裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

30日

月曜日

ミス商売

あの子、ミスコン荒しのプロだよ。

※同人誌原稿完成! 『社会派くん』対談

朝8時45分起床。
入浴、大急ぎ。
喉はだいぶ快方に向かうも、まだ本調子でなし。
朝から湿気はなはだし。

キラー・トーア・カマタ死去の報が昨日入ったと
思ったら、カール・ゴッチ死去の報。
同業界の人間は連れ立って死ぬ、という法則があるが、
しかし今回は大物の方が連れ立っていったな。
おそらく、世界中で日本のプロレスファンが、
一番ゴッチを評価していたのではないだろうか。
“いぶし銀”という単語を持っている国ならでは
の評価だと思う。
ゴッチ本人はカッコいい爺さんだとずっと思っているし、
強さも本物だと認識している。ただし、どっちの試合を
見にいく? と訊かれたら、迷わずカマタの方を見にいくだろう。
プロレスは娯楽であり、エンターテイナーとしては
カマタの方がずっと優れていたと思うのである。

メールチェック。
岡田さんからイベントの進行についての提案。
これは自分も思っていたことであり、すぐに賛意を表明。
資料本の下訳をやってもらっているNさんにメール。

YouTube、中国系の動画をいくつかあさる。
http://www.youtube.com/watch?v=iZD8cm9oIMk
↑これ、歌はともかく、周囲の“七人の小人”の
人形の造形がこれまでのもの以上に奇妙。
台北の夜市の遊具もそうだったが、欧米のキャラを
アジアのセンスが模倣すると、一種方向性のあるキッチュ性
が見えてくる気がする。

延びに延びた同人誌原稿、ラストスパート。
マニアックすぎてあまり売れないだろうが、
趣味の少ない(趣味のほとんどを仕事にしてしまった)
私には大事な本かもしれない。
人の死をひたすら記録するなど、変な趣味だが。

ゴホゴホとゆうべ、咳をしていたせいだろうが、
腰に響いて、歩くと腰が痛い。
何とか、最後の原稿をメール。
昼飯は食いそびれ。
コンビニでソーセージロールとカフェラテを買って、
タクシー車中でパクつく。

3時半、時間割。
『社会派くん』対談。
そろそろアスペクトのサイトもデザインリニューアル
するとのこと。
対談、周囲に今日は客が多く、最初は抑え気味。
途中からトバす。森園みるく先生が、他社との打ち合わせに
いらっしゃる。終って挨拶したら、チーアシさんが
描いたというアメリカ向けのアキバ紹介漫画を、どこかで
出せないか、と打診される。

事務所に戻り、オノと少しスケジュール打ち合せ。
それから原稿の補遺分を書く。
あと、前書き原稿。やっと、これで全ての作業が終わった。
予定より三倍くらい時間を食ったことになる。
某社から、サイトにアップする文に関してのチェックあり。
手直ししたものを書いて送る。

10時近く帰宅、母に電話して、途中でサントクで買った
マグロの中落ちで手巻き寿司を作ってもらう。
ムシャムシャやって、缶ビール。
それから自室に戻り、ホッピー一本、
DVDで『アイス・コング』。
マイミクの“シスの法保系卿”さんが、最近、DVD公開の
洋モノモンスター映画の評をミクシィレビューにどっと
挙げていて、それがまあ、つまらなさそうなものをわざわざ
選って見て、やはりつまらない、というような評をして
くれていて、こちらとしては、本当に有難いレビューと
なっている。面白いとわかっている映画なら誰でも観る。
つまらないとわかっているものを、どこがどうつまらないか、
愛情こめつつ克明に記してくれているレビューがあって初めて、
レビューが実用になる。

最近の一連のレビューがB級カイジュウもので、『ザ・コング』
『キング・オブ・ロスト・ワールド』『T−レックス』
『ジュラシック・シティ』『プテラノドン』『マンモス』
『ディノクロコ』なんて作品がずらり並ぶ中で、
「兎に角、今迄観た中でも一、二を争う出来ですし
科学的根拠や粗捜し等、ドウでも良くなります。
★★★★★と★で迷いました」
と書かれていた本作が妙に気になって、すぐさま買い求めて
見てみたのであった。
いや、まさしく、“★★★★★と★”の両極端の感情に
揺さぶられる作品。この時代に露骨もいいところのぬいぐるみ
特撮をやらかす暴勇には拍手を送りたいが、いかんせん、
それをシャレとして軟着陸させるだけの、ストーリィや演出の
受け皿が全く整っていない。単なるチープな映画で、それを
逆手にとっていないのである。映画自体が古代生物の
生き残りのように思えてきた。眼をパチパチさせるぬいぐるみは
愛らしいのだが。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa