裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

31日

水曜日

梅淋ギャル

 おまけにエイズ。朝8時起床。空はドンヨリ。トイレに入ると、昨日食べた鍋の味が、もういちど尻で感じられた。ヒー。朝食、田舎パンとチーズ。ソソクサと食べて仕事にかかる。Web現代からメール、明日の編集長との会食の件。編集長曰く“奥様もいらっしゃるなら雰囲気のよいところを”と、青山の高級レストランを予約してくれた模様。なんかカンチガイを(笑)。

 エンターブレインからはコラム原稿の指示。今日は海拓舎の方を優先して進める予定。なんか回しをとっている女郎のような気分なり。カリカリと進める。読売新聞の購読者用小冊子『ヨミー』(なんちゅう誌名だ)に、大島清教授による脳の健康の秘訣。なんでも、大事なのは“カキクケコ”なのだそうで、“か・感動”“き・興味”“く・工夫”“け・健康”“こ・好奇心”なんだとか。でも、こういうのって、病んだ結果としてなくなるものであり、ものごとに感動しよう、と念じてできるものではないと思うんだけどな。先日聞いたラジオでも、これからの経営者の資格はVSOPを持つことだ、と自慢げに言っていた先生があり、Vはバイタリティ、Sはセンス、Oはオリジナリティ、Pはパーソナリティとか言っていた。こういう、なにかにかこつけて条件を並べるのって、講演で受ける秘訣なんだろうが、さて、実際にそういう標語が役に立つかというと、極めてアヤシイ。だいたい、こんなものいくらだってこじつけでデッチあげられる。今日びの文化人の成功の秘訣はザジズゼゾ、なんてのはどうか。“ザ・雑学”“ジ・人脈”“ズ・ずうずうしさ”“ゼ・銭勘定”“ゾ・俗物 性”。うーむ、自分で書いてて、マジに心掛けよう、と思えてきた。

 K子に弁当。揚げハンバーグ。ハクション大魔王の好物だな。神田陽司師から、四月の五日、上野広小路亭を押さえたとの知らせ。さて、内容を詰めねばなるまい。昼飯はジャコ御飯で作った握り飯にミソをなすりつけたもの、小三ケ。死ぬ前に何を食べたいか、となったら、いろいろ迷い抜いた末に、案外、このミソムスビというところに落ち着くかもしれない。もちろん、温かい御飯で、おいしい漬け物を添えて。

 鶴岡から電話。『フーゾク魂』、やはり連載陣大幅入れ替えで、彼は切られたそうである。私の方にはまだ連絡ないが、大丈夫か? 鶴岡はそれで少し興奮状態。まあ雑誌というものはそういうことをやるものだ、と最初から思っておいた方が無難。私 も十年くらい前、スポーツ紙の連載を急に(しかも不人気とかではなく紙面刷新で) 予定の半分くらいで打ち切られたときは、イヤミったらしい文句を最終回の原稿に添えて編集部に送ったりしたものだが、ああいうことはせぬがよろし。しかし、つい、やってしまうんだな、これが。

 エンターブレインNくんから電話。ゴジラブロマイド本、宣伝のつもりで日記に書いたら、一行知識掲示板に変なレスがついちゃった、と言ったら、“いえ、そういうのも反応のひとつで、歓迎です”とのこと。ご立派。それから夜までずうっと海拓舎原稿。テープ起こし原稿をあちこちでつなげ、また切り張りし、その内容を敷衍し、資料を引き、最終的にはほとんど書き下ろしの原稿にし、という作業なので、出来た端から送っていく、ということをしにくいのが難点。ひとかたまりで内容が完結した ところをメールする。

 9時、ソバ屋『花菜』。いつもの板前のシマちゃんが昼の担当になって、別 の人が入っている。揚げだし豆腐(私の一オシ)、とろ落ち、太刀魚塩焼き、豚ネギ煮など数品。日本酒三合半ほど。シマちゃんの打ったうどんをゴマダレで食べる。コシが極めて強く、噛み切るのに苦労するほど。

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