裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

19日

金曜日

全線FUCK YOUは遅れる見込み

急いでいるときに限って事故りやがって、ファッキュー!

※『ポケット!』収録 学研打ち合わせ 岡田さん食事会

朝、8時起床。体中が肉くさい感じ。あわただしく入浴、8時半朝食。グレープフルーツ、イチゴ、青豆スープ。

今日は『ポケット!』ゲストがポカスカジャンの省吾さんなので、コミックバンドの曲を、と思い、きのう自宅のCD棚を探したら殿様キングスの『恋は紅いバラ』があった。仕事場に寄ってとってこないといけないかな、と思っていたので、、これでゆっくり家を出られる、と思い、日記づけなどしているうち、ふと気になって、ケースを開けてみたら、中にCDが入ってなかった。思い出した、以前『ブジオ!』のときに中の曲を一曲使って、そのCDを忘れてケースのみ自宅に持って帰り、中身のCDは事務所にその翌週、持ってきてそれから一年近くずーっと離れ離れになったまま、だったのであった。うーん。気づいたときにはもう事務所に回る余裕は時間的になくなっていたし、TBSにあるかどうか、微妙な曲だしねえ。

10時15分、家を出て赤坂まで。新宿で買い物してタクシー、コロンビア通りからTBS裏口へ入っていくところで、車の列、つかえる。見ると、戦闘の車の運転手が警備員となにやらモメていた。その車がもう、特徴ありまくりのフォルクスワーゲンのバス、中の人はフェルトハット姿、まぎれもない省吾さん。

ロビーでオノ、省吾さんのマネージャーさんと待つうち、巨大なギターケースを背中にしょって省吾さん到着。
「窓口でモメてましたね?」
と訊いたら
「アヤシゲな車にアヤシゲな男が乗ってるもんで」
と。スカジャンには“福”“豚”の二文字。
http://shop.yumetenpo.jp/goods/d/okie-dokie.jp/g/SD4164/index.shtml
↑ステュデュオ・ダ・ルチザン特製であった。

スタジオに入り雑談(ではあるが、立派な打ち合わせ)。例のDJ・OZMAの衣装がWAHAHA本舗からの借り物であった件で、社長の喰さんが“うれしそうに”TVでコメントしていた件など。

もともと、去年5月の清水ひとみさんの『大女優宣言』のときに共演したのがご縁だったが、お互い美味いもの好きで酒好きで意気投合し、今度チャイナハウスにぜひ、と約束しながら省吾さんに急用が出来たりとかで、これまでポカスカのライブを聞きに行くくらいで後は接点がなかったのだが、今回、たまたま収録の今日が空いていて、しかも近々に告知したいライブ(ポカスカが白井良明さんと組んだ『EYE DON'T NOSE』の1月31日ライブ)があるとのことで、大変に感謝される。間がいいときはこういうもの。

雑談の中で、某若手女優さんのことに話が及ぶ。以前、ある打ち合わせの席でその女優さんの話が出て、
「使ってみたいですねえ」
と言ったら、向うの社長が
「アレは危ない。下半身のユルい子でねえ。もう、気に入った男性とは誰とでも寝ちゃう」
「そう言えば、ネットにやたらそういう写真の氾濫している子ですねえ」
「罪悪感とか全くないんだ。で、インタビューとかのときでも“こないだ、○○くんと寝ちゃって”とか平気で言う。何で言っちゃダメなのか、まったく理解できないらしい。共演の女優が青くなって、“Aちゃん、そんなこと言っちゃダメ!”とかしょっちゅう注意してたんだけど、まるで改まらない。あれだけ可愛いのに、そのせいでテレビのバラエティーとか出せないので、事務所も困ってるんだ。あまりあっけらかんなので逆に大きなスキャンダルにはまだなってないんだけど、共演してやっちゃった男性タレントの所属事務所からは文句つけられるし、ホント、あれは危ないよ、どこかコワれているんだ」
……こんな話をしてねえ、と言ったら、聞いていた省吾さんがいきなり、“♪人間なんてラララー”という感じで、無言でギター弾き出した。ファンだったらしい。諸行無常、ですねえ。

で、収録開始。しばらく空白だったので話題がはずむかという心配もまったくの杞憂、さすがしゃべりはプロでしかもトリオでやっているから私のしゃべりの受けも出来る。車、旅仕事のつらさ、人間関係など、テーマが結びつきあってトーク充実。二人のノリに海保さんもテンション高く(省吾さんと海保さんも過去、一回お仕事をやったことがあり、海保さんもやはり省吾さんのVWバスを強烈に記憶していた)面白い。CDも、殿様キングスはなかったが代替案で出した『ドリフターズのバイのバイのバイ』の評判がスタジオでやたらよく、また省吾さんリクエストの『イージュー★ライダー '97』(奥田民生)も、実にしみじみといい曲だった。会心の回になったかもしれない。

収録後。省吾さんとマネさん誘って、近くのTopsで昼食。トップスは新宿になくなってから久しぶり。ご贔屓だったタンカレーはメニューからなくなっていたが、システムは変わらず、出されたライスの量の少なさにみんなが“ええ〜”という顔をしたとき、
「大丈夫、おかわり用ライスも後でくるから」
と教えてやって感心された。省吾さんも今日の放送は楽しんでくれた模様である。よかった。某企画への協力のお願いと、蟻酒飲み会のことを約して別れる。食事代、当然こっちが支払うべきものなのだが、マネさん、“告知のお礼”と払ってくださる。やはりWAHAHAはしっかりしているなあ。それに比べて……(いやいや)。

話がはずんだので時間押してしまい、あわててタクシーで渋谷に。オノとの会話からこっちが業界人と知った運転手さんも話に加わってくる。サンズの野田社長を乗せたことがあるが、
「運転手さん、遅れてるんだ、幕張メッセまで急いで!」
と高速飛ばさせて、途中で携帯で話して
「ええ〜、そっちだった?」
と声をあげたそうな。幕張でなく、ビッグサイトだった。
「運転手さ〜ん、間違えちまったよ〜。もう降りられない? そうだろうな〜、ん〜、仕方ない、向う着いたらすぐまた引っ返してよ。ん〜、幕張って思い込んじゃったんだよな〜」
と、ずっとボヤきどうしだったそうだが、
「おかげさまで稼がせていただきました」
とのこと。……いや、私もやりかねないポカだな、それ。

時間割前で降ろしてもらい、学研Nくん打ち合わせ。私の企画の他に、文サバのKさんの企画のプレゼンもする。アタリはよし。私の企画、こないだ酔ったときに出したもので面白いことは面白いが、いまやるとシャレにならない。いかにも酔いにまかせての企画なので、あわてて代案を出す。こっちの方が絶対売れると思うが、Nくん、残念がっていた。

事務所に帰り、講談社『モウラ』原稿にかかる。9時に中野駅なので、8時半にはアゲねばならぬ、というプレッシャーの中での執筆だったが、8時20分に完成、K子と編集さんに送って、コピーした図版をFAX。急いでタクシーで中野に向かう。寒い。

北口で編集Nくんと岡田さん待合わせ。シャオヤンロウでも、と思って二人を案内するが道に迷い、そこらの中華屋さんになる。まあ、二人とも酒は飲まないし凝った料理は好きじゃない方だし。

いろいろ岡田さんにプライベート面で“説教”される。うーむ、と岡田さんの自説には感心するが、イヤ、私の目指すところはいろいろとまた、違うんである。結局、私は人生に対し究極のM資質で、S資質の岡田さんのやり方は合わない、というのが結論か。Nくん、××でいいじゃないですか、あれにしなさいとか勧めるが、そう簡単にはいかんよ。11時帰宅。飲んだ酒はビール2本、焼酎ロック1杯のみだったが妙に酔ったのは話の内容のせいか?

Copyright 2006 Shunichi Karasawa