裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

19日

土曜日

反対グルメ

最初に入った飯屋の親父が超スローモーなので途中で出て、次に入ったレストランの店主が凄まじく乱暴で……。

※神保町愛書会古書展 清水ひとみ『大女優宣言!』

朝8時起床。入浴してメール等チェックし、9時朝食。スイカとグレープフルーツ、ホワイトアスパラガスのスープ。

自室に戻って日記つけ。
昨日のYouTubeのネタを調べたり。
『ガンプラらき☆すた』つながりで見つけたロボットダンスでは
http://www.youtube.com/watch?v=J0pn815CCu8
↑これとか
http://www.youtube.com/watch?v=l882xbFywho&mode=related&search=
↑これとか
http://www.youtube.com/watch?v=jGWMWEcF4Rc&mode=related&search=
↑これがあった(これは短いけど↓が一番可愛い)
http://www.youtube.com/watch?v=Z4N7nH6RMNI&mode=related&search=
けど、やはり↓人間が一番凄い。
http://www.youtube.com/watch?v=HSoVKUVOnfQ&mode=related&search=
特に三人目。どういう骨格をしているのか。有名な人なのかな。

しかしYouTubeってのは魔法の鏡みたいなもの。昔惚れていた子の名をふざけて検索したら本当に彼女の映像が出てきて仰天し、せつない気分になってしまった。

このごろ、古書店に顔を出していない。探究書はあるものなら大体、ネット古書店で探し出せるからであるが、しかし、だからといって古書店に足を運ばないでいると、感覚が鈍る。自分にとって必要なものばかりでなく、一見必要でないような雑多なものの中から面白いものを探し出すアンテナ能力が錆びつくのである。

そう思い立ち、神保町へと地下鉄乗り継ぎ、古書会館愛書会古書即売会。まだ古書会館が改装される前からの受付のお姉ちゃんにカバン預けて。入ったとたんにいつもの情景。医学系のお色気随筆など、こういうところでなければ買わない本を数冊、ネタになりそうな古雑誌一束。時間が止まったような場所だが、それでもDVDのコーナーがあったのはやはり時代の推移を感じる。

出て、白山通りを歩く。いつもの店、顔出しだけ。とはいえ元気にやっているようでよろしい。
いもやで天丼。驚いたことに、この白山通りのいもやに通い出した頃の店長が戻ってきていた。新しい店長は店員に格下げ(?)されて、その下で働いている。何かあったか。新しい店長になって、天丼にツユをかけまわす器具も、ジョウロみたいにまんべんなくツユをかけられる仕掛けになったお玉になったのが、前の店長に戻って、普通のお玉に戻った。あれは店長のマイおたまなのか?

半蔵門線で表参道まで戻り、買い物少しして事務所へ。メールチェック、名古屋のA先生から、社会派くん号外、日記などの文章にお褒めの言葉いただき、意を強くする。

急激に眠気が襲ってくる。ゆうべから寝が足りていなかったせいか。事務所の床にタオルケット敷いて、抱きマクラで45分ほど寝る。昼寝から目覚めたあとの、あの独特の気分てのは何なのか。

起きて新宿へ。ゴールデン街劇場にて、清水ひとみの『大女優宣言』。行くとハッシーが来ている。列に並んで、いろいろな話。今日の共演者の一人である土井よしお氏とは、昔同じラジオ番組で共演していたとか。ホントに世界は狭いな。

喰さん来て挨拶。例のWAHAHAの“オトナのカリキュラマシーン”、間際になって日テレからダメが出て、ペンディングになっちゃったとか。その代わりか、マネージャーさんから喰さんとの対談(単行本用)を依頼された。

土曜の夜の部ということもあり、凄いお客数。満席どころではない、ギュウ詰め。早く来て椅子席に座れてよかった。桟敷席など、まっすぐ舞台を向いては座れず、ほとんど横を向いている人もいる。最前列の女性が、横顔がすこぶるつきの美形なのに、正面はなんということのない顔の人で、ちょうど私の席からは横顔がずっと拝めたので、開演待ちの間も退屈はしないですんだ。

で、『大女優宣言』。今回は勝栄特集ということなのでハズレなし、と安心。最初の二本は、すでに観たものなのでさらに安心。省吾さんのとコンタキンテさんの。はっきり言えばどちらも女性が書いたとは思えぬ下品なネタで始まる(省吾さんのが露出癖、コンタさんのがアル中スカトロ)のだが、それが下品でなく、良質のシチュエーションコメディになっていくあたり、大したもの。

省吾さんのパートは初観のときの印象が“ほぼ、完璧”というものだったので、今回はその追体験、という感じだったが、コンタさんとのパートは、今回の方がずっとよかった。この役は勝栄がコンタさんに当てて書いたという役で、最初に観たときは、コンタさんひとりが目立って、清水さんの印象が薄い感じがしたのである。まだ大女優宣言も二回目で、清水さんが遠慮していたか、あるいはコンタさんのパワーに存在を薄れさせられてしまっていた。今回はきちんと、清水ひとみ、コンタキンテと対等に芝居して彼を引っ張っていっている。ハッシーも同じ感想を言っていたので、
「清水さんが大きくなったってことなんだろうねえ」
と言ったら、ふむ、そういうことなのだろうなあ、と。

最後の一本は書き下ろし。土井さんのユニークな表情と、清水さんのセクシー(?)演技、ラストのどんでん返しが見物。シチュエーションは外国ものにあるような、浮気調査員と、その調査対象の男との話(どこかテアトルエコーの芝居を連想させる)。ちょっと粗削りっぽいところはあったが、やはり勝栄ものにはハズレがない。そして、衝撃の××シーン。あとで舞台挨拶のときに聞いて噴き出したが、清水さんのお母様がいらしていたとか。それを聞いて土井さんのあせること。

お客出ししている出演者のみなさんに挨拶。勝栄さんが省吾さんにダメ出ししていたが、予想していた通りの、タバコを指にはさんでバシバシ相手にものを言う女傑、という感じの人。
「省吾さ、(役の)名前なんだったっけ。ノボルだよね? うわ、コンタさんの役名とかぶってるよ〜。観ててギョッとしちゃった。情けない男の名前、ノボルにする癖があるんだよね〜、アタシ」
というのが聞いてて笑えた。

そこから、ハッシーとどこかでメシでも、と新宿にさまよい出すが、土曜の夜で、どこもすごい人出。ちょっとさまよった後、じゃ上海小吃で、と。ここも満席で、離れの方へ。驚いたことに、さいとうさんが、やまけんさん、それと『ロードス島戦記』の作家である水野良さんといた。合流して、ワイワイ。

水野さんと、山本弘氏ばなしでちょっと盛り上がり、それからオタ話、世代ばなし、先日のネイキッドでの乾ちゃんと二村さんのトークばなし。例の洗脳されちゃった人物の話、やまけんにしようと思ったら知っていた。業界でもちょっとウワサになっているらしい。さいとうさんについて、あと、凄いカン違いで思い込んでいたことあり、申し訳なくも大笑い。途中でさらに一人、ライター兼イラストレーターで会社社長のH氏ことT氏も加わり、紹興酒際限なくお代わり。支払い時に、なんとT氏が顔合わせの記念にと全額支払ってくれた。そういう義理もないのに申し訳ない、と思ったがこちらのファンらしいので。

ハッシーとタクシー相乗りで帰宅。彼と飲むといつでも午前様なので、今日は“行きますか”となったときに
「今日はちょっとだけ、で」
と言ってあったが、見事な午前様、どころか帰りついた段階で3時半。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa