裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

9日

日曜日

晴男、雨男、雪男

実在が疑問視されているのはどれ?

※同人誌原稿 『創』対談 と学会例会

朝6時半起床。
7時から同人誌原稿チェック、書きたし。本来は〆切は昨日だったが。
入浴はさんでガシガシ書く。
9時、朝食。リンゴ、オレンジ各2切づつ。
さらに原稿引き続き書き、10時半までに何とかチェック終わり、
編集のマドにメール送付。

それやこれやで出るの遅れ、タクシー飛び乗って高田馬場、
ルノアール。『創』対談。
バーバラ来ていたが、岡田さん、下りる駅を間違えたとかで
30分遅れ。と学会例会が始まってしまう、とちょっとヤキモキ
するが、対談はヤバげなテーマをあえて取り上げて、
なかなか盛り上がった。
やはり岡田斗司夫って人間はオモシロイなあ。

そこから早稲田グランド坂まで行くが、昼飯を仕入れていないのに
気がつき、周辺でコンビニを探す。
ところがあのあたりにはコンビニというものがほとんどない。
しばらく歩き回って、やっとホカ弁を見つけ、かつめしなるものを
買い込んで、例会会場に。何とか前半に発表が出来た。

パソコンを使う人、ちゃんと書画カメラ用に資料をプリントアウト
してくる人など、発表形式も15年前とは比べ物にならないくらい
進化した。

懐かしネタもいろいろあったが、談之助さんが持ってきた
復刻版『チズハム』にはやられた。まさかこれが復刻されるとは。
名詮自性、チーズとハムが主材料のふりかけである。
おそらく昭和30年代のふりかけブームの中でも最もマイナーなものに
属するだろうが、実は私はこの『チズハム』(発売は昭和39年)
が大好きだった。オトナになってから味わうと(今回も味わったが)
どうか、と思うのだが、あの頃の子供にとってはまさに洋風の、
モダンな味、だった。人見きよしと白木みのるがコック姿で演じた
コマーシャルも憶えている。
原材料の表記を見ると“チーズ、脱脂粉乳、胡麻、食塩”などの他に
“こしあん”などというのがあってギョッとするが。
なお、味は“現代風にアレンジしおいしく仕上げました”とある。
余計なことを、と思うが、これがノスタルジーのブームに乗る
秘訣かもしれない。
「ノスタルジーとは個人々々による。主に美化された不正確な
記憶のことを言う」
(小野耕世の言葉から私がアレンジ)のであるからして。

ぴんでんさんが、しおやさんの形見として、アニドウの
『FILM1/24』を二冊、持ってきてくれた。
私はもちろん所持しているので、どなたか欲しいという方が
いらっしゃれば、ということで、一冊づつ、GさんとFKJさんに
差し上げる。二人とも大変に喜んでくれた。

その中の一冊、昭和五十二年十月二十五日発行(復刊十九号)
をぱらぱらと読んだら、裏表紙に富沢洋子さんが、こんなことを
書いていた。
「 私は、今のTVアニメの本当の視聴者である子供達の10年後が
楽しみなのです。案外、昔は良かったと言い出すのではないかなあ。
今けなされているロボット物なんか、その頃には商業主義も思い出に
美化されて、懐かしのヒーローになるのではないかしら」
予言、というべきか。ちなみにこの年に放映されていた
ロボット・SFアニメというと、『ザンボット3』『ギンガイザー』
『ガイスラッガー』など。ザンボットはともかく、ギンガイザーと
ガイスラッガーで“昔はよかった”とは、まだ思わないけれど。

あと、同号の読者欄に
「僕は、“怪獣ファンで、人形アニメファンでもって白蛇伝の好きな”
アニメファンです」
という自己紹介を書いている投稿者の名前が“原口ともお”。
昔のマニア雑誌を読む楽しみは、こういう人名を見つけだすこと。

他の人の発表を聞きながらかつめしを食う。
驚いたことにソースではなくポン酢をかけて、カラシでなくワサビを
つけて食べるカツであった。
5時半、終わって会場を出る。外はほぼ真っ暗。
開田夫妻、談之助さんとタクシー乗り合いで秋葉原万世まで。
こっちのダベりに初老の運転手さんも加わってきた。
二次会、珍しく会長も出席したので乾杯の音頭をとってもらう。
その会長とIPPANさん、しら〜さんと、来年の
イベントの打ち合せちょっと。

S井夫妻のメキシコみやげのテキーラ(虫入り、虫なし)を
いただく。明木先生によると、虫入りは精力剤なのだそうな。
あと、ルチャのマスクをみんなでかぶりあい。
かぶった上に帽子をかぶったら“似合いすぎ”と言われた。

ぴんでんさんは今夜の飛行機で帰博。
昨日、別の集まりに行っていて馬え田に来られなかった獅子児さん
を伴い、三次会は二日連続で馬え田。
すなむしさん、植木さん、しら〜さん、エロさん、あやさん、
それに二次会ですでにごきげんだったすなむしさんの友人。
ワイワイと。
豆腐のもろみ漬けで“とうべえ”というやつが珍味。
楊枝の先っちょにちょいとつけて味わうのだが、酔ったエロさん
がパクリと食べてしまった。みんなで
「とうべえか!」
とツッコむ。

それと溶岩焼き、滋味也。最近は幸永に行っても、赤身肉は必ず
桜ロースにしている。馬の焼肉のうま味を覚えてしまうと、
牛肉がものたりなく感じるのである。

1時近く、店を出たところで、“唐沢俊一さんですよね”と
声をかけられる。聞いたら“トンデモ本とか全部読んでいます”
というファン。それは奇遇な、今日はと学会の集まりなんだよ、と
言ったら喜んで握手求めてきた。
後でこの人からメールが来たが、なんと講談社のヤンマガの編集さん
だった。来年、講談社から本出す予定になってます、よろしくと返事。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa