裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

5日

土曜日

昔、そにありける。

ますから、あいらいんなど、いみじうコスメいたしたれば。

起床8時。起きたときから頭がボーッとしている。どんなに体に無理しても仕事はきちんと、と思ってやってきたが昨日で限度。今日は体休めることに専念。

9時朝食、スイカ、バナナ、スープ。
母が煮物の出しに“くろぶし”がないか、と訊いてくる。北海道人ならなじみ深い名称だろうが、ホタテの燻製。ただし貝柱だけでなく、ヒモも内臓も含めて丸ごと燻製にする。ネットで検索してみたが“くろぶし”“くろぼし”ともにさっぱりヒットしない。“黒干し”で検索すると、水産会社のものがヒットしたが内蔵で以前貝毒の中毒事件があり、黒干しは規制されたという記述があった。現在は白干しが普通、とある。白干しと黒干しと、どう違うのか、とりあえず白干しの帆立を通販でちょっと買ってみる。

頭に紗がかかったようで思考が出来ず。日記は書けても、タイトルのダジャレが全然思い浮かばず、ベッドで横になって考えていたら少し寝てしまった。石原伸司さんから電話、本が出てサイン会に200人から人が集まってテレビの視聴率がよくてと凄い報告。はっきり言えばもう私なんか頼らないでいいですよ、と言っておく。

K子とコミケの算段。
『Bの墓碑銘』、文字ばかりの本だし私は500部と注文を出していたのだがK子が1000部刷った、と言う。強気だなあ。値段とかの設定が難しい。うちやと学会は評論ブースでは売れる方だと思うが評論本というのはかなり売れてもやはり700〜800が限度ラインである。とはいえ多く刷ったから値段を下げるというのは効率が悪い。所期の値段設定で押し通すか。

猫三味線のDVDチェック見。新企画の準備もせねばと思う。
あちこち見回ってるうちに見つけたんだが、
http://omomani.blog53.fc2.com/blog-entry-1232.html
2005年1月の開催だったな、これ。まだ去年のあたまのことでしかないんだが何かはるか昔のことのように懐かしい。去年はいかにいろんなことがあったか、ということである。まったく怒濤の展開だった。

本日の『ポケット!』の挨拶文書く。
新刊数冊持ってベッドに。チラ読みしたきりで後はまたグー。6時まで寝てしまう。夢で、オリンピックのような大規模なスポーツ大会で、天井の高い競技場の天井近くに、競技場を横断するような細い橋がかけられ、その上で男2人が両側から走り寄って、中央で落っことし合いをする競技の取材をする。

今夜はK子、パイデザ夫妻、オノマド夫妻を連れてひさしぶりに『おれんち』へ。7時20分東横線改札集合時間厳守、とオノにメールしたのだが、例によって雑用いろいろしているうちギリギリになる。タクシー拾って、まさにギリギリの時間で渋谷着。

6人でおれんちにおしかけ、店でさらにrikiさん、みなみさん、モモさんと合流。サミュエルスミスのスタウトをお母さんすぐ出してくれる。乾杯し、ぼんじり唐揚げ、燻製盛り合わせでまずうなる。続いて出た白レバと赤レバの二色の刺身盛り合わせでパイデザのめぐみさんとオノが声をあげる。

あとは地鶏の脚、胸肉、旬のサンマ、真鯖と胡麻鯖の二点盛り、クジラ皮の酢の物(絶品)、土瓶蒸し(大人数なのでソバ湯の湯桶で供される)、お造り盛り合わせ(アオダイ、生しらす、ツブ貝キモ、水ダコが特に美味)、日本酒『開運』一本あけてがぶがぶと。

それから煮こごりの盛り合わせ。アマダイのものがやはり他と隔絶のうま味。途中でまたアラのお吸い物、体の中が洗われる。キュウリに味噌をはさんだ一品が出て、この味噌が逸品だったので訊くと、冷や汁用の味噌だという。冷や汁があるのか、では是非にもと頼んで出してもらったがいや、夏の滋味也。
「家でも冷や汁くらい作れるんだけど、作るのにほぼ半日かかって、食べるのは一瞬だからねえ」
とみんなでぼやく。さらに手打ちそば食ってもう、満腹。

10時半にお開きの予定がやはり11時過ぎてしまう。駅までの15分かかる道が短いこと。みんなで口腹の幸せを語り合いつつ乗ると各駅停車も早く感じる。中目黒でわれわれとパイデザは降りて、タクシー。帰宅、風邪グスリ二種飲んで寝る、というより倒れる。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa