裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

7日

日曜日

SOS、SOS、下半身、下半身、下半身〜!

♪ゴミ出せ捨てろ 死体を切って〜(バラバラ死体遺棄事件)

※『安住紳一郎の日曜天国』出演、アニドウ上映会

朝7時半起床。入浴して、8時半朝食。ニンジンとタマネギのスープ、リンゴ半顆、イチゴ小粒のもの5〜6粒。

メクラウオ、バカジャコなどの差別的意味合いを持つ魚類の名称変更のニュース。ま、動物に勝手に名前をつけるというのも人間の勝手な行為。つけるのも人間、それを不快に思うのも人間、動物にとってはどうでもいいことである。
「『狂』という言葉は日本では禁止されている。人間にだめなものを使うのは、牛の権利を侵害している」
と言って世間を唖然とさせた(あ、この唖然もダメかね?)議員(鳩山由紀夫)がいたが、ま、似たようなもの。ただ、言えるのは、こういうどうでもいいところの改善をちまちまやって、それがニュースになるような社会というのは、ダイナミズムが失われた末期的な社会である、ということではないか。

雑用すませ、9時45分に自宅を出て、赤坂TBSまで。ロビーでオノを待ち、9階第7スタジオ。I井くんが自分の番組でないのに来ていた。と、思ったらI垣Pまで。飯島プロデューサーに(イニシャルにするのとしないのとの区別がもうないなあ)挨拶、放送作家さんと
打ち合わせ。安住さんはお茶の間の顔、のように言われているが、実はかなりマニアックですから、と言われる。私を呼んだのも安住さんのお名指しだったそうな。

で、スタジオ(以前『ブジオ!』で使っていた懐かしい場所)に入る。音声がハルミさんだった。もう、入ってしまって、マイクの前に立つと、スイッチングされるのかなんなのか、自分の番組でない分、ゲストとかへの遠慮もなく好き勝手にしゃべれるぞ、とばかり、いや、自分でも呆れるほどトバしまくってしまった。これだから私はダメだ、としゃべりながら反省。しかし反省しつつ、さらにトバす。たぶん、半田健人くんの最大トバシのときのわれわれの反応と、同じ反応をこの番組のスタッフはしていたであろう。オノ、I井、I垣三人、ガラスの向うで笑っていた。20分がアッと言う間。安住さんは喜んでくれたかね?

終わって、赤坂近辺は日曜で全滅、とI井くんに言われたので新宿までタクシー。紀伊國屋地下の加穂音でカキフライランチ。いろいろと一月近辺のスケジュールのこと話す。

オノと別れて、東急でちょっと買い物、渋谷の仕事場に。日記つけ、あと、翻訳が必要ないくつかの海外サイトをチェック。三才ブックスのTくんから電話あり。

マイミクさんたちの日記で二つ、都市伝説的な話。
・「ガイガンのデザインは水木しげる」
・「飛び降り自殺者が靴を脱ぐのは映画で自殺とわからせるための演出が現実の自殺者に模倣されたもの」

前者はウィキペディアにもそう書かれているが、水木しげるの陰摩羅鬼(おんもらき)がモチーフ、ということはあるかもしれないが(広めたのは中野昭慶監督らしい)、実際のデザインは井口昭彦(ウルトラマンAの超獣群のような、サイボーグ形の怪獣デザインが得意)氏であり、水木氏の仕事歴の中にもカウントされていないはず。

後者は森鷗外の『山椒太夫』での安寿の入水を、湖畔に残された履物で暗示していることから、映画などよりずっと前に、日本人は自殺の際、履物を脱ぐ風習があったことが推理できる。心で仏様の御前に行く際に履物を履いたままなのは失礼にあたると日本人は思っているのかもしれない。ただし、『タイタニック』でもディカプリオが靴を脱いで海に飛び込む、という書き込みがネットで見つかったが、これが自殺なのかどうなのか、『タイタニック』を観てないのでわからない。

3時半まで資料用読書など。それからタントンに行ってマッサージ1時間。さすが正月一週間、どこにも出なかったせいで、
「指の入り方が全然普段と違います」
と驚かれる。終わって、パルコブックセンターで買い物。バスで中野まで。ちょうど、いい具合な時間に中野駅着。まんだらけなど冷やかしたあと、なかの芸能小劇場でアニドウ上映会、『猪突猛進ブヒッブヒッ漫画大会』というタイトルだが、イノシシの出てくるアニメはなし。と、いうか、海外アニメであるのか。『ライオンキング』には確かイボイノシシが出てきたはずだが、やはりイノシシアニメの代表作は『もののけ姫』か。

今日は2時からAプログラムがあったらしいがさすがにそこまではつきあえず、夜のBプロから。なみき社長(オープロの新社長に就任した)に同人誌進呈。まるさん、さざんかQさん、++ungoodさん、それに植木不等式さんなど、いつものメンバー。

上映作品はいずれも退色、フィルム劣化などの激しいものだが、内容は楽しいものばかり。ヴァン・ビューレン・スタジオの『タンブル・ダウンタウン』(1932)と、フライシャー・スタジオの『不思議の国のベティ』(1933)、『ポパイの水道管騒動』(1932)を見比べると、同時期に作られたとは思えないほど質の差はなはだしく、才能の違いというものが如実にわかるのだが、たぶんこれらがリアルタイムで劇場にかかっていた時代には、その差などというのはあまり大して認識されていなかったのではないかと思うのだが。

状態はひどいものだったが『ジェラルド・マクボインボイン』久しぶりに見てうれしかったし、『フェリックスのロミオ』(原題が“Romeeow”)の、“アニメだから何でもできる”という特徴を最大限に(これ以上デタラメをやると笑えないぎりぎりのレベル)使った演出にちょっと衝撃。

終わって、帰るとき、友永秀和さんから
「今朝、ラジオ出ていらっしゃいましたよね。面白かったです」
と言われて恐縮する。上記メンツで、中野の店をどこか新店舗を開拓しようかとちょっとさまようがあまりパッとせず、じゃ、押さえにと思っていた金竜飯店に入る。最初のぞいたときには誰もいなかったが、一回りして入ったときには特撮ファンクラブGでおなじみのかしわぎさん一行がいて、しかもシャオヤンロウを頼んだら、彼等も同じものを頼んで、それで品切れだった。うーん、やはり第一目標を立てたらそれに絞らねばならんのですな。

まあ、とはいえお燗した紹興酒でいい機嫌になって、ゆでギョウザ、かに豆腐など食べつつ、今日の作品の話、オタクな映画ばなしなど。飲み足りなかったので、まるさんは終電で帰ったが残りのメンバーでまた近くを彷徨、真希という蕎麦屋チェーンで焼酎と割子そば食べつつ、SFばなしなど。今回のSF大賞受賞作は何だっけ? という話になるが、『時をかける少女』も『アイの物語』もとっていない、ということしかみんな記憶にない。++ungoodさんがモバイルで
調べて、やっと『バルバラ異界』であったとわかる。

12時過ぎ、タクシーで植木さんと相乗り。ちょっと車中話したいこともあったのだが、距離近すぎて話せず。帰宅して、ネットのぞいて別段のこともないこと確認、寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa