裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

3日

日曜日

ホリエモンゲットだぜ!

 そう言えば体型はピカチュウ。朝7時起床、入浴、朝食。リンゴとバナナ、タマネギのカップポタ。ローマ法王ヨハネ・パウロ二世死去。朝刊ではまだ間に合っておらず、“危篤状態”とどの新聞も。だからネットに印刷媒体はかなわない、とも言える し、これくらいのラグがあった方が世の中楽だよ、とも言える。

 初めての非・イタリア系の法王(正しくは教皇、らしい)だった。ポーランドで、彼の出身地クラクフを訪ねたときは、町中に彼のポスターや似顔絵が貼られ、郷土の ヒーロー扱いだった。あの街が最も悲しんでいるだろう。

 昔、知り合いの放送作家が、番組の収録で女子修道院の中に入った。もちろん、男性が足を踏み入れるのは初めて。その取材で、応対してくれた可愛い修道女さんに彼は、一目惚れ。すぐにデートに誘い出し、つきあいを重ねるうちに深い仲になり、結 婚を申し込んだ。

 当然、結婚するからには修道女の誓いを破棄して還俗しないといけない。カトリックの修道女になるのは祝別式というのがあり、彼女らはキリストの妻として一生、他の男性には身をまかせぬ誓いを立てる。キリストの代理人はローマ法王だから、彼女たちは全員が法王の妻なのだ(ここらへん不正確という指摘もあったが、まあ、本人談そのままで)。だから修道院を抜けるためには、ローマ法王にお伺いをたて、“離 婚届”を貰う必要がある。

 昔は一度誓いを立てるとめったなことでは抜けられなかったが、現在はそんなこともなく、形式さえきちんとすれば案外簡単に還俗も認められるらしい。やがて送られ てきたその書状には、法王直筆のサインがしたためられていたという。
「いやー、ヨハネ・パウロ二世直筆の三行半(みくだりはん)を持っている男というのも、日本じゃボクだけでしょう」
 と彼は自慢していたが、さていま、どういう気持ちでいるか。ちなみに、結婚してみて一番驚いたことは、てっきり年下だと思っていた彼女が、自分より七つも上だとわかったことだったそうな。やはり、女性ばかりで隔離された環境にいると、あまり 老けないものらしい。

 11時出勤、部屋の中が陽射しでポカポカ。連絡事項いくつか。週刊プレイボーイ『名もニュー』三回目、まとめる。おぐりゆかの発言から“キャベセン”事件は絶対入れたいと思っていたが、起こし原稿を読んでいたら“蟹工船”発言もあった。こっちも入れねば、と置き所に工夫。

 原稿書きながらもよしなしごとが頭の片隅にに浮かんでは消え。仮面ライダーV3に出てきた“カニレーザー”って怪人はひょっとして、『蟹工船』(カニ光線)って シャレか? ……本当に、ヨシも無ければアシもないことですな。

 原稿、完成。笑えるものにはなった、と自負。編集Mくん、みずしなさん、おぐりに送る。それにしても、毎回見開き二ページだけじゃ足りないよな、この連載。昼飯が2時になる。炊き込みご飯のオニギリ一ヶに、しじみの味噌汁、黒豆納豆。カシワ モチをデザートに二ヶ。ようやく春満開という陽気。腹がくちくなって少しウトつい てしまう。“春眠暁を覚えず”という文句が思い浮かぶが、昔読んだ福地泡介(だったか)のマンガに、夢の中で
「えーと、“日”を書いて、その右上に“十”を書いて、すぐ下に小さい“土”を二 つ並べて……」
 と字を書いていき、
「これで“暁”か、よし、覚えたぞ」
 と主人公が言い、
「春眠で暁を覚えた珍しい例」
 と題が入る、という世にもバカバカしいのがあった。読んでもう何十年もたつはずだが、春の陽気になってウトウトするたびにこれを思い出す。たぶん、死ぬまで。

 そのまま仕事続け、アサヒ芸能『こんニュー』(『こんなニュースに誰がした!』の略。『こん誰』の方がいいか?)6枚強、一気に書き上げ。担当Kさん、イラスト のツチダマさんに送る。

 さらにその後、次の『と学会年鑑』に収めるネタの入れ替えにつき、資料を調べてMLにアップ。今日はこの陽気というのに花粉症出ず、やや涙目であるくらい。仕事に根をつめたが肩凝りもひどくならず、不思議である。体調がよくて不思議がるのも 何だが。

 8時半、タクシー拾って帰宅。9時、家で西武の堤サンの悪事暴露番組みながらメ シ。
http://www.asahi.com/special/041020/TKY200411130261.html
↑この事件のことが主に語られたが、堤義明、横井英樹、小佐野賢治、児玉誉志夫が揃った図というのは、さながら妖怪動物園という趣がある。

 ハマグリの蒸し焼き、ニラタマ(“ニラの台鍋”と母方の祖母の代は呼んでいたという。調理台で作る鍋だったから台鍋、か)、頬肉のカレー。焼酎割りホッピー一ビン。自室に戻ってミクシィやりながら水割り缶一本。『エイトマン』など見る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa