裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

8日

木曜日

エリア・カザンがエリア・カザンがエリア・カザンが見つけた

 エデンの東エデンの東エデンの東見ぃつけた。朝7時起床。昨日あれだけ飲んだ、というか飲んでしまったので、二日酔いを覚悟していたが、不思議や、全くその兆候なし。一概に言って、酒は中途半端に飲むよりも、徹底した深酒の方が二日酔いはしない傾向がある。これは、だからどんどん飲むべしではなく、血中アルコール濃度がある程度以上になると、肝臓が緊急稼働体制に入って、分解作業を突貫で行うためで あろう。肝臓の疲労度は高まっているはずである。

 朝食はソバ粉焼き。日記一月分書き始める。大晦日に、いきなり今まで使っていたATOK12の調子が悪くなり、使っている最中にストン、と落ちるようになった。メンテで平塚くんに14を入れてもらって、新年からはこれを用いている。辞書機能が充実しているかな、という感じだが、意外な単語が入ってなかったり。単語登録をいちいちし直しながら文章を書くのはやっかいだが、“あ、こんな単語を俺は登録して使っていたのだな”ということが再確認できて、自分のコトバの使用グセなどを、 ちょっと客観的に見ることができるのが面白い。

 雑用いろいろ。昼は出て、すき家でキムチ牛丼。BSE騒ぎでそぼろ丼やカレー丼など新メニューがあり、若い連中はそれを食っている客が多いが、私と同じような年齢層の客を見るに、意地でも、という風に牛丼を注文しているのが可笑しい。それにしても、店内から牛丼という文字が消えてしまっている(すき屋はポスター以外、メニューにしか品名記載がない)のが何とも。東急ハンズでラジオペンチ(テレビにつけるアンテナ線端子改造のため)買う。中国製で450円。安いわいと喜んでいたらやはり安物買いはダメで、線を切らないための穴が刃にあいていない。カッターでカ バー部分を切る、などの細かい作業しばし。

 と学会本原稿、江戸随筆ネタコラム執筆のため、ずっと資料に付箋貼りなど。して午後は過ごす。夜8時、中野駅南口。K子と待ち合わせして母のマンション選びのため、通り沿いにあるライオンズマンション事務所へ。新中野『ライオンズステージ新中野』の販売のための特設展示事務所で、担当の人に説明を聞く。札幌でいろいろと論議したが、本郷の中古マンションは和室がないというので(やはり畳の部屋がない と落ち着かない)ダメ。薫風さんや須賀さんに聞いたら、
「そりゃ、古本屋に聞けば本郷がいいと言うに決まってます」
 とのことで、私も大いに未練はあったのだが。

 事務所の中に、そのままそっくりモデルルームが作られている。見てみるに、やはり新築はいいなあ、という感じ。収納や換気、電気周りなど、どれを見ても、細かい工夫がなされている。殊に収納スペースに関しては、ちょっとした隙間を利用しては棚スペースを確保してあり、細かなものがどうしても多くなる現代生活にマッチしている。いまの私たちのマンション(築40年)など、4LDK(納戸つき)で、押入れが作りつけられているのが一部屋しかない。聞いてみたら、やはり最近の部屋選びでポイントとなるのは収納スペースだとのこと。内部の作りなど、なかなかいい。K子も気に入ったようで、ここに決めよう、と話す。ただ、立地を確認しないといかん ので10日に再訪のことを予約。われわれが宇田川町に住んでいると聞いて、
「いいところにお住まいですねえ!」
 と向こうは驚愕。そりゃ、不動産屋さんの常識から言えば凄い場所だろう。普通では住めない。築40年などという物件だから、なんとか家賃払えているんである。
「……ご夫妻はどういうお仕事をやっておいでで?」
 というので、モヤモヤと出版関係で、と答えると、
「ああ、それでお二人ともなかなか存在感がおありで」
 と言われる。存在感というより違和感なんじゃないか。

 出て、そこからブロードウェイの方に歩き、こないだアニドウの帰りに寄ったベトナム料理裕香園。K子はここ、パクチーが入ってこないベトナム料理屋というので、大変に気にいった模様。333(バーバーバー)ビール、春巻、リブ焼き、イカサラダなど食べて、最後がフォー(ベトナムうどん)。さすがにフォーにはパクチーが欲しくなったので、別皿で頼む。香菜の他にバジルの、凄まじく香り高いのが来た。母 に食べながら携帯で電話。新中野に決まりそうだということを告げる。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa