裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

28日

日曜日

トイフェス会場に逃避、の記

朝7時起床。肩が凝って起きるというのはどうなのか。しばらくするとほぐれてくるのだが。記憶にないがイヤな夢でも見ているか?9時朝食、梨とバナナ、スープ。気圧のせいか夏バテか、とにかくダルい。

日記などつけ11時、タクシーでお台場ビックサイト。コミティアでにぎわう東館をちょっとのぞき、トイフェス会場の西館へ。事務局控室でNくんと。座り込んでしばらく馬鹿ばなし。逃避である。今日も実はジオサイト行きたくないのである。会場ぐるりと回る。

いろいろ出物はあるがとにかく高い。高くなった。小さいもの中心に買うが4、5万が財布からあっという間に消えた。なをき夫妻に会う。楽屋に戻ってまた馬鹿ばなし。『スター・ウォーズ』のことで兄弟で盛り上がる。
「モフ・ターキン出てきたところで全部許したよ、オレは」
と。兄弟で似ているなあ。

とにかくイベントがひっきりなしに行われている。B級アイドルから大物タレントまでさまざま入り乱れている状況がおもしろい。宮内洋氏はさすがの貫禄、アマゾンの岡崎徹氏はファンの前に姿を現すのはひさしぶり。Nくんと岡崎氏の失踪の理由について、などヒソヒソ。

フィギュア王に連載していた漫画家の若尾はるかさんなどとも話す。トイフェスは第一回から来ているが、当初のトラブル続出にくらべると昨今は静かなもの。とはいえ、苦情や事故などがいくつも飛び込んでくる。サイン会の整理券が手に入らなかったという苦情(ファンなら前もって調べろよ)から、写真撮影の際に殴られたから警察に電話したいというもの、さまざま。

木原浩勝氏は息子さん連れてきて私と握手させ、
「な、よかったろ、オレと一緒だと有名人にあえて!」
などと自慢している。親父の権威を示す方法もいろいろあるもの。会場また回る。
『魔神ガロン』のブリキ製のゼンマイ人形。

形状はとてもガロンとは見えないものだが、胸のところを開けるとちゃんとピックの絵が描いてある。値段を見ると48万円!!!売る気がないのか、この値段で買う奴がいるのか。山口A二郎氏と連れ立って外に出る。

『Pマン』次回作の予告編に特別出演。海をバックに立ち、科学者の役で一言、セリフを言う。思えばPマンとのつきあいはフジBSの『コンテンツ・ファンド』以来であったな。Nくんと今後の仕事の話なども。しているうち六花マネから電話。
今日はもうジオサイトいかない、と伝える。これでちょっと気が楽になった。なにしろ行列が4時間待ちとかである。出演者だからと言って楽屋口があるわけでない。行列に割り込むことを思っただけで荷ィである。会場で実相寺監督、加藤礼ちゃんに会う。話をしてるうちに
「今日、これから河崎実なんかと飲むんだよ。一緒に来なさい」
とつかまる、いや、その、お誘いを受ける。

ワシントンホテルのレストランで飲み会。
オタばなしに興ずる。メンバーの中に音楽家のF氏がいて、彼は浜田省吾のバックで演奏し、音楽プロデュースもしているミュージシャン。だが凄まじいオタクで、伊福部昭を大リスペクトしているという怪獣映画マニアでもある。
「伊福部先生はワーグナーが大嫌いなんですけど、『わんぱく王子の大蛇退治』のメインテーマなんか、モロ、ワーグナーなんですよねえ!」
なんて話題で大盛り上がり。

実相寺監督、今度メトロン星人をリメイクするとか。また監督が久々に佐々木守氏と組んだという、これもリメイク作品の企画ストーリィを見せてもらう。とてもリメイクとは、また特撮ヒーローものとは思えぬ話。礼ちゃんは読んで
「素直なリメイクにした方がいいんじゃないですかねえ」
と意見を言って佐々木さんににらまれたそうな。礼ちゃん、また韓国行こうよ、と言う。あの犬料理屋の味が忘れられないのだそうな。片平くんに訊いてみるか。他に、河崎監督の某作品の共同監修を実相時監督と勤めることに。オタクの縞は洗っても落ちない。6時、辞去して渋谷へ。

原稿少しやる。夏バテ、肉体はいいが精神にまで達するとちょっと問題である。なんとかしよう。

10時、帰宅。
家でメシ。枝豆、梅干しおにぎりなど。

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