裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

25日

金曜日

便秘でいるか、痔には慣れたか

避妊はできたか 産気はないか……

朝8時起床。夜中の3時から4時ころにかけてノドが苦しくなり、ゲホゲホいい通し。不思議に1時間ほどでピタリとおさまる。入浴、日記つけ。9時母の室で朝食。昨日届いた燻製シートを渡す。ホワイトアスパラガスのスープ、梨とブドー。

12時にTBSで『ポケット!』収録なので、持っていくCDを物色するがいいのがなし。今日は関敬六氏追悼をやりたいので、ぜひ『スーパースリー』がほしい。少し早めに出て事務所に寄っていくことにする。

タクシー、ひさびさに無愛想な運転手。いらっしゃいませもなく、道を告げてもどのルートにしますかもなし。で、彼が選んだ中野通りが
馬鹿混みだったので遠慮なく後ろの席でブツブツ文句を言う。

事務所で無事CD確保。講談社モウラからゲラチェック来ていたので
超特急で赤入れしてファックスで返信。飛び出てタクシーまた拾う。
今度の運ちゃん、青臭い政治批判を一席ぶち、なんとかこっちに同意させようとしてくる。猪口才な、と思いいちいち論破するうち黙ってしまった。

10分遅れでTBS、いやいやすまんこってすとスタジオ入りするが、
まだ海保アナが(珍しいことに)来ていない。どうも、今日の予定をすっかり忘れていたらしい。I井君が電話かけて問い合わせていた。
しばらくするうちやってきて、
「あ〜、電話くれてよかった〜、でないとあたし、今頃プール行ってた」
とのこと。放送なんてなんともあやういバランスの上で成り立っているものですな。

今日は一本録り。お題は“ティッシュ”。どうしてもエロばなしに傾く。が、海保アナも最近は負けておらず、自分からそっちの方に話をふったりする。話があっちへ飛んだりこっちへ飛んだり。なかなかスリリングで力の入った回になった。

I垣Pから改めて話あり。まだ公にはできないが、へえ、という感じの話。あの人やあの人と並ぶことになり、しかも、という構成。これはかなり気を入れてやらねばなるまい。

終わってまだ2時の赤坂を、日光の似合わないメンバー(私、オノ、I井、イニャハラ)で、小じゃれた喫茶店に入り、そこのランチのオニオングラタンなど食べながら打ち合わせ。“水淹て珈琲”と書いてあって、なんて読むのかわからない。訊いたら“みずだてコーヒー”だそうな。

3時15分、みんなと別れてタクシーで東京駅。4時3分初新大阪行きの“のぞみ”でK子と待ち合わせ。これから大阪で鯨三昧である。仕事々々に追われる毎日、たまにはゆっくり大阪で夫婦で食事もいいだろうと思ったのだがなかなか休ませてくれず。車中でガス・エポック原稿一本書き上げ、編プロにメール。さらに携帯で講談社モウラと打ち合わせ。なかなか凄い仕事ぶり。とはいえ、無事済んだ。

新大阪に6時40分着、定宿のスイスホテルに投宿。またここ、経営が南海に変わり、鍵がカード式に変わった。荷物だけ置いて、すぐに出て、宗右衛門町の鯨料理『西玉水』。ひさしぶりである。大将と話しながら、あとは口中の快楽に身をまかせるまま。

・ 冷やしお吸い物(ジュンサイ)。
・ 鱧のお造り。
・ イワシクジラのお造り。
・ 松茸土瓶蒸(鱧入り)
・ 鮎塩焼き
・ 鱧の子、浮き袋の煮物
・ 鯨ベーコン
・ 生さえずり
・ さえずりと大豆の炊き合わせ
・ 泉州鍋(鱧とタマネギの鍋)
・ ずいきの胡麻酢和え
・ はりはり鍋風お椀
・ すいかゼリー
……という豪華版。いや、読んで呆れるかもしれないが、実際、この店にくるお客さんでも、私たちくらいよく食べる人は珍しいそうだとはいえ、鱧と鯨、両方あったらどちらも食べずにはいられない。ことに鱧のお造りは舌が勝手に踊りだすくらい味わい深い。鯨はまた別のうま味、ことにさえずりは言語に尽くしがたい。ただしお値段も相当なもの。K子がそれでも文句ひとつ言わないところから、ここの味の
凄さを伺い知るべし。

お腹が相当に苦しくなり(当たり前だ)、腹ごなしに難波まで歩いて帰る。メールチェックなどするが大したトラブルもなし、とにもかくにも寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa