裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

12日

土曜日

ゆりかもめとあまんじゃく

ある夏の日、ゆりかもめがいつものようにおたくを乗せて運んでいると、そこへあまんじゃくがやってきました。

朝8時起床。目を覚ましたのは7時だが、今日は朝食を自室でとるのでずっとベッドでゴロゴロ。風邪が長引くのも何も、疲れからくるのか、やたら寝られる。しかし今日の眠いのは気圧のせいかも知れぬと思う。昼過ぎから大雨、との予報。コミケ、大丈夫だろうか。

目が覚めて入浴してもなお、ゴロゴロ。いかん、どんどん自堕落になる。朝飯も、面倒くさいなあ、と思っているうち、11時過ぎまで食べずにしまう。冷蔵庫から、長野よりいただいたモモひとつ出して、皮をむいて丸ごとかぶりついて朝食代わり。

このままダラダラしていてもいけないと思い、12時ころ家を出て、地下鉄で赤坂見附まで、そこからタクシーで神保町。資料を探しに書泉グランデ。さすがにほぼ、欲しいものが揃った。白山通りもちょっと冷やかし、いもやで天丼。ちょっと風邪腹にはもたれる。子供連れ(小学1年くらいの女の子)で入ってきた客がいたが、職人さんがその子に出す分だけ、イカ天を包丁で三つくらいに小さく切って、噛り安いように(噛ったとき、熱くないように)していた。こういう心配りがこの店の人気のポイントであろう。

半蔵門線で表参道まで。そこからタクシーに乗るが、乗ったとたん、ドッと大雨。雷も鳴り出す。ちょうどコミケ2日目撤収時間か。事務所に雨宿りのような感じで入るが、急激に眠気に教われ、仮眠用和室の布団でグアッ、という感じで寝入ってしまう。気圧の変化のせいだろう。目が覚めると、気分では2〜3時間も熟睡したというような感じで、しまった、待ち合わせの時間をしくじったか、と飛び起きるが、窓外はまだ明るい。雨もすぐ止んだようである。結局、4時半まで寝ていた。

起き出して、仕事いくつか。『ポケット!』の挨拶文書き、それから福井講演で使う画像資料製作の指示を作り、オノ経由でマドに送る。
終って待ち合わせ場所に行くべく外に出る。雨上がりの空、美し。

タクシーに乗って新宿。運転手さん、カミナリが秋葉原に落ちたという話をして、
「やっぱり、ああいう電気の充満しているところにはやはり落ちやすいんですかネ」
と言う。別に電気街だから電気が充満しているということはないだろうが……とあやふやに答える。

早くついたので、伊勢丹地下で医薬品を買う。ノドに塗る消毒・殺菌薬、駆風解毒湯のトローチ、それから栄養剤。食料品売り場をウロウロしていたらK子とばったり。喫茶店に入って少し話す。

神戸からコミケ上京してきた金成由美さんとその友人のSさん。それとI矢くん、のび太くんにわれわれというメンツで伊勢丹裏手にある、小さなビストロでコミケ前夜祭。カウンター席と、テーブルが3席くらいという、小さな店である(われわれがついたテーブルが一番大きい)。フランス田舎料理の店、だそうで、K子のリクエストでウサギ料理を出してくれるそうな。

久しぶりの金成さんと、亀田親子ばなしをしながら、オードブルはパテのパイとイカ(2人に一皿ずつ出て、途中で皿を取り換えてください、というところも家庭的)、ガーリックトーストを浮かべて食べる魚のスープ(なかなかのもの)、中休みにジン入りのシャーベット(ややジンきつすぎ)、ウサギの卵ソースかけ(濃厚。ウサギ肉はちょっと硬いが、そこが野性味あってよし)、デザートに焼いたカスタードとスフレ。風邪っぴきとしてはちょっと重かったか。健康なときにもう一度試みてみたい店。

ガイジンのボーイフレンドと一緒に、途中で入ってきた女性客がいたが、そのカッコがまあ、ワンショルダーのシースルーで、下着(しかも黒)が透け透けである。私の座った席からはどうしてもそっちに目が行き、視線のやり場に困った。しかし感心するのは、そういうカッコの女性の顔というのは、見事にそういうカッコに合った顔をしているということである。顔まで視線のやり場に困るほどなスケベな顔であった。いや、そう見えるのはオマエの心のせいだろうと言われるかも知れないが、会ってみればわかる、本当にスケベ顔な美女だったのであるからして。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa