裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

13日

金曜日

サタデー・ナイト・ビリーバー

普段はしがないオレでも、土曜の夜は銀河連合からのメッセージを受け取る
チャネリング・マスターなのさ!

※飯田公演打ち合わせ MCプレス打ち合わせ 三才ブックスブツ渡し 阿佐ケ谷ロフトAゲスト出演

また映画みたいな夢。
戦争が起り、日本各地が戦場状態になる。
ヤクザたちが、こういうときこそ、と、軍に協力して
ゲリラ戦部隊となって敵軍を撹乱。
その事務所では、みんな揃いのTシャツを来てがんばっている。
あるとき、勝敗を決する貴重な情報が手に入るが、
それを作戦本部にまで届けるには最も激しい戦闘が行われて
いる渋谷を突っ切っていかなければならない。
若衆頭がそれを引き受けて戦場を横断するが、
途中で負傷してしまう。
それを救ったのは二人組のコギャルで、
彼女らは渋谷で援交をしている最中に戦争が起り、
それ以来、戦闘を避けながら、ここに住みついているという。
若衆頭とコギャル二人の、奇妙な道中が始まる。

朝8時45分起床。
寝汗、下半身にかなり。
体がダルく、テンションあがらず。
好天気なのでおかしいな、と思うが、
考えるに、内に籠った風邪かもしれない。
かく汗があきらかに健康なときのものとは異る、
ベトつくイヤな汗である。

9時朝食、小メロン、バナナ半本。
日記つけ、原稿書くが進まず。
せめてトンデモ本大賞の後一週間以内に、一日でも
“何もしないで体を休める日”を作るべきだった。

古いDVDのチェックなど。
大変久しぶりに『鈴木タイムラー』の録画を見る。
コント部分、演出・演技はイッパイイッパイなれど、
台本はやはりノって書いたものだけあって、
アイデアがつまっている。
宮垣雄樹の出演する回がやはり最も決まっていて、
自分で書いたものながらバカバカしさに爆笑。

半年間で24回、月に4本づつ雑学コントの台本を
書いたが、導入部とオチに定型(いつものパターン)を作らない、
ということを自分に課していた。アシの子から私に話が
ふられたときに、毎回違った反応を見せ、ラストも24パターン、
オチの形を変えた。
宮垣出演の回はその変則パターンのクライマックスみたいな
回で、“トレード”というお題で、アシが私を紹介して、
カメラがそっちに行くと、そこには私とトレードで
番組にやってきた野球選手の彼が座っている、というもの。
撮影時、スタジオのスタッフも爆笑していた。

昼は自家製ローストビーフでサンドイッチ。
少しベッドに横になって読書するが、
すぐに頭がモーローとしてきて眠るんだか意識を失うんだかと
いった感じで寝入ってしまう。
もっとも、少し寝たおかげでいくぶん体調は回復した。
読んでいたのは、熊本大SF研OBのみなさんによる
過去のトンデモ本大賞(自主イベントとなって以降の)
レポート。非常に細かい記録であり、注釈も詳細、
読んでいて面白くてたまらない。

買い物するために早めに家を出ようとしたら、
ハッシーから“もう着きました?”と電話。
まだ4時15分じゃないか、予定は6時15分だろ、
と思ったら、こっちが16時と6時をカン違いしていたことが判明。
4時を16時と言うのは聞き間違いのないように、という
意味合いがあるのだろうが、メールとかで(しかも半角文字で)
読むと、6時と16時は読み間違いやすい……いや、やはりこれは
頭のボーのせいだな。

大慌てでタクシー新宿に飛ばし、なんとか10分遅れで
新宿ニュートップス。
ヒコクさんこと木下さんと、飯田公演打ち合わせ。
今回は初の顔見せ故にギリギリの予算の中での公演となるが
来年はぜひ、『御利益』公演を実現させたいもの。
その他、サイン会のことなどいくつか問い合わせ。

打ち合わせ終えて、今度は紀伊國屋前に行き、三才ブックス
Tくんと待ち合わせ。インタビュー原稿の図版となる
ものを受け渡し、ちょっと今後の予定の打ち合わせなども。
それからまたニュートップスにとってかえし、
MCプレスKくんと打ち合わせ。
Kくんまだ来ていなかったので、2階席も一応改めたが、
そこで声をかけられる。
石森史郎先生だった。
9月の公演も行きますよ、と言われて恐縮。

それからタクシーで渋谷事務所。
朝日のゲラFAXを確認、2ヶ所ほど赤入れて返す。
もひとつ朝日がらみだが、こないだ原稿を書いた『週刊昭和』
からまた、原稿依頼。こないだはウルトラマンについての
項目だったが、今度は仮面ライダーについて書いてくれとのこと。
ウルトラマンと仮面ライダーの両方の項目を事典で執筆
できるというのもなかなか名誉なこと。

その返事を書いたり、電話での荷物受け取り確認など
いろいろしているうちに出るのが遅れてしまう。
大急ぎで阿佐ケ谷まで。
マイミク江戸栖方さんの『B級映画つっこみフェスタ』、
こっちも10分遅れで会場に駆けつけるありさま。

酒徳ごうわくさん、伊東かんふーさん、EMUさん、
リタ・ジェイさん、OEさんなど、主催の小山さんとも挨拶するヒマも
なく壇上にあがり、トークを。
『ジェシー・ジェームスとフランケンシュタインの娘』
『トラック・オブ・ザ・ムーンビースト』
『ワイルドウーマン』『ドリラーキラー』『宇宙からの少年』
などのB級マニアック映画を紹介しつつ、それにつっこみを
入れていくという企画。

個人的には『ワイルドウーマン(The Wild Women of Wongo)』
の、“美人ばかりが住む島”“ハンサムばかりが住む島”という
無茶な設定と、ワニの帽子をかぶって踊り狂う女司祭、
どうみてもただのワニの竜神、いきなりコメディ調のラスト、
といった、非常にドウデモ感のただよう50年前の映画の
感じが好みだった。

他にも『ドリラーキラー』のいかにも70年代末の閉塞感と
社会派風に見えなくもない、弱者が弱者を襲うしかない
悲劇というテーマ、『宇宙からの少年(Teenagers From Outer Space)』
の、ロブスター怪獣ガーゴン(川柳川柳かいっ、と突っ込もうと
思ったが今日のお客はだれも知るまいと思ってヤメた)とか、
ラストの大笑いとか、反共ってテーマはやはりこの時代のSF
(1959年)には欠かせないのだなあ、とか、いろいろ発見の
多い会であった。いやあ、予想以上に楽しかったです。
次回は私の推薦する作品を持ってこよう。

江戸さんにお礼と、10月の件(まったくこういう企画とは違う
超アカデミックな場所で、しかしオタクな話をする)よろしくと
挨拶して、しら〜さんと少し大賞の件など、じげもんで焼酎飲みながら。
12時、タクシーで帰宅。原稿少しいじくったりして、
就寝は2時。

※写真は“毎日百万倍に成長し人を食う”怪獣ガーゴン

Copyright 2006 Shunichi Karasawa