裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

30日

月曜日

梅雨12歳

梅雨時分は湿気で何でもベタベタなので、洒落もベタ。

※『マジかも? ミステリーツアー』収録。

朝9時起床。
イベントの打ち合わせの夢を見るが、相手が女性なのに
風呂の中で打ち合わせをする。
エロ夢みたいだが、ごくごく普通に風呂に入りながら
ハダカで打ち合わせをしていた。

すぐ朝食の電話が鳴り、母の室で。
スイカ二切、ヨーグルト。
弁当をもらって、午前中は仕事、と思ったが連絡等、
雑用で時間とられる。
やっぱり最近ウッカリ忘れがはげしいな。

朝日『素粒子』の“死に神”関係記事を読むたびに気になるのが
“に”の字である。落語のタイトルもショッカーの大幹部も
“死神”表記のはずであるが、朝日の表記規定では“死に神”
らしい(ググってみたら“メード喫茶”みたいなものでは
ないか、という意見があって笑った)。
どうも“死に神”では腰が座らず落ち着かない感じがするのである。

入浴し、昼は弁当(ハンバーグライス)を掻き込んで、服を選び、
1時40分、家を出る。
交番前でオノと落ち合い、タクシーで砧撮影所まで。
車中、今後一週間くらいのスケジュールを聞き、
さすがにそれはまずいだろう、という話になる。
根本である原稿書きの仕事が一切できないほどの過密スケである。
とりあえず、明日の試写仕事を数日、先延ばししてもらう
ことにする。

まあ、時期が時期なのだろうが、テレビの仕事がラッシュ。
特番関係は今日ので今月2本目。
これが終わると来月はテレ東の『給与明細』、それから日テレの
『世界一受けたい授業』、少し間を置いてNHK−BSの
『とことんルパン三世』。もっとも日テレのは向うのイレギュラー
事故(?)で、収録がどうなるかわからず。

タクシー、運転手さんが、デンパ系ではなく単なる癖なのだろうが、
運転しながらずっとぶつぶつとつぶやいている。
ちょっと気味が悪い。しかもナビ使っているのに道を間違えて
日大商学部の前で降ろされる。
オノが商学部の警備の人に砧TMCスタジオまでの道を訊くが
「ここまっすぐ行くと右に曲るところがあるから」
という指示。ごくフツーに聞き流してしまったが、よく考えると
「右に曲るところ」
ってナンだ? という話になる。そこでは左に曲れないのか?
他の道は右に曲れないのか?
要するに自分で道を知っている人間にしかわからない指示なのである。
案の定ちょっと迷う。なんとかたどりつけたが。

TMC(東京メディアセンター)スタジオ、やはり収録ラッシュ時期
らしく、部屋案内の貼り紙に浅草キッド、中川翔子はじめ
タレント名がずらり。控室も畳敷きで洗面台、化粧前、洋服箪笥、
姿見など必要なものが揃っており、建物自体番組収録に特化されている
その機能性がまことに心地よい(テレビ局も特化されていると
思われがちだが、実はあれは一般の会社にスタジオが併設されている
だけのものなのである。だから控室が単なる会議室で、洋服掛けも
ない、ということがザラである)。
ウィキには、このスタジオがタレントに評判がいいのは立地的に
アクセスが便利だから、と書かれているが、そればかりではないと思う。

南海キャンディーズ山里、優木まおみ、FUJIWARAなど
出演者が次々挨拶に来る。藤井隆さんも来てくれた。ひさしぶり。
優気まおみは今、私のニンテンドーDSの雑学苑をやってくれている
そうである。こないだの『噂にならないトップニュース』でも、
松尾由美子アナが雑学苑プレイしてます、と言っていた。
業界人間で秘かなブーム、か?

番組内で流すビデオを見て、話す内容整理。
レポーターの一人に竹下登の孫のミュージシャン、DAIGOが
いるが、この人の“天然”ぶりにひっくり返って笑う。
いや、マジでこのバカ言語感覚面白すぎ。
見終わってメイクしていたら、その当人がやってきて
「DAIGOっス!」
と挨拶した。これをオノに話したら“キャラ決まりすぎです”と
身をよじっていた。

見終わって演出のディレクター、それから読売テレビの幹部の
人とざっと打ち合わせして収録。
セットがやたら派手なので驚く。
「完全に信じず、といって頭から否定もせず、ただ、それをどういう
風に受け止めればいいか?」
という説明役のスタンス。
これは私のスタンスとぴったりで、DAIGOじゃないが
キャラがハマっているので、話していても気分がいい。

FUJIWARAの、ネタのひっぱりはさすがで、
いかにも関西ローカル番組という感じ。
彼らも東京ではここまでやらないと思う。
船越英一郎さんもさすがの博識でお株を奪われる部分だいぶあり。
とはいえ、全体の番組自体、これが関西ローカルなのは
もったいないというくらい取材も力が入っていた。
しかし、やはり一番面白かったのはDAIGOのしゃべり。
よみうりテレビ系列で7月19日(土)15時半から16時55分
まで放送。

メイク落としに行ったら、藤井さんがメイクの子たちと何か話して
盛り上がっていた。乙葉という奥さんがありながらナンパか、
さすが芸能人と思っていたら全く違って、子供自慢なんだそうである。
携帯の待ち受け画面が自分の子供で、それをメイクの子たちに
見せて、カワイーイ、とか、今度私の甥っ子の写真持ってくる
からカワイイ勝負しましょう、とかで盛り上がっていたそうである。
うーん、いい人なんだなあ、と思う。
思えば藤井さんとは今度含めて四回ほどお仕事しているが、
最初の仕事のときに交際発覚、次の仕事で結婚、その次に妊娠と
トントン進んでいる記憶がある。メイクの子にそう言ったら、
「じゃあ、次にカラサワ先生とお仕事したら藤井さん、第二子が
出来ますよ!」
と。

メイク落として着替え。オノが
「あ、先生! ズボンに穴があいてます!」
と。見ると、右の尻の部分がスリ切れたようになって、
穴が開いていた。
かなり大きい穴だったが、上着でギリギリ、隠れる部分なので
気がつかれはしなかったろう、とホッとする。
が、なんでこんな穴が。
出るときからあいていれば履いたときに気がつくはずだろうし、
やはり4時間座りづめの番組だったんで、どこかにひっかけたか。
さっきスタッフの子とオノと、
「やはりテレビ専用衣装がそろそろ必要だねえ」
と話していたばかり。
しかし、穴が開いているとわかると気になって、玄関まで出たが
他の出演者にお疲れさまを言うのもちょっとためらわれてしまった。

実はスタジオスタッフのお一人が、ついこのあいだも
テレ朝の特番でご一緒した方だった。
終了後、わざわざ出口まで見送ってくださり、
「いや、二本続けてお仕事できてよかったです!」
と言ってくださった。ホントはもっと照れるようなお褒めの
言葉も貰ったが恥ずかしいので記さず。
いや、ありがたいことである。

タクシーで中野まで。
いくら楽しい仕事でも4時間半拘束はくたびれる。
中野で寿司屋にはいりお疲れさま。
背黒イワシの刺身、初ガツオニンニク醤油、貝類盛り合わせ
どれも美味く、疲れが毛穴から揮発していくような感覚を味わう。
またまたなんだかんだ話して、11時帰宅。
早かったが明日を期して寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa