裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

5日

火曜日

最近のオカイモノはなっておらん!

わしらの頃はあんなオトナ買いなんて真似はしなかった。

朝8時起床、外は曇り。台風接近とやら、気圧系あやし。
朝食、タラモブレッド、イチジクとヨーグルト。プレーンヨーグルトにイチジクという朝食は『ロシアより愛をこめて』で覚えたものだが、確かに朝にあう。

日記つけ、メールチェック等いろいろ。ラジオライフ原稿書き始める。素材その他別に面倒くさいものではないが、何しろ枚数が11枚。飽きさせないでつなぐのがなかなか大変。橋沢さんから電話、木曜の打ち合わせについて。それに使う店に予約の電話。

昼はニラと香菜を刻んで冷凍の鶏団子を使って汁ビーフン。ツユを全部のんだら汗が出る出る。シャワー浴びた。

3時過ぎ、やっと原稿、完成させてメール。妙にくたびれてベッドに横になったら30分ほど意識を失ってしまう。気圧やはり乱れているなあ。それからタクシー使って出社。
札幌のでんたるさんからカニ送っていただいたがまだ冷蔵庫の新しいのが届かない。エアコンの真ん前に置いてあるが、溶ける前に冷蔵庫が届くか?

新潟公演について瑣末事項いくつか、静岡公演についても瑣末事項いくつか。面倒くさいこと。某所から貰ったエロCD−ROMを見る。
95〜96年の裏本のモデルってのはやっぱりひどいなあ、と笑いながら見ていたら、林由美香のものがあった。その可愛さ、エロさ、やはり他のものとは一線を画す。カリスマとはこういうものか、と深く感じるところがあった。

ラジオライフに近況送ったりしているうち、急速に眠気がさし、いても立ってもいられなくなる。気圧のせいだろう。上に上がっていったら、すでに新しい冷蔵庫が来ていた。半分くらいの大きさなので、10年間冷蔵庫の裏になって汚れた壁が丸見えになる。ポスターでも飾って隠さないと。

5時過ぎ、事務所を辞去。体調乱れあり、早めに家に帰って原稿書こうと思う。到来物のカニとシシャモを袋に入れて、タクシーで帰宅。資料本を片手にベッドに横になり、さて読むか、と思った段階でもう、グー。目が覚めたらすでに9時半だった。3時間、夢も見ずに
眠っていたことになる。

ネットなどいくつか回る。テレビでNHK教育、つけっぱなしにしていたが中高年向けパソコンライフという番組が伊藤麻衣子の司会でやっていた。SNS特集で、いきなりブログも知らない一般ゲストをmixiに入会させてしまう。凄いことをするな。

その後『こだわり人物伝・円谷英二』。自分がテレビに出て話しているのを見るのはどうも苦手。
「ああすればよかった、こうすればよかった」
と、後悔の念が頭に浮かぶからである。もすこしきちんとメイクすればよかったとか、これリテイク取ってもらえばよかったとか、ここをもう少し語ればよかったとか、やはり声が苦しそうだとか、そういう反省点ばかりの羅列になる。とはいえ、番組としてはさすがにきちんと作られている。さて、評判はいかに。ナレーションが妙に息苦しいような語り口だが、みると福島泰樹とある。あの絶叫短歌の人か?

でんたるさんからいただいた毛ガニで酒。ハサミでジョキジョキ殻を切りながら。肉が甘いあまい。足の部分より、普通ならあまりうまくない身の部分の肉の方が甘くてうまい。生のまま食べられるという燻製ししゃもも結構。缶ビール、日本酒、ホッピーとフルコース飲んでしまう。

DVDで映画『フランケンシュタイン復活』。見るのはもう何十年ぶりか。前作のチャールズ・D・ホールに代わりセット美術はジャック・オッターソン、古城のセットのクラシックさはそのままに、男爵家の屋敷を思いきってモダンでシュールな、ドイツ表現主義芸術を現代調にしたようなデザインでまとめている。デザイナーズ・マンションみたいだ。

メル・ブルックスの『ヤング・フランケンシュタイン』を人はよく『フランケンシュタイン』『フランケンシュタインの花嫁』のパロディ、と断じるが(例えば↓ここ)、
http://www.fnosta.com/36ya/youngfrankenstein.html
なぜこの『復活』がネグレクトされているのかわからない。
男爵の息子が父の研究を継ぐべく、妻と故郷へやってくるというシチュエーション、待っていたのが父の助手のせむし男のキャラクター、鉄の義手の警部(ダーツシーンまである)など、あれはそっくりそのままこの『復活』をなぞっている、といっていいパロディなのである(盲目の隠者、花をちぎる女の子、それに花嫁が出てくるあたりは一作目、二作目からとっているが)。『ヤング〜』の主人公役のジーン・ワイルダーのメイクがそもそも、この作のバジル・ラスボーンの顔をなぞっている。
また、ハリウッドでは本来無名のクリーチャーのことを何故か生みの親のフランケンシュタインの名前で呼ぶが、冒頭で息子の男爵がそれを嘆く、という、すでにシリーズもののお遊びみたいな場面もあって嬉しくなる。

一作目、二作目に比べて評価が低いのは、怪物の毛皮をまとった格好がダサいのと、役を限定されるのを嫌がったカーロフの、あきらかに覇気のない演技のせいだろうが、その分、男爵役のバジル・ラスボーン、イゴール役のベラ・ルゴシ、そして片腕の警部が一世一代のハマり役の巨漢、ライオネル・アトウィルの三人の怪演合戦が楽しい楽しい。前二作とはまた違った面白さで、私はこの作品も十分に好きなのである。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa