裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

5日

水曜日

波動ボイルドだど

この茹で卵には波動が封じ込まれているんだど。

※D書房打ち合せ どどいつ文庫来 R25電話インタビュー

朝、なんとマンガの神様手塚治虫に寿司をおごられる
夢を見る。
私含めた何名かのグループ(なぜか安達OBさん、横森文
さんなど)と手塚先生が、何かの会合の打ち合せ後、
「この近くに私の隠れ家みたいな寿司屋があるから
行きましょう」
と言われて、中央線沿線ぽい、裏道にあるひなびた公園
を横切って、しもた屋風の一軒家に入る。
内部も古い純日本調家屋だが、ちゃんと店専用の法被みたい
なものがあり、それを来て、座敷にしつらえられた席につく。
手塚先生からお酌などされて、大いに恐縮、という夢だった。

9時半起床。入浴して、二十世紀梨を朝食に。
窓外は凄まじい、棒のような雨。
某所に出す経緯説明書を書く。
最初は5月くらいの、と思っていた企画が7月になり
10月になりさらに延びて、というのは私もちょっと
腹が立つが、スポンサーがらみでは致し方なし。

メール何本か。
オノから、今日のD書房の打ち合せ先の電話番号がわからない
というメール来たので、こっちから連絡して時間調整。

雨、やんで日が差したかと思えばまた降り出す。
気圧変動、調子は当然よろしくなし。
他にもちょっとカリカリとすることあり。

11時半、母の室で昼食。牛肉炒めご飯に目玉焼きを
乗せたもの。福神漬けを添えて。
そう言えば子供のころ、桃屋の福神漬けでお茶漬けという
のが大好物だった。子供のくせに、ずいぶんとあっさりした
ものが好きだったものだ。

3時、事務所へ。どどいつ文庫さん来訪。
例によりヘンな洋書、かなり。
彼は私のところにこれらの本を持ってくる前に、
全て詳細に目を通し、オススメの部分に付箋を貼って
くる。その英語力たるやかなりのもの。
もっとも日本語力は特殊すぎて、彼のHPの文章は
慣れないとマジに読みにくい。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~dobunko/

4時半、東武ホテルにてD書房N氏待合わせ。
公会堂周辺が大変な人混み、それもおばさんばかりで
ハハーンと思うにまさしく氷川きよしコンサート。
待合わせ場所の東武ホテルレストランも、コンサート前に
お食事でも、というおばさんたちでいっぱい。
これがジャニ系のコンサートだと、来る若いのは金が
ないから東武ホテルなどでは食事しない。
モスバーガーとか花まるうどんとかが満員になる。

Nさん、ずっとメールでやりとりしていたが、
会ったのは今年の3月ころ、それで頭の中で顔を忘れて、
再イメージしたのが中年のおじさん、だった。
改めて会ってみると、まだ30代の、背の高いインテリの
イケメンといった感じ。あれ、とわが記憶の悪さに愕然。

先日送った内容案に対し、丁寧な意見を述べた修正案
を返してくれて、それを叩き台にして、少しツッコンだ
打ち合せ。次の本のアイデアまでそこで出たので、
売り込んでおく。

打ち合せは極めて有意義に終わったが、雨で、
体調精神共に最悪。早めに今日は切り上げてビール飲もう、
とオノに提案。『地獄の楽園』の感想の中に、
見終わったあと、オイスターレストランで食事、という
のがあったので、そこへ行こう、ということになる。

6時15分、『R25』からまた電話インタビュー。
お月見について雑学を話せということなので、いろいろ
教える。ジャータカ物語のウサギの話とか、今の若い人は
学校で教わらないんだろうか。
手塚治虫の『ブッダ』とか読んでないのか。
読まないのだろうなあ。Nさんとの打ち合せで、今の若い
マンガ家には手塚マンガを一作も読んだことのないのがいる、
と言ったらえらいショックを受けていたけれど。

インタビュー、ちょっと長時間になる。7時過ぎ、
タクシーで下北沢。運転手の親父が道を知らないので
イラつくが、降りるとき
「テレビでいつも見てます」
と言われて、ヨロシクオネガイシマース、と新人の歌うたい
みたいな挨拶をしてしまう。

こないだまで芝居やっていた『楽園』
から、歩いて5分、『虎の子』から3分のところにある
オイスターバー『ジャックポット』。
日本各地の牡蛎、世界各国の牡蛎を一年中取りそろえてある
という嬉しい店。
ここでマドと待合わせ、三人で。

まずは日本のものとニュージーランドのものを
生ガキで試みてみる。日本のもののクリーミィな甘味が
やはり勝っている。それから焼きガキ、ガーリックバターの
ものとアンチョビバターのもの。バターの溶けたのが
もったいないのでパンを頼むが、フォッカチャしかない
というので、それを頼み、ソースにひたして食べる。
さらに牡蛎のパイ包み、これもソースが抜群、フォッカチャ
をおかわりする。

ビールはコロナ、それにワイン白と赤。
イケメンのフロア係が、的確にメニューなどを説明してくれて
“知識のあるイケメン”好きなオノがキャアキャア。
彼は高校を出てすぐこの下北沢店に入って今年で5年目
だそうな。近くで芝居やってて、それ見に来てくれた人の
日記で知ってというと
「ああ、そういう風に口コミで広まってくれるのが一番
嬉しいです」
と殊勝な答え。いいねえ。

出て、もう一杯行きたいということになり、
ハッシーがナベちゃんと行ったという『バーキタザワ』。
昭和40年代調を強調した店内、音楽、メニュー。
「レトロマニアに言わせればここまであざとい装飾は
かえって興趣をそぐねえ」
などとエラソウなことを口走りながらも、流れる曲、
全部知ってて歌えるというのはやはり快感。
いいねえ、になってしまう。
ハイボールに、つまみはかっぱえびせん。
オノ&マドがおごってくれた。

帰り、サントクに寄るが、入るときは止んでいた
雨が出たとき(滞店時間7〜8分)には大雨。
帰宅してそのまま寝る、というか気圧で気絶。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa