裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

12日

木曜日

母さん、神社嫌だ!

正月からキリスト看板持って初詣での中に立ちたくないよ。朝7時起床。

昨日のバーバラとの会話じゃないが、ちょっと最近、精神的負荷が高いのであるが、それにも関わらず近来にない快眠であった。丈夫な男だな、しかし。

日記つけ、メールチェックし。9時、朝食。黒酢カルピスなるお歳暮にいただいた飲料、バナナ、リンゴ二切れ。スープをカップ一杯。自室で作業、『創』対談原稿手入れ。

前半部分は言い回しを少し訂正するくらいでよかったが、後半は“しゃべることはしゃべった”という感じで気が抜けたかグダになっていてちょっと手を焼く。

途中、阿部能丸くんから電話。『あ・うん』の芝居で共演していた長宗我部陽子さんが『猫三味線』を大変に気に入って、佳声先生にぜひお会いしたいと言っているそうだ。彼女は山田誠二監督にも気に入られ、次回の吸血鬼映画に女吸血鬼で出演するそうである。て、ことは私と共演ということになるな。

12時に完成、メール。家で弁当(ウナギの佃煮)使い、1時、渋谷の仕事場。
六花マネ、すでに“当然のごとく”そこに居て作業している。朝日新聞ベストセラー快読ゲラ、FAXされてくる。二行アフレ、削る。これもまた、神経的にどったんばったんしながら書いたにしてはまず読めるものになったと思う。不思議な話だ。

2時、時間割にて猫三味線製作委員会Sくん、エースデュースK社長。『猫三味線』DVD宣伝イベントの件で。T社さんが製作委員会に参加させてほしいと言っている旨を伝える。

これまでの参加各社がどちらかというと製作畑であり、いいものは出来たが今後“売っていく”ためには宣伝・イベント畑の専門家が必要であり、これは願ってもないこと、と意見を述べる。二人とも同意見。確かに製作時のイキオイに比べて、さて商品は出来たがそれをどう売っていくかの段階になり、どうも声が小さくなってきた感あり。

Kさんと個人的なつきあいがあって本当によかったと思う。テレビ関係への企画持ち込みにしても何にしてもまず、それをイベントで認知させてからでないとダメだし、やるからには大きなところと結びついて大きなスケールでやっていかないと売れない。

ここらへんについて意見を言うとSくん「おっしゃるとおりだと思います!」と、それまで(いろいろ悩んでいたんだろう)声が極めて小さかったのが、やっと雲が晴れたように大きな声になった。

やはり売っていくにおいても、総合プロデューサーとして私がリードとらないとダメか。仕事場へ戻り、六花マネとちょっと会議みたいな雑談。ネットで、演劇・文芸ストーカーの加藤康介逮捕の話題が盛り上がっている。

この人物、以前あぁルナティック・シアターの『バスキア』楽日に、橋沢進一さんが携帯で言いあい、怒鳴りまくっていた男である。あの時は“迷惑なキチガイはどこにもいるなあ”と眉を顰めていたものだが、今にして思えば貴重な瞬間を目撃していたのだな。ちょっと嬉しかったりする。

『pront pront』(プロントのPR誌)原稿を書く。ネタ+コラムで1500w。まずネタから、という話だったが二つに分けるのはめんどくさいので一編にやってしまう。電話、『FLASH』から、インタビュー依頼。中川翔子のブログについて何か言え、とのこと。ミリオン出版からは催促。楽工社Hさんからは渡したフロッピー、サルベージ成功とのこと。よかった。どれを掲載するか、打ち合せ。高須クリニックに六花からメールさせる。電話、内田春菊から。

ひさしぶりなこともあり、盛り上がって2時間話し込んでしまう。「最近の若いのはライターでもなんでも、向上心というか、絶対売れてやるという根性がなくてねえ」「あ、それタカヤマと同じだよ〜!」みたいな話で。いずこも同じか。

あと、女流漫画家のHが最近全然作品を描かなくなったのは、もともと遅筆で〆切恐怖症だったのが、超高収入の男性と結婚してしまったからだという。
「そういう金は創作の敵よねえ」
と二人、しみじみ。彼女の人間性をとやこう言う人は多いし、私もどうかね、と思うところがないでもない。とはいえ、こういう、自力でトップに這い上がってきた人間の話は絶対に、業界の人間、とくに若い人間には必聴であろう、とブジオの宣伝をしておく(笑)。

7時半、タントンマッサージで一時間揉んでもらう。今日の先生は(私はお名指しというものをしない。空いている時間にすぐ飛び込みたいからだし、いろんな揉み方のバリエーションを楽しみたいからでもある。ついでに言うと、以前新宿でいつも指名していた美人のマッサージ師が実は美人局だったと聞いて、被害には遭わなかったもののオゾ気をふるったせいでもある)ソフトな揉み方の人で、数回オチる。

それからタクシーで幡ヶ谷、チャイナハウス。名古屋から上京のゆめすけさんとぎじんさんをもてなすためだが、彼らは渋谷で志の輔の会に行っており、それがハネてからということなので先に行っておく。

植木不等式さんが来ていた。今日の原稿のこと、『創』の『テヅカ・イズ・デッド』批評のことなどを褒められて恐縮する。案外早めにお二人も到着、こないだも食べた山蘇と貝柱の炒め、真鴨と葱の炒め(まさにカモネギ)、黄ニラとベーコン、腸詰め、などなどで歓待。

自身料理屋の主人で大グルメのゆめすけさん、「定休日が同じなので永久に夢の店だと思っていた」チャイナハウスに来られて喜び、料理のひとつひとつに一驚していた。

中でも、犬肉をミンチした餡を使った中華まん“犬まん(植木氏曰く「白土三平のマンガみたいですね」と)”には感激、そしてどこだかから仕入れたという山椒魚のてんぷら(もちろん姿揚げ。手足もアタマもちゃんとある)には大驚愕していた模様。これは私や植木さんのような常連も驚愕。

ぎじんさんは写真撮影に忙しい。忘れないうちに、とお仕事の件での資料ビデオを渡す。例のところからはすぐ連絡あって今度会うそうだ。素早い。犬まんは甘味が強く体がホカホカしてきそうな滋味。山椒魚はエビとカエルの中間みたいな珍味であった。チャーハンとリーメンで〆。汁リーメンも久しぶりに。五粮液と蟻酒でこちらもちょっとフラフラ。マスターから犬まんをおみやげに貰ったが、これは名古屋のみなさまへ、とゆめすけさんに進呈。植木さんにタクシーおごってもらい(執筆者の先生をおくるわけですから会社からちゃんと経費が出るのです! と。実際は個人の御好意だろうが)帰宅。

いい友人に恵まれ、それが多く仕事に結びつく。何と幸せな、とときどき思う。超高収入の配偶者、というのにあこがれないでもないが。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa