裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

24日

木曜日

真田だけが生きがいなの忘れられない

幸村フリーク。

朝9時起床、朝食を9時半にしてもらい、入浴。ノド、まだ本調子でなし。どうしたって使う部所だし、なかなか休ませられない。

9時半朝食、アスパラガススープ、梨、ブドー。今日も予定ぎっしりであり、充実と言えば充実。うんざりと言えばうんざり。

原稿書きにしばし没頭。
関敬六氏死去の報。“だどゥ〜”のセリフで、子供の頃からおなじみの顔、おなじみの声。ハンナ・バーベラはじめ海外アニメの吹替えでもおなじみで、『スーパースリー』のコイル、『宇宙忍者ゴームズ』のガンロック、『銀河トリオ』の……なんていう名前だったか忘れたが、拳を巨大化させて敵をぶっとばすという凄まじくダイレクトな怪力ヒーローなどを演じて(いま、検索してみたら“ガッツマン”という名前だったそうだ。全然覚えてない)いた。三才の子供から、明日死ぬおじいちゃんまで笑わせて本当のコメディアン、とはよくダーリン先生が言う言葉だが、それを体現していた人だった。

後に浅草軽演劇の灯を守ろう、と関敬六劇団を旗揚げしたがこれは結果としてどうだったか。その思いには非常にシンパシーを感じたのだが、ビートたけしが
「関さんのやっていることは浅草からかえって若者を遠ざける
結果しか招いていない」
と言い捨てていたのが頭のすみにひっかかっている。その後、現在まで続くノスタルジー・ブームに乗れば、また違った結果が出たのかも知れないが……遅すぎた感あり。

弁当使う。今日は焼き肉がお菜。母に頼まれていた燻製シートが届く。2時、事務所行き。打ち合わせと原稿。3時、時間割。杉&鉄の事務所M社長と打ち合わせ。こちらから『猫三味線』さしあげ、向こうから『刑事クラ』いただく。『刑事クラ』のオビ文は私の書いたものである。アホな文句だがあちこちで評判いいとか。

いろいろと打ち合わせ。ラジオのこととか。しかし、この『刑事クラ』発売の販促で9月から全国を回るようで、あっちとこっちのスケジュール合わせが難しい。来年はコラボでライブをやりたいものである。

仕事場に帰り、とって返すようにして5時、今度は東武。久しぶり、トテカワYさんと新書の件、打ち合わせ。何とか幻冬舎新書刊行の最初の予定に入れたいという。がんばろう。あと、『神聖喜劇』の私が解説を書いた卷もいただく。主人公の記憶力に焦点を合わせた、異色の解説になったようである。

それ終ってまた事務所にトンボ返り、オノと一緒にタクシーで新宿ロフトプラスワン。『文筆業サバイバル塾プレイベント』。
果たして客が来るかと心配だったが、予約でもう60人以上あったそうで、実際見てみると100人近くが入る盛況。驚いた。斉藤さん、カメラマン大内さんなどと雑談。斉藤さんから『クラッシャー・カズヨシ』のCDいただく。

アスペクトKくんや三才ブックスTくんIさん、白夜書房など、編集者の人たちもたくさん来てくれた。とりあえずバーバラと壇上に上がり、『文サバ』の趣旨と、どんなことをやるか、ということを実例いくつかあげながら話す。ドッと笑いも来るが、笑いながらも真剣にメモしている。録音やビデオ撮影までしていたようだ。実名あげたライター諸氏、ご容赦。

珍しくほとんど1人で話すイベントとなったが、ノリとまらず。間に休憩はさむのも、斉藤さんからメモが来てやっと、という感じ。文サバ授業予約も順調に集まり、さらには物販で持っていった『Bの墓碑銘』10冊もアッという間に売り切れて、オノが“もっと持ってくれば!”と惜しがっていた。

後半も前半とほぼ同じ。私の処女作の文体と、それまでいろいろあったドラッグストア雑学本の文体比較もやり、自分の文体を決定することの大事さなども話す。プレイベントとしては成功だったのではないか。あっという間に10時半を過ぎ、わがおしゃべりに呆れる。来場者の方々からいろんな質問を受けた。

K田くん、しら〜、T田くん、Iさん、オノ、大内さん、バーバラ、それに斉藤さんで『青葉』で恒例打ち上げ。今日は私のトークは珍しく基本ローテンションのものだったようで、腹が減ってばくばくという感じで食事をした。T田くんの報告でちょっとそれはいかがなものか、ということあり、いろいろと考える。タクシーの中、オノとずっとその話。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa