裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

8日

水曜日

毛娘。

 毛沢東主席の娘、李敏女史は2000年9月9日、毛首席の24回忌に北京の記念堂を訪れて花を捧げた(「人民日報網絡中心」2000年9月10日)。朝7時20分起床。気持ちよく目覚める。が、ノドが少し腫れている感じ。昨日のホルモンのせいか? 朝食、またオニオンスープ。K子にはマッシュポテト炒め。

 K子は平塚くんにパソコンのことを電話して、その指示でいろいろやっている。それが終わって入れ替わりみたいに井上デザイン井上くんから電話。何かと思ったら、暮に泥棒に入られた、という報告。驚く。曙橋の事務所、年末で閉めていたら、大晦日にコソ泥が入り、現金10万円ばかりがやられたとのこと。ガラス戸を拳の大きさに割って、錠を開け、迷わずに金庫のある場所に行き、現金だけ盗っていったとか。現金のある場所がすぐわかったというのは出入りしているものの犯行みたいだが、侵入の手口はプロそのものである。しかしまあ、10万程度の被害ですんでよかった。厄落としになんかおごってもらおう。

 昨日アンケート送ったコミックボックスから、アンケートで取り上げた作品についての原稿依頼。日記つけ。植木不等式氏の『業務籠中記』(くいすぎ日記)で、先日のイアン・マクノートンのハギス映画は、『怪獣ウラン』での彼の役名がハギス伍長というのを氏が題名だと思ったカン違いとのこと。私の日記の記述がその解明の役にたったわけだが、そこまで指摘したなら怪獣映画マニアとしては英語サイトまで行って、マクノートンの役名とかもチェックすべきだった。札幌で母のパソコンを使っていたためとはいえ、少し中途半端な調査に終わってしまったことを反省。

 何で暖房を入れているのにこんなに寒いのだ、とエアコンを見たら、風力が“弱”になっていた。“強”にしたらいっぺんに暖かくなり、汗をかく。暖かいのはいいのだが、風呂に入って、足の指の先までしみじみ湯の熱さがしみわたる、あの快感がなくなってしまった。また露天風呂のある温泉に行きたくなる。

 昼はマンション下の蕎麦屋でカツ丼を食べる。これが失敗で、しばらく胃に血液全てが集まってしまい、ニッチもサッチもいかなくなる。寝転がって、コミケでベギラマから貰った同人誌『赤い牙02』を読む。メンバーの豪華さは相変わらずだが、前号が豪華であることに寄っかかった、ただ友達たちに原稿描いてもらいました、というものだったのに比べて、今回はエロ、という基本テーマで一本、線を引いているので、非常にまとまりがよく、逆に豪華さを実感させるものになっている。もっとも、そうなると今度は商業誌との線引きが難しくなるが。ベギちゃんのこれは本当にこんなのが実際の思い出なのか。だとしたらプリンセスみゆきのあのノリがこの突き抜けた果てにあるのか。凄い。

 札幌から送られた荷物が届く。今回、いろんなものを貰ってきたが、一番の珍物は私となをきの“へその緒”であろう。桐の箱の中に、脱脂綿にくるまれていたのを開いて見てみたが、赤貝のヒモの燻製のような、きびのわるいもの。しかし、よくとってあったなあ。

 6時、青山に買い物に。帰ってきていろいろメール、また電話。石原さん、まだハイの状態。いいかげんあしらいかねてあぐねる。アルゴの細谷さん、“これから年賀状出します”との電話。このヒトらしい。紙芝居本の企画を書き出すが、雑用多々で 進まず。

 9時、夕食の支度はじめる。半にK子仕事場から帰るはずが遅れて10時になる。鴨湯豆腐、大根と油揚げの煮物。DVDで『サインはV』。ジュンが骨肉腫で戦線を離脱した穴を埋めるミリ(泉洋子。役名も芸名も同じ)が入ってくる。本来ならもっと重要な役なのだが、ジュン・サンダースの印象があまりに強かったために、全く印象に残っていないキャラクターである。合気道の道場主であるミリの父に神宮寺大佐 こと田崎潤。

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