裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

28日

木曜日

イスカンダルもしたけど、私は元気です。

 コスモクリーナーの宅急便。朝5時45分起床、ミクシィなどに書き込み。風呂に入り、7時35分に母の台所で朝食。アボカド半個、バナナ半分、カリフラワの冷ポタ。いろいろ週末にかけて予定つまり、イライラがつのる。気圧のせいもあり何やかんやあり。バス通勤、時間通りに来たと思ったらこれがかなり前のものが遅れてその時間に到着したらしく、やたら運転手が恐縮してあやまる。ピンとこない。乗客の中に、50歳くらいの、坊主頭の親父で、チョビひげを立てている人物を発見して、しばし見つめてしまった。チョビひげの伝統は既に絶えてサザエさんのマンガの波平にくらいしか残っていないと思っていたが。

 仕事場でまずメールやりとり、それから朝日ピンホールコラム執筆にかかるが、どうも気分が鬱々でネタをどうするかが定まらない。躁状態のときはネタはすぐ決まるが内容をまとめて規定の文字数にまとめるのが苦手になる。アイデア発案と執筆で、躁鬱をスイッチングできればいいのだが。昼飯(牡蠣の佃煮のオニギリ一個、納豆の パック)はさんで、やっと書き出す。

 3時半までに書き上げて、担当のIさんとデスクのOさんにメール。デスクの方にも送るのは、今日一日、Iさんが東京映画祭に張り付いていないとならないため。ひと息つく間もなく、時間割。携帯発信の方のコミビアの打ち合わせ。最初の企画者のNさんも来て、現在担当しているOさん、それから講談社Kさんと。以前の事業がNさんの方のトラブルで滞っている(発信は週一で継続)ものを、Oさんが引き取り、11月半ばくらいに再出発予定なのだが、それに関連しての種々の件の詰め。イケイケドンドンという景気いい話にはならず、現状の中でどのように最善を尽くすか、という話になるのはやむを得ず。その中でもやや、いくつかの点で前向きにやってくれる話が出たのはありがたい。テレビのコミビアコーナーのおぐりゆかの経費の件等。

 帰宅したら、まさにそのおぐりゆかからメール。返信したらすぐ、折り返しで電話よこした。番組についての連絡のことで、先日来、お互いの行き違いがあった件を、きちんと話す。あまりに私の方で、うわの空に対し身内意識を持ってつきあいすぎていたので、そこらへんで逆にこれまで、仕事としての一線を引くという努力を怠っていた。甘えが生じていたのだと思う。で、その補正は私の方で、彼女や劇団サイドに精神的負担をかけずに行うべきであった。自分で自分の態度や意識に大反省。とはいえ、こういう食い違いはときに表に噴出させなければ、人間というのはなかなかそこに正面きって取り組もうとはしない。無駄ではなかったと思いたい。おぐり、いっぱいの涙声で
「うや、わやうややややや、をやをやをや」
 と言う。何を言ってるんだかわからないが、もう、それでこっちはいっぱいいっぱい。キツイことをダイレクトに言ってしまったことを謝る。仮にもテレビでコンビ組んでいる子を泣かしてはいけない。日本全国の小栗由加ファンにも申し訳がない。今日、さっきの打ち合わせで彼女の出演に関する懸案が解消されたところであった。本来、そのいい知らせを伝えられる日であった筈だったのに。今後、あのコーナーをより充実させることで、このやりとりを無駄にしないようにしなければ。

 電話終わって、精神切り替え、雑務をかたづける。8時、帰宅、パイデザ夫妻と生田くんとで夕食。主賓の生田くん少し遅れるので、勝手に始める。アンチョビとラタトゥーユを乗せたミニトースト、ボルシチ、スペアリブ、トマトとモツァレラチーズのサラダなど、母が腕をふるう。石垣牛のことを母がちょっと口をすべらせたのをK子聞き逃さず、焼かせて出す。食い物に関しては一旦耳にしたものは逃さない女だ。気圧のせいかやたら焼酎が回り、またまた途中で失敬して、ベッドに倒れ込む。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa