裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

13日

火曜日

ボネまで愛して

 フランスを愛する方々、どうかポール・ボネ氏も、そりゃ正体は藤島泰輔ではありますが、愛してあげてください。朝7時40分起床。ソバ粉焼き。振込用紙の件で母から、電話。まだ届いていないという。昼頃まで待つようにと伝える。新聞はトリインフルエンザの件で大騒ぎ。子供の頃には農家の大敵としてよく授業で習った病名で あったが、まだ絶滅していなかったのか。

 服薬、入浴、歯磨、例の如く済ませ、原稿書き出す。昨日大きい原稿アゲた後の、これは肩の力を抜いたお笑いものなのでスイスイ行くかと思ったが、なかなかどうして。笑わせるというのも力がいる。太田出版HさんからはMLで、昨日アップした原稿を、“文化系評論のひとつの典型・見本”と褒めてくれる。単純にうれしいが、そうすると今度はエンタテインメント性が不足していたか、とか不満も出てくる。

 昼は何にしようかと冷凍庫の中をかき回し、ブタバラ肉があったので酒とソバつゆで甘辛く煮て、缶をあけたての焼き海苔をたっぷりご飯の間にはさんだブタ丼。それと豆腐のみそ汁。あふあふと食べる。牛が食えなくなり、鶏また危険だとされている今、このブタ丼の専門店を開いたらかなりイケるのではあるまいか。もっとも、油断 できない。トンコレラというものもある。食って原稿続き。

 3時NHKで打ち合わせ、出がけに電話などあり、少し遅れて半に。玄関で構成作家のMさん、待っていてくれた。食堂で、アナウンサーの玉谷氏交えてうち合わせ。私の過去の古書関係の記事などを大宅文庫でコピーしてきて、読んでいる。当日、同席するゲストは逢坂剛氏と林あまりさんだとのこと。打ち合わせしながらミーハーぽ くあたりを見回すと、原田大二郎がいた。古書の話少しばかり。

 Mさん、話を聞くと実は立川談志の番組を長いこと担当していたことがあり、その縁で今でも独演会などに行っているが、このあいだ、そこで『本家立川流』買ったと のこと。で、座談会がとにかく面白かったと言ってくれる。
「こないだ、知人から『談志が死んだ』の感想を聞かれましてね、“あんなきれいごとの本なんか面白くない、こっちの方を読め”と同人誌をすすめておきました」
 とのこと。思わず“ありがとうございます”とお礼を言ってしまう。

 5時帰宅、原稿続き書く。ノッてきて、さて、というところでが予約時間が来てしまい、新宿へ出てマッサージ受ける。マッサージ前にサウナで体を温めるのが習慣だが、汗がボタボタと垂れるのに、肩だけが冷たい。寒い、とさえ感じる。筋肉に血がほとんど通ってないのではないかと思え、少しゾッとする。揉んでくれた先生は、肩胛骨の裏側の筋肉が凝ってると言うが、そんな揉み様のないところが凝っていると言 われても。

 一旦帰宅、原稿書き続け、もうアトちょっと、のところでまたもや約束の時間が来て家を出て、10時下北沢すし好。ポー語終えたK子と一緒に夕飯。このごろ、寿司屋の払い、以前の半額。バクバク食わなくなったということか。帰宅、三度目の正直で原稿仕上げてメール。今日じゅうと思ったが残念、わずかに零時を回っていた。

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