裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

15日

木曜日

悪徳の栄

本当に梅津栄って役者は悪徳商人の役とかがうまいな。
※室蘭入り

朝8時半に起床、入浴して朝食。
柿、オレンジ、バナナ。
母に『日本の古書店』ネットで注文したサマセット・モーム
全集、無事届いていた。札幌の実家の応接間の書棚
(俗なものがちゃんとあって、百科事典などが並んでいた)
にこの装丁の本が並んでいたのを思い出す。
旅支度、と言っても一泊なので替えのシャツなどを
ツッコンで、書評用の本を二冊詰め込む。

日記つけ、資料をネットで探して午前中は過ごす。
YouTubeでスパイク・ミリガンのスケッチを探して見たり。
http://www.youtube.com/watch?v=_p0VuZMWpNA
↑と学会的にはこれが好き。『バミューダ・トライアングル・ツアー』

英語が苦手な人には
http://www.youtube.com/watch?v=1oGkQ3a2B_8
↑リモコンテレビ
http://jp.youtube.com/watch?v=BmJSrVNKnr0
↑アイルランド人のオリンピック。ミリガンはアイリッシュを
バカにしたコントがかなり好きだったようだ。モンティ・パイソン
の“上流階級バカ・レース”の原型、というより元ネタである。

http://www.youtube.com/watch?v=S0sdh1L0198&feature=related
↑セックス審査。二番目のスケッチで、撃たれたミリガンが
わざわざ服を脱いで倒れるのは、ケチなBBCが服に弾痕を
残すのを許してくれない、というギャグで、昨日のダーレクの
スケッチでも、衣装に“BBC衣装部”という札が下がったまま
だったりする。
ミリガンはスケッチからオチを廃する形式の発案者でもある。
まさにモンティ・パイソンの父といっていい存在だろう。
http://www.youtube.com/watch?v=X1o2L57D9xc
↑パイソンメンバーがその影響を語る。

http://jp.youtube.com/watch?v=YpalRmvtfkY
↑でも、こういうオチのあるコントもちゃんとあるけど。
パイソンはメンバー5人が協力してスケッチを作っていたが、
ミリガンの番組では全てをミリガン一人が作り、そのため
彼は精神に異常を来たし、重度の躁鬱病で何度も入院していたという。
確かに、モンティ・パイソンのメンバーはどんなアホなスケッチを
演じても理性がその裏に透けて見えるのだが、
http://www.youtube.com/watch?v=TKcK2z9iv3Y
↑の、カーミットにマクラを投げつけるミリガンにはちょっと
狂気が感じられる。
ちなみにミリガンは英ハートフォードシャー大学のR・ワイズマン教授
の認定による、“世界一面白いギャグ”認定されたギャグの作者でも
ある↓。
http://tokyo.txt-nifty.com/fukublog/2006/06/post_2651.html

2時半、オノが来訪、点検済みモバイルを受け取る。
母の室で一緒に軽くランチなど。
スモークト・サーモン、缶詰のタラバガニなどのサンドイッチと
ブロッコリのスープ。あと、昼からちょっとビール。

オノを残して、3時、室蘭へ出発。
丸ノ内線で東京まで、そこからJRで浜松町、さらにモノレールに
乗り換えて羽田。ANAなので、方式が変わってチケットが
2次元バーコードになる。便利ではあるが、バーコードの印刷された
紙がペラペラで頼りない。どのポケットに入れたか、
無くしそうで心もとない感じである(実際、どこに入れたか室蘭で
ド忘れし、ひょっとして捨ててしまったか、と一瞬パニックになった。
外の胸ポケットに入っていたが)。

席は講演先がスーパーシートを取ってくれた。
とはいえ、千歳までの飛行時間は僅々1時間ちょっとであり、
そんな距離でスーパーシートというのも、と思っていたのだが、
搭乗口近辺に行くと、修学旅行の高校生たちが大勢たむろしていて、
やかましいこと。これと離れて座れると思うだけでも、
スーパーシートでよかった、と思った。

どこの高校かしらないが、ほぼ全員茶髪、剃り眉。
さすがに東京の高校だけにみんなあかぬけた顔立ちであるが
利口そうに見える生徒(学園ドラマによくある委員長系)が
一人もいない。みんなアイドルくずれに見える。
驚いたのは、一人の女生徒が、体調が悪いのか、ちょっとイケメン風の
男子生徒のひざまくらで横になっていたこと。男子の方もごく普通に
その子の髪や顔をなでている。
どんな素人の屑屋に見せたってただの中じゃない、とわかる。
私の高校生の頃、などというのは昔すぎて比較にならないが、
こんなことをしたらクラス中が騒ぎ立て、はしゃぎ立てたものだが、
今じゃ当然なのかね。

フライトは快適。スーパーシートのサービスのクッキーがおいしく、
ぼりぼりといやしく食べてしまった。機内誌『翼の王国』に、
能登特集があり、やはりふらっとのベンさん夫妻が出ている。
5時、千歳着。NHKの人が迎えに出ていてくれた。
Kさん、Nさんの男女コンビだったが、二人に案内されてバンで
室蘭まで、約2時間。

車内で運転手さん(この人もNHKのカメラマン)含め4人、
北海道ばなしで盛り上がる。ちょっとホッとしたのは、今回の講演、
中学校でPTAと職員、生徒たち相手に行うので、学校仕切りかと
思っていた。学校の先生たちと話すのは(いや、みないい人たち
なのだが)、世界がなにしろ違い過ぎるので、とにかくクタビレる
のである。やはり放送局の人たちは話も経験も格段に面白く、
退屈しない。夕食は最初(学校関係者と一緒にというのはお互い
窮屈だと思うので)室蘭で個人で食べます、ということにして
いたのだが、ご一緒に、ということになる。

ホテルニューバジェットに投宿。完全なビジネスホテルである。
ただ、部屋はツインで広く、ネット環境も完備。
メールのみチェックして、すぐロビーに下り、NHKのKさん
おすすめの室蘭のやきとり屋(一平)へ。
室蘭のやきとりは当然のことながら豚である。
タレと塩、両方試みてみたが、柔らかくジューシーで、
名物の名を辱めず。室蘭まで来てよかった、という気になる。
札幌放送局の担当さんも来て、四人でワイワイと。
うずら卵串が殻付きだったのには驚き、その食感のいいのにも
また驚く。味の濃いことも驚き。どうも、思うに茹でずに、
生のまま串刺しにして焼いているようだ。水分が飛んで濃い
味になるのではないか(写真右)。

……と思って宿で検索したら、やはりというか。
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2005/200505/050501.htm

“札幌や近隣市のチェーン店など10店を統括する室蘭の「やきとりの
一平」(石塚和義社長、本店・室蘭市中島町1・17)は、地元室蘭名
産のウズラの卵を使った串焼きをこのほど新開発、5月の連休明けから
新メニューとして登場させる。殻付きのまま食べられるのが特徴で
「室蘭名産のウズラPRに役立てば」と語っている。

 調理方法は、ウズラ卵を生のまま1串に3個ずつ刺し、殻の上からた
れなどで味付けして炭火で焼く。今のところはたれのほか塩、カレー味
の3種類。味や焼き具合など、何度か試作を繰り返して完成させた。殻
も見た目と違い、カラッと焼き上がって味付けとマッチング、エビの空
揚げのようなサクサク感がある。値段は検討中。

 石塚社長は「ウズラの卵はこれまで、ゆでたものを和風サラダに使っ
ているが、室蘭名産をもう少し活用できないかと考えていた。殻付きで
食べられるとはなかなか思わないですよね。酒のつまみにも合います」
と新メニューに自信の言葉。

 道内で唯一、ウズラの卵を生産する「室蘭うずら園」の佐原功社長は
「とてもありがたいこと。鶏卵に比べると栄養分が凝縮されており、殻
付きだとカルシウム分が一段と高くなり、健康にも良さそう」と喜んで
いる”

との記事あり。いや、これ、マジに全国区の調理法にして広めたい。
ビール、焼酎いろいろ飲んでゴキゲンになり、ホテルまで送られて
いい気分で就寝。明日の準備はいいのか?

Copyright 2006 Shunichi Karasawa