快晴である。
日本海側では大雪の地方もあるらしいが。

とはいえ晴天ゆえに寒い。
白い湯気のたつ湯槽に朝風呂でつかる。
冷えた身体に熱さが染み渡り、
身体が清められたような気分になる。
筋肉痛も残らず、ゆうべの酒も抜けて、まだ若いわいと
自己満足。

十時、母の室で朝食。
卵入り味噌汁、バナナとイチゴ。
正月らしい食事はお客が来てから。

自室でおとついからの日記つけ。
書くことが多くてなかなか終わらぬが、書いていて
楽しい日記でもある。
BGMはR・シュトラウス『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な
いたずら』。今年企画している“愉快ないたずら”がみな、実現します
ように、と願いをこめて。

すぐ昼時になり、母の室でつまらぬテレビなど見つつ、
カニチャーハン。小松左京のエッセイなど見ながらベッドで
横になっているうちに一時間ほど寝てしまう。
正月なるかな。

珍しく酒をあまり欲しない。
これは体力がまだ完全回復していないのだろう。
昼酒は明日にしよう、などと思っているうちK子仕事場から戻り、
いろいろ話す。『殺人の法医学』見せたり。
6時半、開田あやさんから、いま向かっているという電話。
母の室に行ったら、まだ掃除中。
7時半と間違えていたという。あわててそこらを片づけているうちに
お客、到着。なんとか片づいたところでよかった。

開田夫妻、O内夫妻、デシ人間第一号Oさん他、総勢10名。
大皿に盛ったおせち(これが、札幌のフジヤサンタスホテル閉館の
ときにもらったという、業務用の本当にバカでかい皿)にみな、
歓声をあげる。

その他、カツオのたたき(フロム鯉朝)、大根と蟹の煮物、
野菜と春雨のサラダ、ウェスティン豚など次々。
酒は日本酒、ビール、それにI矢くん自慢のスペインワイン。
話題はコミケのこと、ビッグサイトの駐車場にこの時期集まる
“痛車”のこと、痛車のプラモ発売のこと。痛車デコトラももう、
出ているそうで、それで『トラック野郎』シリーズを作れば
面白い、と私。

いつぞや通販生活で買った新型ワイン栓抜きを披露、喝采を浴びる。
開田夫妻はかなり疲労たまっている様子。
コミケ、年末進行の他に映画のエキストラなどが重なり、昨夜は
その打ち上げの会もあったわけだから、まあ当然か。

FKJさんとアニメばなし、ちょっと。
彼も疲れがたまっているのか、途中でソファで寝入ってしまったが、
みんな、
「FKJさんくらいあらゆるイベントに顔を出していたら(しかも
地方の会社に勤めながらちゃんと東京に出てくる)バテるよねえ」
と、妙に納得していた。
K子はいつも通り、I矢くんやS井くん、のび太くんをいじって
遊んでいる。

恒例のオタクDVD、今年はピープロのオープニング集と、
『ロボット刑事』。みんなロボット刑事好きなのだねえ。
たれ軍曹さん(O内さんの奥さん)は母にサマセット・モーム全集
を借りていた。

11時半、お開き。
台風が去った後のよう。
母にお礼を言って自室に帰り、ワインの酔いでベッドに倒れ込む。
確かにいつもより回りが早い。

2時ころ目が醒めて、そのまま、日記書きの続きを。
3時半まで、読書したりネットニュースを見たり。
4時、今度は酔いでなく本来の眠気でまたベッドに入る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa