裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

24日

火曜日

小渕がだんだん遠くなる

 去る者は日々に疎し。朝6時起床。早く目が覚めたので、『男の部屋』原稿、文章と構成をざっと洗う。スッキリとして、客観的に見ても読みやすくなったと思う。早起きの効用か、それとも朝仕事の欲目か。メール後朝食、豆のスープと生食パン。デコポンを半個。トイレで便が非常に緩くなっている。沖縄にいたときは置物にしたいくらいいい形のものが出ていたのだが、やはりストレスかね。

 K子に弁当、コロッケの卵とじ。Web現代を1時か2時くらいまでに片付けて、それから海拓舎を……という皮算用でいたが、朝からどんより曇って気圧下降線、体がまるで動かなくなる。ひさしぶり。各編集部にたまっていたメールや電話して昼をずっと過ごす。宣伝会議、土曜に送ったゲラチェックはやはり間に合わず、ゲラがそのまま出てしまったとのこと。あ痛々々。ゲラが出るのに一週間以上かかると最初から言ってくれれば、沖縄行きの予定のことも言っておいたのだが。12時、どどいつ文庫伊藤氏来、悪趣味系の本、5万円ぶん。ほとんどハコ買い。メキシコの死体雑誌 特集本がスゴい。東南アジアのものより死体の質がいい。

 昼はゴハンを茶碗に軽く一杯、コロッケの残りと梅干しで。梅干しはこないだ、いくぶん高めのものを奮発して買ったのだが、甘くてトロリとして絶妙。これも、値段に味の差が如実に出る食品のひとつだな。3時、時間割で、週刊アスキーEくんと打ち合わせ。メールで、“リニューアルの件で”と書いてあったので、そうじゃねえかな、と思ってはいたのだが、連載陣入れ替えで『裏モノの神様』、6月いっぱい(掲載は7月)で終了とのこと。週刊連載が減るのは痛手だが、まあ4年も続けていささかこちらも惰性になっていたこともあり、書き下ろしの時間も欲しいので、それは一向にかまわない。ところがEくんという人が根が善人というか、ウソをつけない性格というか、“編集会議で、もっと直接売れ行きにつながるものを、ということで”などと口をすべらし、K子が怒ってしまった(笑)。もすこしお上手を言う練習をした方がよろしい。

 それからパルコブックセンターに寄り、資料本何冊か買い込む。本棚を眺めていたら、挨拶をしてきた人があり、誰かと思ったら、以前、植木不等式さんとチャイナハウスで御一緒した文藝春秋社の人。作家さんの書店取材の付き添いらしい。女性作家らしいその人、やたらハキハキした口調で店員さんに質問を発していた。

 帰って、Web現代こんどこそ、と書き出す。選んだサイトが極めて自分趣味のところであり、こういうところはサイト自体の面白さというより、こちらの料理の仕方で読ませねばならぬので力技を要する。このWeb現代の私のコラム、アクセス数増加月刊としてこないだまで三回連続で、スケベが主のサイトを取り上げたのだが、目論見通りというかなんと現金なというか、いきなりアクセス数が倍近くにハネ上がったそうである。前回(掲載はまだ)、今回と真面目な(比較問題)サイトであったので、次回からまた少し、スケベでいかねばなるまい。

 新風舎『ステキな自分を見失う本』、著者献呈本届く。タイトルから今日び流行りの人生教訓ものかと思う人もいるかと思うが、ゲッツ板谷や松尾スズキなどと共著の『知的D級生活』シリーズの会社を変えての最新刊なので、お間違えのないように。元シリーズの担当のメディアワークスT氏からタイミングよく電話。進行中の本のスケジュール調整のことなど。それについて、確認すべきところにメールを送ろうとしたのだが、ニフティのトラブルらしく、まるでつながらず。大いにイラつく。最初、ソフトのトラブルかと思い、井上デザインの平塚くんに電話したが、結局、ニフが原因とわかる。2時間半ほどで回復。

 9時半、やっとWeb現代仕上げてメール。折り返し担当のIくんから電話。細かなツメ。やはり、次はスケベでやってくれと頼まれる。スケベは強い。タクシーで東新宿。先週から毎火曜日、ポーランド語とフィンランド語の二連チャンになったK子と、幸永で食事。笑えるエピソードを必ず拾ってくるのは漫画家の業か。幸永は毎度新メニューを出してくるのが感心だが、なんと『サーロインステーキ』というのが登場。2500エンというので頼まず。真露にキュウリ入れて水割り。気圧のせいか、 だいぶ回った。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa