裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

11日

水曜日

えろぐろ二等兵

黒いところがスキ。

※同人誌原稿 企画メール等

朝8時45分起床。
まだ足のむくみ取れず。
原稿書きなどで椅子に同じ姿勢で数時間座ったあとが
すごい。水死体の足みたい。

9時、朝食。
スイカ、ヨーグルト。
母に頼まれて豪貴の欲しがっている漢方の本を
ネット古書店で探す。一点、在庫あり。

原稿、夏コミの開田家同人誌。
それを途中で一時中断、このあいだS・C社に出した
企画の返事に、さらに返事。
具体的な判型とかページ数とかのこと。
ここらでイメージが固まってくるが、
しかしまだ遊びを入れられる余裕があり、ここの
作業が楽しい。

某国営放送のYくんから電話。
新潟支局から東京に帰れることが本決まりになったとの
こと。めでたし。家を探しに、週末にもいったん夫妻で
上京とのことなので、飯でも、と誘う。

昼はサントクでうなぎの安売りを買ってきて、
うな茶。ざざっと掻き込んで、事務所に。
同人誌原稿、続きを完成させて開田さんにメール。

UMAのことを調べていて見つけた
UKのバンド『ザ・オートマティック』の曲『モンスター』。
http://www.youtube.com/watch?v=4v8qae11_-M
ネッシーにビッグフット、それにUFOまで出てくる。
ノリと彼らのルックスで60年代の映像に見えるが2006年
のフューチャー。このモミアゲとヒゲが21世紀のものとは。

あと、マイミクかきたまさんの日記から。
http://www.youtube.com/watch?v=aSE14cMsDtY
『Interplanetary Revolution』
アニドウサイトからの情報だが、凄い!
1924年製作のロシア共産党のプロパガンダ・アニメ。
革命が進む地球で居場所を失ったブルジョアたちが火星へ逃亡し、
彼らを追ったコミンテルン革命軍が火星人と戦って火星でも革命を
達成するという話。
この数年前にはウインザー・マッケイがSFぽいアニメをいくつか
作っているが、どれも夢オチでお茶を濁す中、堂々と火星での
革命戦争を描いているこの作品、世界最初のSFアニメと
言っていいのでは。少なくとも世界最初の宇宙SFアニメだ。

冒頭のブルジョアの戯画も凄いけど、1924年に
宇宙船同士のドッグファイトや光線銃での銃撃戦が
描かれているとは知りませんでした。
ちょうどロシア・アヴァンギャルドの本を読んでいたところ
だったんでなお興味がわいて、かきたまさんの紹介している
『ANIMATED SOVIET PROPAGANDA』のDVDボックス、
探して、海外の通販サイトからあわてて買ってしまった。

イチローのMVPの記事を見る。
松阪とか松井とかにくらべて人気の点でイマイチだったのは
その天才らしい個人主義がどこか憎体に見えるせいもあったかも
しれない。しかし、それを全て実績でハネ返したところは見事。
奇人としてのエピソードが多いキャラは私の好みである。
野球選手なのに極端な偏食で、たくあんが大好物でたくあん
ばかり食べて肌が黄色くなってしまった、なんてエピソード、
笑ったなあ。

豪貴の本注文した古書店からメール、残念ながら
注文書、店頭で売りきれてしまった由。
店を持っている古書店のネット販売はこれがネックだな。

気圧乱れ、当然のことながら甚だし。
東急本店で買い物して家に帰る。
送った原稿にコメントも、と開田さんからメール
あったのでそれを書き、カツオの刺し身と煮カツで酒。
沖縄の神野さんからお中元に貰った、
『青い空と海のビール』なる地ビールで。
非常に軽い味のビールで、湿気ったこういう気候には最適。
その後、樹子の残りや落花生でホッピー。
送られた本類など読み散らし。
10時過ぎ、某社から電話。
なんか声がハイテンションなので、こっちも釣られて
ハイテンション。

ジェリー伊藤の死去の4日前、7月5日にカーウィン・マシューズ
死去。81歳。
『シンドバッド7回目の航海』の主人公、“シンバッド”である。
この映画を小学校時代、初めて夏休みのテレビで見たときの
私の感想は、
「世の中にこんな面白い映画があっていいのだろうか」
だった。もちろん、それはハリーハウゼンのダイナメーション
技術によるところ大、ではあったものの、その特撮の
一つ目巨人やガイコツや火を吐くドラゴンと“きちんと”
戦うためには、自分の演じる場を超えての自己主張をせず、
しかしながら特撮の影に隠れてしまってはいけない、
きちんと彼らをあしらいながら、主役として話をまとめる、
そんな演技の“バランスをわきまえた”常識を持つ主役が
必要である。こういう役者の存在は特撮映画の必須の条件なのだ。
例えば、日本でこのバランスをわきまえた役者というと、
『ウルトラQ』で万城目淳役を演じた佐原健二などがいるのだが、
似たようなキャラクターを持って、なんとハリーハウゼン
特撮映画の主演を三本も勤めた(他の二本は『ガリバーの大冒険』
と『ジャックと悪魔の国』)のがこのカーウィン・マシューズ
だった。

物言わぬ特撮のキャラたちは、どんなにそのインパクトが
強くとも、そのインパクトを観客や視聴者に伝えるのは同じ
画面の中の役者なのである。役者の自伝を読むと、
結局はカイジュウの引き立て役に過ぎぬ特撮映画への出演を
必ずしも快く思っていない人が多い(先の日記に書いた千田是也
なども)。悲しいことだが、自我肥大を職業病とする役者で
あれば、本当の主役が他にいる怪獣映画に不満があるのはまあ、
当然といっていいかもしれない。
そんな中で、そういう特撮映画に三本までも出演してくれた
マシューズの存在は、真に偉大と言っていい。

しかしこれに限らずプロとしてありとあらゆる作品に役を
選ばず出ていたようで、007のパチもんであるフランスの
『OSS177』の主人公ユベール・ボニスールも演じているし、
かのリック・ベイカーの商業作品デビューであるZ級映画
『オクトマン』まで、とにかく映画に出続けた。
出続けることが楽しく、また“生きている”あかしだったのだろう。
「常に今撮影中の三本の映画に関わっていないと俳優人生は終わり
だと思っていた」
とインタビューで語っていた、そのワーカホリック的人生が、
われわれに素晴らしい作品群を残してくれた。

代表作が『シンドバッド7回目の航海』、『ガリバーの3つの国』
(『ガリバーの大冒険』原題)、そして『インディ・ジョーンズ』
シリーズの原形ともいうべき『四時の悪魔』と、何故か
数字入りばかりなのも一奇である。
感謝の念と共に、ご冥福を祈りたい。
悲しいなあ。

追悼文、ミクシィにアップして1時ころ就寝。
いろいろな考えが頭をよぎってあまりよくは寝つかれず。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa