裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

13日

木曜日

アサガヤ・クリスティー

在中央線女流ミステリ作家。

※神奈川新聞鼎談

朝9時、目覚めるが二日酔い頭痛。
入浴してアルコールを飛ばす。
朝食9時45分。野菜コンソメスープ、リンゴ、巨峰。
金沢Sさんより恒例の八番ラーメン届く。
これで年末進行を乗り切ろう。

日記つけ、幻冬舎のトテカワから来たYouTubeについての
質問にコンセツテイネイに返事をする。
で、そんなコンセツテイネイな教示でも教えられなかった、
おバカグループ“ブラッドハウンド・ギャング”の、ウェスタン的名曲
http://jp.youtube.com/watch?v=NHKdEdIDAuM&feature=related
↑『バギナ・ソング(アソコのうた)』

歌詞は以下の通り。
http://tinyurl.com/3xmrl4

Some of them are hairy        もじゃもじゃのもある
Some of them are bald         ツルツルのもある
Some are kinda scary         気味悪かったりするのもある
and this is what they're called... 人はそれをこう呼ぶ

(chorus)
Vagina...               バギナ!
Vagina....              バギナ!
They call that thing vagina....    人はそれをバギナと呼ぶのさ

Some belong to virgins        バージンのやつだと
They're really tight and strong   ホントに狭くて固い
But big or small, I love 'em all  でも大きいのも小さいのもみんな好き
That's why I sing my song      だからこんな歌を歌ってるんだ

(chorus)

Vagina!!!!!               バギナ!!

Some of them are smelly        中には臭いのもある
Like clams and fish and such      ハマグリか魚とかみたいに
Some smell like a summer's eve    あるいは“サマーズ・イブ”の臭いだ
Cuz they've been douched too much!!!!  洗いすぎるからだよ!

(chorus)
(chorus)

Nothing could be finer         最高の気分だよ
than to be in a vagina         バギナの中にもぐりこむのは
in the morning...            それも朝にね!

……バカだね。
ちなみに“サマーズ・イブ”は有名な膣洗浄剤である。
http://www.fuku-ya.com/se/1102776.html

あと、マドから同人誌表紙デザインが送られる。
なかなかの力作である。
しかし、今回の冬コミは自分のところの同人誌新刊2冊、
文サバ新刊の他にと学会、トゥーンズ・ガイド、ぶらりオタク旅、
特撮が来た! と、ずいぶん書いていることである。

弁当、ちょっと食べ損ねていたらもう2時。
サバ塩焼。ご飯の部分に、チズハムをかけて食べてみる。
うーん、これこれ、多少現代風になっているが、これぞ“洋風”。
食べながらも仕事続けていたら背中が鉄板を打ち付けられたように
痛んでくる。

3時過ぎのバスで渋谷。事務所には寄らず、タントンで1時間、
揉み込んでもらい、何とか事無きを得る。
肩のあたりから首筋がひどかった。

そこから歩いて渋谷駅、東急田園都市線にてたまプラーザ。
地図を自宅に忘れてしまったが道順は覚えていて、
迷わずに中華料理店『黒龍』にたどりつく。
神奈川新聞の人が表で待っていてくれた。
この店、雑居ビルの二階に、金属製の回り階段を
使って上がる。魔窟みたいな雰囲気である。

神奈川新聞の今柊二さんの連載『かながわ定食紀行』の特別鼎談。
今さん、しりあがり寿さんと三人。これは鼎談の二回目で、
一回目は紀田順一郎さんと小野瀬雅生さんだったそうだ。
しりあがりさんもちょっと遅れて到着。
テーマは“定食”、というか食について。
ちょうどチャーリーハウス閉店の話題があったのでまず、
それをふる。しりあがりさん、渋谷はいろいろ食べ回っているが
チャーリーハウスはまだ行ったことがなかったとか。
「ぜひ行かねば」
と言うので、せかしておく。

あとはランダムに、みな話題豊富で盛り上がり(まとまりには
欠けたがまあ、このメンツでは話が八方に飛ぶ方が自然)、
今さんと私が新宿の王ろじの話をするとしりあがりさん
「そうだ、明日新宿に行くんだった。これは食わねば!」
と。

この『黒龍』も、今さん言うところの“横浜中華「外」”の
名店で、なるほど、一般の中華料理店とは一味違うものを
出す。エビとキノコのココナッツフレークまぶしがおいしかった。
また、前菜のクラゲの酢の物に、
「非常に珍しいのですが、クラゲの赤ちゃんが入ってます」
と。食べるのが気の毒なくらい、かわいい子クラゲ。
終わって、駅までしりあがりさんと雑談しながら。
思えばしりあがりさんの作品を初めて読んだのは、大学のとき、
下宿から歩いて十分ほどのところにあった芳賀堂書店(作家に
なる前の出久根達郎氏のやっていた古書店)に置いてあった
多摩美大の漫研の同人誌に、氏が本名で描いていた漫画だった。
大学生活を、単純化した描線で、しみじみとした青春ものとして
描いており、なをきと二人、“この人いいよね”と言っていた。
後にデビューしたしりあがり寿が同一人物だと知ったときには
驚いたものである。

そこから東急線とバスを乗り継ぎ、帰宅。1時間強、かかった。
車中、堂本正樹『回想 回転扉の三島由紀夫』(文春新書)
読了。著者と三島の切腹ごっこなどのコドモっぽさに呆れる。
逆に言うとこれだけのことで社会規範から逸脱した退廃的選民の
意識にひたれるのだから、当時の知識人というのは幸せなことであった。
しかし、兄弟の契りを結んでみたり、二人でゲイバー通いを
していたりした関係であることは誇っていても、
堂本氏は自らのゲイは本書中ではカミングアウトせず、また
三島との関係も否定している。
そこらへん、読んでいていまいち、スッキリせず。
『憂国』撮影時の裏話についてはDVD『憂国』における三島自身と
プロデューサー・藤井浩明氏の詳細なる特典ブックレットの
文章があるので、あまり発見はなかった。

帰宅、明日のもんじゃ関係の連絡(つい、明後日と思っていた)
いろいろ。ホッピー飲みつつ、資料などあさる。
テーブルの上に積み重なっていた資料が崩れ、あちゃーと思ったが
その下から、無くしたと思っていたキーホルダーが見つかった。
声をあげて喜ぶ。1時半、就寝。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa