裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

9日

火曜日

気圧で仕事できずの気

寝床で開田さんの夏コミ同人誌『ローレライ』など読む。私の文章はかなりトンデモで、まあそれを狙って書いているので面白いと思う。
神野オキナ氏の、“傑作は状況を変えない。状況を変えるのは傑作の後に続くヒット作だ”の一文に感銘する。メールいくつか。
9時朝食。モモとバナナ、コーンスープ。
母の顔のヤケド、見ると傷ましいがついた理由がオッチョコチョイで、あまり同情できない。フライパンで炒飯を作っていて、飛び出た御飯を拾おうと熱いフライパン手にもったまましゃがんだら、顔は下にさがるが本能的に手はパンの中のものをこぼさぬように高さを保とうとし、両者の距離が必然的に近付いてフライパンが顔にくっついた、というもの。
京都撮影の件でSくんから連絡、その件で出演者たち、また梅田佳声先生に連絡。
やはり私はコミケ後に京都直行となりそう。
『社会派くんがゆく!』最新対談に手を入れる。ページ枚数にして、さて、60枚はあるか?出がけに雨がポツポツ。あわてて傘を取りに戻る。気圧乱れそうで憂鬱。
『週プレ』『アサ芸』店頭で確認の上出勤。
メシを食って、それからFRIDAYコラム。
京都の山田さんから電話、
「まず、吉報から。お送りいただいた撮影台本のシーン、ひとつ除いて全部撮影可能になりました。スタジオも押さえました」
とのこと。ありがたい。
もちろん吉報ならざることもあるのだが、まず、撮影に差し障ることはなさそう。むしろ撮影日に三日とったのを京撮側は
「一日でとれるんちゃうか」
と言ってるそうだ。
いや、そりゃこっちがバテます。それにしてももう数日後なんだな、クランク・イン。嵐に巻き込まれているよう。それでもなんとか進んでいるのはスタッフ、キャストとも猫好きが揃っているので猫の神様が味方してくれているかな、という感じ。
またSくんから電話、こっちからも電話。
だいぶ盛り上がってくる。しかし体調は盛り下がってくる。気圧不調のせい。頭がまるで働かない。
ラジオライフ原稿、デッドラインだということはわかっているのだが脳に血がいかない。せめてなにか仕事を、と幻冬舎『裏モノの神様』文庫ゲラチェック。はるか前の単行本(99年)という感じ。
時代的なズレが出ているところは全て(初刊行時のママ)で済ます。
それにしても、ゲラが単行本のオールコピーというのが凄い。装丁が同じ井上デザインだからできることである。
6時、担当Y(トテカワ)さん待っているがなかなか来ず。20分に電話で、時間割でお待ちしてます、とのこと。あわてて飛んでいき、チェック入れたもの、渡す。少し雑談。
Yさん、最近、他社の編集さんなどと会うと、相手が私の日記を読んでいて“ああ、あなたが(とても可愛い)さんですか!”とか言うので恥ずかしいそうである。
仕事場にかえり、ラジオライフ、ここまで書き上げたものを読み返すがやはり体調・頭脳ともに動いてないということがわかる原稿。全部廃棄。
7時、青山へ。青山劇場の前で某国営放送Yくんとその奥さんと待ち合わせ。
Yくんが赴任先の新潟から休みをとってこっちへ帰って(帰ってと言っても二人とも故郷は関西なのだが)いるので、お食事を、ということ。
最近有名になってしまった(花まるマーケットで取り上げられて以来?)青山『もくち』へ。
奥さんに会うのは何と8年ぶりだが、お人形みたいな美人であることは変わらない。変わったのは性格で、はっきり言えば8年前に会ったときはおとなしい、上品ないいとこのお嬢さんというイメージだったのが、よくしゃべる、快活な、大変魅力的な奥さんになっていた。
出てくる料理一品々々について板前さんや店員さんに質問し、おいしい、と声をあげ、お酒をいろいろ試してみて、何かほとんど今日は奥さんの方と話していた感じ。Yくんは仕事疲れ、田舎疲れということもあるだろうが。DVDの特典映像のナレーションをお願いしようかと思う。
刺身盛り合わせ、夏ガキ、いぐさ鍋、わさび釜飯。わさび釜飯はここで覚えて自宅で再現したものだが、わさびの質が家でやった方がずっといいこともあり、我が家の方がすでに上。
日本酒かなりいってしまい、酔って帰宅、シャワー浴びて寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa