裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

16日

日曜日

来たり、見たり、マターリ

このスレ、祭りになってるって言うから来てみたのに全然。

※と学会例会

朝、4時ころに目が覚めてしまい、半藤一利『聖断』
(PHP文庫)などを読んで7時ころまで。
体力使う日にいかんな、と思うのだが寝つきというのは
これは自力ではいかんともしがたいもの。
冷房入れたり消したり、いろいろぐたぐたして
8時半まで無理に寝る。

9時朝食、ブドー(緑の。アレキサンドリアではないようだ)
と梨(幸水)、青汁。青汁の銘柄が変わったのか、
やたら苦い。母はきのう、映画館で痴漢にあったことが
大自慢。話を聞いて大笑い。

荷物などまとめて、今日の準備。
今日も暑い。いまごろ残暑が来たよう。
とはいえ空は秋晴れ、馬肥ゆる好天。
本来の“馬肥ゆる秋”は北方の匈奴の馬が肥えて長征が
可能になる時期なので用心せよ、の意味なのだそうだが
(「高秋 馬肥健なり 矢を挟みて漢月を射る」杜甫)、
騎馬に侵略される憂いのない島国日本では豊作を寿ぐノンキな
ことわざになった。いかにも日本である。
総裁選のニュースを見ても緊張感はゼロ。

なんだかんだで家を10時に出る予定が10時45分になる。
高田馬場へ。ビックボックス前で、ビジター参加者たちと
待合わせだが、ビックボックスが全面改装中なのに驚く。
あの、いかにも昭和の遺物という感じのフィンランドサウナも
もういっぺんくらい行っておけばよかったな。

バーバラとその連れのNさん、オノと待合わせ。
その間にも本郷さんぴんでんさん獅子児さんはじめ
参加者陸続。駅前からタクシー相乗りでW大国際会議場まで。
オノはここの出身者なのだが、ここは知らないそうだ。
周囲に立ち並ぶマンションを見て、
「こんなのW大じゃないッすよ!」
と浦島太郎状態だった。

会場の設備が前回とは一新、最新式になっている。
W大はさすが、金があるなあ。
特に書画カメラを映すスクリーン等、改善はなはだし。

今回は参加者80人以上、うちゲストが25名。
きだてたくさん、江戸栖方さんなどもいらしてにぎやか、
最近の例会中、最大規模となる。
最近はゲストも発表をされる方が多く(これは歓迎なのだが)
時間が当然のことながら押すこと押すこと。
会場を借りている時間ぎりぎりにまで発表続く。

明木先生や新田五郎さんなど常連さんが来られなかった
のが残念。とはいえ最近は新人会員も発表技術が非常に達者に
なり、笑いが絶えない。
しかし、逆に笑いっぱなしで6時間はくたびれる。
私はひさびさに古書ネタ。
昨日見つけたネタは結局、使わなかった。
駿河秋一さんから、凄く貴重な文献を見せていただく。
貴重と言えば眠田さんからも某物件いただく。嬉しい。

IPPANさんの『御用牙』が満場の爆笑をさらう。
これに限らず、今回のネタには偶然だがチ×コネタが多かった。
こういうことというのもあるのである。
あと、会員の近衛さんの発表で、来年の大賞授賞式のイベントの
アイデアがひらめく。毎回、目新しいものを取り入れるのに
苦労しているのだが、そのアイデアのオーディション会場
みたいな性格もこの例会は有している。

発表終わり、例によりアキバの『万世』地下、“呉越同舟”
に移動。今日は連休の中日にあたるため、珍しく会長が
参加、会長の音頭で乾杯。
「えー、来年はいよいよと学会も15周年で」
「いや会長、今年がもう15周年ですよ」
「あ、そうか。じゃあ、もう祝うことも別にないねえ」
「まあ、今後もダラダラということで」
「じゃ、乾杯!」
……まあ、いいかげんに作った会がこれだけ長続きして発展
しているというだけでも。

催眠術のイベントをやっている
ニューハーフの人だとか、“怪談の会”の人たちだとかと
写真撮ったり、歓談したり。会長及び皆神さんにちょっと
と学会がらみの企画に協力依頼。皆神さん大変乗り気で結構。

Nさん、大変今日の会を面白がってくれた模様。
驚いたことに彼は池袋の芸術劇場で仕事をしていたことがあり、
ハッシーとも顔見知り、ツーカーの仲だったということが判明。
オノがすぐハッシーにその旨をメールしたら、速攻で
彼からも驚きのメールが返ってきたそうだ
(ハッシーを“関わってきたいろんな劇団の座長さんの
中で一番”と絶賛していたのでみんな“へー”)。
Nさんを招いたのは、某書籍企画に参加をお願いするため
だったのだが、その書籍の元となる人たちのことも
売れる前から知っているとのこと。
こりゃいい人と知り合った。紹介者のバーバラに感謝。

8時半、植木さんの三本締めでお開き。
ぴんでんさんが上京しているので『馬え田』に行こう、と
メンバー募集。われわれ東文研組三人にNさん、
ぴんでん、獅子児の九州コンビ、植木さん、しら〜さん、
そのお知り合い(オタクっぽい人だなと思っていたら
なんと理博)、梅田かずおさん、会員のKさん。
タクシー分乗で。運転手の初老の人、われわれの会話に
爆笑していたが、そのせいか道を間違えてしばらく迷走。

馬え田で馬刺しと溶岩焼き。
黒霧島ロックでがぶがぶ。
前に入れておいたのがあるはず、と副店長のソーイチロー
さんに聞いたら、K子がこないだ友人たちと来て
勝手に飲んでしまったそうである。さすがK子、とみんなに
大ウケ。

話はずみ、こういう場独特の人物月旦容赦なく(ぴんでん
さんの不妊症チェックばなしが面白く、また獅子児さんが
そのソフトな外見を裏切るシニカルな意見を陳述して
大笑い)、また真面目な将来のと学会の運営についての意見も
出て、いや、最近になく楽しい三次会になった。
Kさんが無茶苦茶ニコニコ顔だったのが印象的。
「獅子児さんの腕をさわってごらんなさい、鍛えているが
硬くなく、弾力があるんです。美しい腕です」
とか、マニアックなこと言われる。

楽しいのは酒と料理がうまいことももちろんあずかって大きい。
日曜なので12時閉店というのに、ぴんでんさんの福岡の
カオをもって(ソーイチローさんは福岡時代からぴんでんさんに
可愛がられている)、店側も何にも言わず1時過ぎまで
ワイワイを許してくれた。申し訳ない。

タクシー分乗して帰宅。
酸味が欲しくなり自動販売機でオレンジジュースを
買うが、出てきたのはカフェラテ。酔眼でわからず、
一口飲んでビックリして声をあげたらオノが爆笑した。
帰り着いてメールチェックするも、さすがに酔いの回った
脳のことを考えて、返事は明日のこととし、2時就寝。
睡眠不足だったはずなのに、眠気もささずよく飲んだ。

*写真はガスマスクの和服美女&フラットウッズ弁当(カワユス)。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa