裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

17日

月曜日

脳軟化、ここが脳軟化?

そういうことベッドで言うのが脳軟化。

※杉ちゃん&鉄平『電クラ発売記念ツアーFINAL』

朝9時まで寝ていた。
朝食を知らせる携帯で目を覚ます。
シャワーも浴びずに、そのまま母の室へ。
緑のブドー(オノに“なんで「ブドー」って表記するんですか”
と訊かれたが、徳川夢声の日記にそういう記述があったのを
思いだして書いただけのことである)とプルーン。

この三連休は芝居、例会、そして今日の杉&鉄コンサートと
充実というか濃過ぎる三連休である。
ぜいたくな予定とはいえ、こうギュウギュウにつまっている
ものを消化すると、貧乏性なように感じる。

昼間は原稿書いたりなんだり。
昨日、やませよいこさんが“しゃべるバイブ”なる商品を
発表していた。チップを差し込むと、英語で
「ここがええのんか」
という意味のこと(多分。スピーカーが小さくて声がくぐもり
よく聞き取れなかった)をしゃべるというトンデモ商品。
さらに凄いのは、チップを変えるとフランス語でも
しゃべる(カナダ製か?)。

その後の雑談で、ライトセイバーバイブというジョークを
しゃべったが、検索してみたら出てきましたよ。
http://www.homemade-sex-toys.com/light/index.html
……カッコいいか?

昼は残ったパストラミとライブレッドでサンドイッチ。
ちょっと足りなかったのでレトルトのカレー。
食べてぐずぐずしていたら、すぐ3時近くになってしまい、
あわてる。

新宿に出てちょっと買い物、それから山手線で鴬谷。
昭和の香り強烈に残る南口凌雲橋前でオノと待合わせ。
陽光強く、かなり暑い。天気予報では日中の最高気温34度、
これは残暑としては観測史上最高だとか。

東京キネマ倶楽部へ。ジェオのM社長に挨拶。
キネマ倶楽部のレトロさをオノとかに自分の店のように
自慢する。花篭、届いているのを確認。1万円にしては
小さくないか?

ぎじんさん、しら〜さんと二階の関係者席に。
海谷さん、“目がよく見えねえんだよ”と言いながら来て、
渡辺克己さんと同席。下の席にはなかちんさん夫妻、
それからrikiさんがいた。

隣の席には是非、杉&鉄をお聞かせしたくてお招きした
芦辺拓ご夫妻。なんと奥様のご母堂もいらした。
クラシックの専門家である奥様の評価やいかに、を
ちょっと確認したくてお招きしたのである。
それと、今回のライブが『電クラ発売記念ツアーファイナル』
であることから、『黒いトランク』の鮎川哲也直系のミステリ作家
芦辺さんとのおつきあいが出来ることで、何か化学反応が
起きればいいなあ、と(『モーツァルト殺人事件』なんてのも
あるし)。

舞台上にはシグナルが備え付けられ、開演に際してそれが
点滅、スタッフが黒黄ダンダラの棒を遮断機に見立てて
上げ下げをするという趣向。笑ったのは舞台脇に鉄平くんの
私物のNゲージ模型、さらに杉ちゃんの私物の時刻表などが
置いてあって、周囲を鉄のファンが取り巻いていた。

演奏はもう、くだくだここで書かないでも私の読者なら
耳にタコで(目に、か?)わかっていると思う。
私とオノは、もう、笑い、拍手しながらも、片目でずっと
芦辺さんの奥様の方をチラ見し続け。
「喜んでいらっしゃるようだねえ」
「あ、拍手してます」
などとヒソヒソ。
毎度、杉浦さんのMC技術は上達しているが、今回は
鉄平くんもかなりしゃべった。やはり鉄ばなしはわが掌中の
もの、という感じなのか。トークの量がこれまでの
3割増くらいだった。
後で感想を載せているブログを見ても、トークは評判が
よかったようである。

ただ、達者になった分、これまではご愛嬌で聞き逃していた
カミやカブサリが気になったのも事実。
お客さんにはいいが、もし、テレビやラジオの関係者(プロ)
が聞いていたら、そこが気になったろうと思う。
笑い待ちや三段落ちなど、基本的なところもそろそろ押える
ことが出来るまでになっているのだから、やはり、
大きなところでのライブは、演出と舞台監督をつけて、
しゃべりも磨いた方がいいのでは、と思う。
あいまトークの気ままさもいいが、その分量を今回のライブでの
しゃべりは超えている。この量のトークであれば稽古が必要
なのじゃないか?

『ダブル・コンチェルト第2番寝台特急「月光」』
http://jp.youtube.com/watch?v=oNuHRqbN_2A
の他、『協奏曲「銀河鉄道999」』、『亡き名鉄7000系の
ためのパヴァーヌ』『マイ・フェイバリット・シング(そうだ、
京都行こう)』など、たっぷり聞かせて、7時過ぎまで。
終るともう、エレベーター付近、帰る客と物販の客で大混雑。
ここは要するに三々五々来て帰る客を想定して作られた
場所なので、こういうコンサートとかイベントにはそこが
ちょっと……なのであった。
芦辺先生を二人に紹介。
芦辺さんは“細君に演奏させる”と、楽譜まで買っていた。

奥様も表情から大変満足のご様子だったのでホッ。
ご夫妻ご母堂見送り、打ち上げに誘われたので、バラシの時間を
近くの喫茶店でオノ、ぎじんさん、野口印刷社長(以前私の
ブジオ本の印刷をしてくれたところだが、ずっと前から杉&鉄の
パンフを印刷してくれているとか。まったく世の中は狭すぎ)、
rikiさん、しら〜、渡辺さんとの6人で、近くの
喫茶店『コラール』に入る。これまた昭和趣味全開の喫茶店。

オノ、今日は昼間は井の頭公園わきでバーベキューだった
そうで、その酒が効いてきて調子悪そうなので途中で帰宅。
残りで、会場近くの居酒屋『呑ん兵衛』で打ち上げ参加。
最初は私も連日の飲みでちょっと調子悪かったが、11時過ぎる
あたりから調子出てくる。

ジェオのMさん、マネージャーのKさんとも話いろいろ。
「何か足りないと思ったら、酒の席に唐沢さんのマネージャーさん
がいないのは珍しい」
とみんなに言われる。
『電クラ』はなんとアマゾンで売り上げが音楽の2位になった
そうだ。急きょ年内に『電クラ2』発売も決まったそうだし、
ブレイクも近いかな、と嬉しがると共に、こりゃ
企画を急がないと売れっ子になってこっちなどに見向きも
されなくなるんじゃないか、とちょっとあせる。

鉄平くんはいつもマイペースながら、杉ちゃんはあちこち
席を移してお礼にこれ務め、さすが。
もっとも、無事コンサートが終った開放感からか、かなり
酒が進んでいた。
「お客さんがだいぶこないだのトンデモ本大賞から
流れてきました」
と言われる。奥の方のスタッフ席で、
「“と学会”って名前で花が来てさあ、変な宗教かと思って
ちょっとドキリとしたよ」
なんて会話があって、苦笑していたところ。

イベントや講演関係のプロダクションの人もかなりいたようで
そういうプロダクションの女性に、芸人と間違われたか
「ナレーションのお仕事とかお願いできますか?」
と訊かれた。もう、ぜひぜひと答えておく。
渡辺さん(北大卒)、杉ちゃんの奥さんと私(札幌生まれ)、
しら〜(北海道生まれ)、エムズプランのK社長(札幌育ち)
と妙に北海道がらみの人間が集って、今度ぜひ札幌で
一緒に何かやりましょう、と話したり。

寒空はだかさんはじめ、芸能人の方もたくさんいる中
なんと〆をM社長にうながされた。
ちょっと挨拶、ヨォー、と一本締めして、まだちょっとグダグダ。
1時過ぎ、やっと辞してしら〜、渡辺さんとタクシー乗合い。
是非今度の企画にもナベちゃん参加してよ、と酔いの
ノリでお願いしておく。渡辺さんのところには未だにいつぞやの
『ワナゴナ』見ました、という連絡があるそうだ。
1時半、帰宅。腹がやたらすいて、冷凍の鍋焼きうどんを
半分だけ啜って寝る。

※写真、左から東京キネマ倶楽部、杉ちゃん&渡辺さんと、
鉄平くんと。後二枚の撮影はrikiさん。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa