裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

5日

日曜日

“テポどん”なら九州、“モンはん”なら京都

”アラさー“なら沖縄。

※芦辺さん打ち合わせ ルナ打ち合わせ

東京中低域の演奏がバックにあり、それに私が解説を加え、さらに
中低域に加わりたいという若いミュージシャンの話と、三重の
構成で、みっちりと内容がつまり、見ているだけで頭が疲れる夢。

6時ころ目が覚め、咳はおさまっているが、胸苦しく、
ヒーハヒーハという感じの音が胸から漏れる。
精神も肉体もかなりこの連日の朝の呼吸困難で疲れきっている感じ。
9時半、母の室に行くと、待ちかねた感じで札幌からの調剤した
薬品あり。見ると、やはり水代謝という診断か、小青竜湯をベースに
茵陳蒿湯(陳の字に草かんむり)が加えられている。
上半身の炎症をとる、という効果があるようなので加えられた
ものか。それに、サプリとしてサメミロンが一週間分。

テレビでテポドン情報、今日は無事(?)打ち上げた模様。
あっと言う間に太平洋に消える。何だったのか、あの騒ぎは、
というあっけなさ。

昨日、『幕末の将軍』が面白いと書いたが、それ以上に面白くて
やめられないのが岩波文庫『ベルツの日記』。資料として
引っ張り出してきたものだが、使った以外のところをぱらぱら
読んでいたら止まらなくなった。出てくる人物の多彩なこと、
ベルツの興味の範囲の広く、考え方の近代的なことなどが
面白さの因だろうが、瑣末な部分の些細な記述にオヤッと目がいく
あたりが日記文学の醍醐味である。
「例によって例の如く、戦争はあらゆる迷信を護符、弾よけなどの
形で、再びさらけ出して来た」
という下巻89ページの記述などを見ると、日露戦争の戦場で
流布している迷信の例として
「四種の難解な漢字の組合せ」
とあるのは、サムハラのお守りのことであろう、多分。
当時の日本は、文明開化の明治らしく、そういう迷信的なお守りを
戦場に持っていくことを禁じた鎮台(師団)もあったようだが、
ベルツは迷信のばからしさを指摘する講演も行っている立場ながら、
その禁止を愚なことであるといい、
「人々がそれを信じているなら、なぜ許さないのだ。そんなもの
によって、兵士たちは信仰的に勇敢になるのだ」
と言っている。このプラグマティズムにはちょっと感心。

4時、新宿にて芦辺拓さん、橋沢進一座長と打ち合わせ。
6月の、芦辺さん作の舞台『黄金夢幻城殺人事件』の件。
芦辺さんの奔放なアイデアを、どのようにルナで、かつあの小劇場で
舞台化するか、がキモなのだが、芦辺さんには一切そういうことを
気にせず書いてもらいたい、と改めて依頼する。
打ち合わせ中に『探偵ナイトスクープ』から電話。

その後、雑談しばし。
同い年の私と芦辺さん、最近、脳が弱ってきましたねえ、というような
話。なんでこんなミスを堂々とやってしまうのだ、という経験を
いろいろ。

そこを出て、荻窪へ。ルナティック・サーキット第一四半期決算
打ち合わせ。乗った中央線が特快で、三鷹まで連れていかれて
引き返す。花見シーズンで浮かれた団体が多く乗り込んでくるが、
それに対し“静かにしてください!”と叫ぶ若い女性あり。
むしろこっちの方が耳に障る。

天沼会議室にて、打ち合わせ。
第一四半期、まだサーキットの認知がままならぬ中で苦戦を強いられたが、
何とか黒字を計上したのはめでたい。
今後の方針と、第二四半期の目玉の芦辺さんの舞台、第三四半期の
目玉でありサーキット全体の目玉である9月ホラリオンの告知や
グッズ販売のこと、最終四半期における三連発公演のことなどまで。
厳しい意見もいろいろ出る。

終って、ハッシーと二人で荻窪ホルモンでちょっと打ち合わせ。
ここは豚ホルモンが中心だが、パイプ(気管)も茹でタンも、
みんな旨いし、第一安い。さらに日高屋に移って、緑茶ハイ
がぶがぶやりながら、バカ話で笑うが、彼我の意識の差も
認識できたところが収穫か。もちろん、立場も目標も違うのだから
意識の違いもあって当然。どちらがどちらに(自分を抑えて)
服従する、という形ではなく、やり方は異っても結果としてお互い
の利益になるような共存関係を模索していかなくては。
1時帰宅。ハッシーとの飲みでは早かった。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa